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ユウは賞品!?
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……えっと、何でこんなことに?
突如開かれた全校集会。
瑞龍学園はその生徒数の多さから、職員たちだけでは手が回らず、その所為で生徒会がかなりの権力を有している。
そんな生徒会だから、もちろん、生徒会に入るためには厳しい条件と審査がある。
それらの困難を乗り越えているからこそ、職員は安心して生徒会に、生徒を任せられるのである。
そして、その結果が、このような状況を招いているのだが……。
「みんなぁっ!球技大会は楽しみかぁっ!」
うぉぉぉぉぉぉぉっつ!!!!!
生徒会長のノリノリな掛け声に生徒たちが雄叫びを上げる。
「賞品が欲しいかぁっ!!!」
うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
先程以上の雄叫びが体育館全体を震わす。
と同じにボクの上から紙吹雪が舞う。
ボクは今、ステージ中に作られた高台の上、そこに設置された大きな優勝カップの上に座らされていた。
しかもフリフリのメイド服で。
うん、メイド服は良いんだ。
可愛いし、レムリアで着てるのも似たようなものだから慣れてる。
でもなんで、ボクが賞品?
事の起こりはホンの十数分前の事。
お弁当を食べ終えたボク達が教室に戻ると、途中で姿を消した修介と、生徒会執行部の人達が待ち構えていた。
そして理由も聞かされずに、そのまま連行。
連れていかれた先でメイド服に着替えるように指示される。と同時にこの後、臨時の全校集会が開かれることを教えられた。
全校集会とボクがメイド服に着替えるのとなんの関係があるのだろう?
不思議に思いながら着替え終えると、シュウがやってきてカチューシャを渡してくる。
……猫耳???
「ソレ付けたら、その段ボールの中に入って、縁に手をかけて、見上げるように……。」
腕に「報道」と書かれた腕章を付けた男子生徒がカメラを構えながらそう指示してくる。
ボクは言われるがままに、ネコミミのカチューシャを付けて、段ボールの中で女の子座りをする。
そして段ボールの淵に手をかけて、カメラを見上げる。
カシャッ!カシャッ!
数回のシャッター音が響いた後、そのカメラマンの人は鼻と口を手で押さえて蹲る。
みると、他の人達も同じように蹲っている。
……これはヤバい。
そんな声が洩れ聞こえてくるけど……大丈夫?体調悪いなら早めに帰った方が……え?大丈夫?
えっと、ここに乗ればいいの?
ボクは、大きな優勝トロフィーの上にある椅子に座る。
……え?何か違う?そんなこと言われても……。
結局、大きなカップの中に座らされることになった。
凄く大きなカップで、そのまま座っていると、ボクの姿が隠れてしまう。
だから、合図が有ったら、カップの淵に手をかけて顔を見せて欲しいと言われる。
ボクが訳の分からないままに頷くとそのまま体育館のステージ中央に運ばれることになった。
……そして、今の状況がコレ。
ボクがカップの淵に手をかけ、身を乗り出すと……。
うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
会場が揺れた。
うん、マジで揺れてる。
って言うか、会場パニック起こしてない?
武道系運動部の猛者たちで組織されている「闇の執行部」と呼ばれる人たちの活躍で、一旦は会場が鎮まるけど、皆の視線がボクに向いてる……一体何なのっ!
そして生徒会長から説明がなされる。
曰く、今回の球技大会は、各クラス代表だけでなく、各部活代表も出場すること。
優勝を果たした団体にはボクが賞品として差し出されることなど……
って、賞品っつ!!!???
聞いてないよっ!
賞品と言っても、人権を無視するような横暴のものじゃなく、例えばどこかのクラスが優勝すれば、一ヶ月、そのクラスで授業を受ける。部活団体が優勝すれば、校内予選が終わるまでの間、ボクがその部活に所属する、と言ったように、簡単に言えば1か月程度のレンタルって事なんだけど……。そんなのが賞品でいいの?
……あ、いいのね。
周りの喧騒が、ボクが賞品でいいと言っている……らしい。
「詳細は、各クラスに配布した資料を見ておくようにっ!これで集会を終わるぜっ!最後に俺からお前らに挑戦状だっ!アリスは俺達生徒会が貰うっ!てめえらっ!既に試合は始まってるからなっ!」
生徒会長の宣言により、全校集会は終わりをつげ、各生徒たちは興奮したまま各教室へと散っていく。
「私達も教室に戻るわよっ!」
いつの間にかステージに来ていた、都に引きずられるようにしてボクは教室へと連行された。
「お前らっ!状況は非常に悪いと言わざるを得ないっ!」
クラスメイトの男子が大声で叫ぶ。
「アリスが他のクラスの奴らに取られてもいいのかっ!俺はイヤだっ!」
男子生徒の「有栖川悠」に対する熱い想いが語られる。
……正直言ってキモいんですけど?
だけどなぜか、その語りにうんうんと頷いているクラスメイトが多いのは何故だろう?
その熱い想いが語られた後、教室内は熱気に包まれたまま種目決めが行われる。
しかし、そこで思いもよらない分裂が起きる。
「お前ら、裏切る気かっ!」
「裏切りじゃないっ!俺は自分に正直でいたいんだっ!」
「そうだっ!あの辛い練習の合間に、アリスに「頑張って♪」とタオルやスポドリを渡される瞬間を想像してみろっ!」
「ぐぬぅ……。お前らばっかりそんないい目を見るなんて許さんっ!」
「拙者たちも、アリス殿には様々なコスを……。」
「いや、お前ら戦力外だから好きにしていいぞ?」
「ぬぬぬっ、我らの底力を甘く見るなでござるっ!」
……部活に所属している者達と所属していない者達で意見が分かれ始めたのだ。
ユウがクラスからいなくなるのは困る……が、部活団体であれば、クラス移動がある絵訳じゃなし、それどころか、授業中だけでなく、部活まで一緒に居られるとうメリットの方が大きい、と考え、クラスから出場せずに、各部活団体として出場するという者達が出始めたのだ。
「うーん、この事まで考えて、部活団体を持ち出してきたのだとすれば……あの生徒会長、中々やるわね。」
都が頭を押さえて考える。
「えっと、……ただの球技大会……よね?」
明日香が、ノリについていけない、という複雑な表情で、小声で聞いてくる。
「そのはず……なんだけどね。」
ボクがそう答えると、横から修介が口を挟んでくる。
「球技大会だけど、ただの、じゃないぜ。」
どゆこと?と目で訊ねると、修介は、要項の書かれた資料を見せてくる。
「ほら、ここの特記事項。MVPに選ばれた生徒は、ユウとデートが出来るって書いてあるぜ?」
「「「「「「なんだとっ!!」」」」」」
今まで騒いでいたクラスメイトが一斉にこちらを見る。
「嘘っ、ボク聞いてないよっ!」
「って言われてもなぁ。すでに告知された以上、どうしようもないな。」
「都ぉ……。」
「ゴメン。すぐには思いつかない。」
助けを求めて都を見るけど、都は困ったように首を横に振る。
「うぅ……男の人とデートなんて嫌だよぉ。」
ボクがそう呟くと、明日香が、僕を抱きしめ、あやす様に頭を撫でる。
「大丈夫。何とかするよ。」
「えっ?」
「デートそのものは取り下げれそうにもないけど……女の子とのデートならいいよね?」
普通に遊びに行くのと変わらないもんね。と明日香が言う。
「その手があったわね。」
都が同意する。
「う、うん……明日香ちゃんと……デートしたい。」
思わず本音が漏れてしまったけど、明日香は単なる社交辞令ぐらいにしか思ってないみたいだった。
「よしっ、男子達っ!ユウの嫌がることを強要するのは本意じゃないでしょ?デートの代わりにユウがお弁当作ってくるって言うので手を打たない?」
都の言葉に、クラス中の男子が色めき立つ。
そして部活団体で出場しようとしていた者達がジレンマに陥る。
「うぅ……弁当、弁当かぁ……」
「放課後のマネージャー……天使ぃ……だけど、お弁当……。」
「うぉぉ……「頑張って」の一言がぁ……でもお弁当がぁ……。」
のたうち回る運動部所属の者達に、都が一声、悪魔の囁きを呟く。
「うちのクラスが優勝したら、全員にお弁当作ってくれるわよ。mvpにはデザート付きだって。」
「「「「「「うっす!がんばるっす!」」」」」」
効果てきめんだった。
部活代表では、勝利しても、MVPはまず先輩に取られてしまう。
しかしクラスが勝てば、感謝されるうえに最低限手作り弁当が約束された。
だったら、少しでも利のある方につくのが道理だろう。
「頑張れば、私と明日香のチア姿をお披露目してあげるよ。」
「「「「「「本当かっ!」」」」」」
更に色めき立つ男子生徒。
その間に数人の女子生徒がボクに近づいて来る。
「私達とならデートしてくれるの?」
「あ、うん、ボクでよければ……。」
「「「よしっ!!下剋上よっ!」」」
女の子達も色めき立つ。
横では都が明日香ちゃんに何やら囁いている。
(見たでしょ?チアでも何でも、頑張らないとユウがあの子達の毒牙にかかるのよ?)
(うん。女の子同士って不毛だもんね。ユウちゃんの貞操のために頑張るよっ!)
(不毛……、まぁ、そうね、……女の子同士なら……ね。)
都が複雑そうな顔でこっちを見るけど、何を話していたのか聞こえなかったので、僕は曖昧に笑ってごまかす。
「まぁ、ユウも頑張るのよ。」
ハイ、ここに、と言って、都がどこからともなく段ボールを取り出す。
「じゃぁ、ユウからみんなに激励の一言」
私が段ボールの中に座ると、そう言ってメモが手渡される。
「みんな、頑張って、ボクを拾って……にゃん♪」
うん、とても恥ずかしい。
その後の騒ぎについては……ノーコメントで。
突如開かれた全校集会。
瑞龍学園はその生徒数の多さから、職員たちだけでは手が回らず、その所為で生徒会がかなりの権力を有している。
そんな生徒会だから、もちろん、生徒会に入るためには厳しい条件と審査がある。
それらの困難を乗り越えているからこそ、職員は安心して生徒会に、生徒を任せられるのである。
そして、その結果が、このような状況を招いているのだが……。
「みんなぁっ!球技大会は楽しみかぁっ!」
うぉぉぉぉぉぉぉっつ!!!!!
生徒会長のノリノリな掛け声に生徒たちが雄叫びを上げる。
「賞品が欲しいかぁっ!!!」
うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
先程以上の雄叫びが体育館全体を震わす。
と同じにボクの上から紙吹雪が舞う。
ボクは今、ステージ中に作られた高台の上、そこに設置された大きな優勝カップの上に座らされていた。
しかもフリフリのメイド服で。
うん、メイド服は良いんだ。
可愛いし、レムリアで着てるのも似たようなものだから慣れてる。
でもなんで、ボクが賞品?
事の起こりはホンの十数分前の事。
お弁当を食べ終えたボク達が教室に戻ると、途中で姿を消した修介と、生徒会執行部の人達が待ち構えていた。
そして理由も聞かされずに、そのまま連行。
連れていかれた先でメイド服に着替えるように指示される。と同時にこの後、臨時の全校集会が開かれることを教えられた。
全校集会とボクがメイド服に着替えるのとなんの関係があるのだろう?
不思議に思いながら着替え終えると、シュウがやってきてカチューシャを渡してくる。
……猫耳???
「ソレ付けたら、その段ボールの中に入って、縁に手をかけて、見上げるように……。」
腕に「報道」と書かれた腕章を付けた男子生徒がカメラを構えながらそう指示してくる。
ボクは言われるがままに、ネコミミのカチューシャを付けて、段ボールの中で女の子座りをする。
そして段ボールの淵に手をかけて、カメラを見上げる。
カシャッ!カシャッ!
数回のシャッター音が響いた後、そのカメラマンの人は鼻と口を手で押さえて蹲る。
みると、他の人達も同じように蹲っている。
……これはヤバい。
そんな声が洩れ聞こえてくるけど……大丈夫?体調悪いなら早めに帰った方が……え?大丈夫?
えっと、ここに乗ればいいの?
ボクは、大きな優勝トロフィーの上にある椅子に座る。
……え?何か違う?そんなこと言われても……。
結局、大きなカップの中に座らされることになった。
凄く大きなカップで、そのまま座っていると、ボクの姿が隠れてしまう。
だから、合図が有ったら、カップの淵に手をかけて顔を見せて欲しいと言われる。
ボクが訳の分からないままに頷くとそのまま体育館のステージ中央に運ばれることになった。
……そして、今の状況がコレ。
ボクがカップの淵に手をかけ、身を乗り出すと……。
うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!うぉぉぉぉぉぉぉっ!!、うぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!
会場が揺れた。
うん、マジで揺れてる。
って言うか、会場パニック起こしてない?
武道系運動部の猛者たちで組織されている「闇の執行部」と呼ばれる人たちの活躍で、一旦は会場が鎮まるけど、皆の視線がボクに向いてる……一体何なのっ!
そして生徒会長から説明がなされる。
曰く、今回の球技大会は、各クラス代表だけでなく、各部活代表も出場すること。
優勝を果たした団体にはボクが賞品として差し出されることなど……
って、賞品っつ!!!???
聞いてないよっ!
賞品と言っても、人権を無視するような横暴のものじゃなく、例えばどこかのクラスが優勝すれば、一ヶ月、そのクラスで授業を受ける。部活団体が優勝すれば、校内予選が終わるまでの間、ボクがその部活に所属する、と言ったように、簡単に言えば1か月程度のレンタルって事なんだけど……。そんなのが賞品でいいの?
……あ、いいのね。
周りの喧騒が、ボクが賞品でいいと言っている……らしい。
「詳細は、各クラスに配布した資料を見ておくようにっ!これで集会を終わるぜっ!最後に俺からお前らに挑戦状だっ!アリスは俺達生徒会が貰うっ!てめえらっ!既に試合は始まってるからなっ!」
生徒会長の宣言により、全校集会は終わりをつげ、各生徒たちは興奮したまま各教室へと散っていく。
「私達も教室に戻るわよっ!」
いつの間にかステージに来ていた、都に引きずられるようにしてボクは教室へと連行された。
「お前らっ!状況は非常に悪いと言わざるを得ないっ!」
クラスメイトの男子が大声で叫ぶ。
「アリスが他のクラスの奴らに取られてもいいのかっ!俺はイヤだっ!」
男子生徒の「有栖川悠」に対する熱い想いが語られる。
……正直言ってキモいんですけど?
だけどなぜか、その語りにうんうんと頷いているクラスメイトが多いのは何故だろう?
その熱い想いが語られた後、教室内は熱気に包まれたまま種目決めが行われる。
しかし、そこで思いもよらない分裂が起きる。
「お前ら、裏切る気かっ!」
「裏切りじゃないっ!俺は自分に正直でいたいんだっ!」
「そうだっ!あの辛い練習の合間に、アリスに「頑張って♪」とタオルやスポドリを渡される瞬間を想像してみろっ!」
「ぐぬぅ……。お前らばっかりそんないい目を見るなんて許さんっ!」
「拙者たちも、アリス殿には様々なコスを……。」
「いや、お前ら戦力外だから好きにしていいぞ?」
「ぬぬぬっ、我らの底力を甘く見るなでござるっ!」
……部活に所属している者達と所属していない者達で意見が分かれ始めたのだ。
ユウがクラスからいなくなるのは困る……が、部活団体であれば、クラス移動がある絵訳じゃなし、それどころか、授業中だけでなく、部活まで一緒に居られるとうメリットの方が大きい、と考え、クラスから出場せずに、各部活団体として出場するという者達が出始めたのだ。
「うーん、この事まで考えて、部活団体を持ち出してきたのだとすれば……あの生徒会長、中々やるわね。」
都が頭を押さえて考える。
「えっと、……ただの球技大会……よね?」
明日香が、ノリについていけない、という複雑な表情で、小声で聞いてくる。
「そのはず……なんだけどね。」
ボクがそう答えると、横から修介が口を挟んでくる。
「球技大会だけど、ただの、じゃないぜ。」
どゆこと?と目で訊ねると、修介は、要項の書かれた資料を見せてくる。
「ほら、ここの特記事項。MVPに選ばれた生徒は、ユウとデートが出来るって書いてあるぜ?」
「「「「「「なんだとっ!!」」」」」」
今まで騒いでいたクラスメイトが一斉にこちらを見る。
「嘘っ、ボク聞いてないよっ!」
「って言われてもなぁ。すでに告知された以上、どうしようもないな。」
「都ぉ……。」
「ゴメン。すぐには思いつかない。」
助けを求めて都を見るけど、都は困ったように首を横に振る。
「うぅ……男の人とデートなんて嫌だよぉ。」
ボクがそう呟くと、明日香が、僕を抱きしめ、あやす様に頭を撫でる。
「大丈夫。何とかするよ。」
「えっ?」
「デートそのものは取り下げれそうにもないけど……女の子とのデートならいいよね?」
普通に遊びに行くのと変わらないもんね。と明日香が言う。
「その手があったわね。」
都が同意する。
「う、うん……明日香ちゃんと……デートしたい。」
思わず本音が漏れてしまったけど、明日香は単なる社交辞令ぐらいにしか思ってないみたいだった。
「よしっ、男子達っ!ユウの嫌がることを強要するのは本意じゃないでしょ?デートの代わりにユウがお弁当作ってくるって言うので手を打たない?」
都の言葉に、クラス中の男子が色めき立つ。
そして部活団体で出場しようとしていた者達がジレンマに陥る。
「うぅ……弁当、弁当かぁ……」
「放課後のマネージャー……天使ぃ……だけど、お弁当……。」
「うぉぉ……「頑張って」の一言がぁ……でもお弁当がぁ……。」
のたうち回る運動部所属の者達に、都が一声、悪魔の囁きを呟く。
「うちのクラスが優勝したら、全員にお弁当作ってくれるわよ。mvpにはデザート付きだって。」
「「「「「「うっす!がんばるっす!」」」」」」
効果てきめんだった。
部活代表では、勝利しても、MVPはまず先輩に取られてしまう。
しかしクラスが勝てば、感謝されるうえに最低限手作り弁当が約束された。
だったら、少しでも利のある方につくのが道理だろう。
「頑張れば、私と明日香のチア姿をお披露目してあげるよ。」
「「「「「「本当かっ!」」」」」」
更に色めき立つ男子生徒。
その間に数人の女子生徒がボクに近づいて来る。
「私達とならデートしてくれるの?」
「あ、うん、ボクでよければ……。」
「「「よしっ!!下剋上よっ!」」」
女の子達も色めき立つ。
横では都が明日香ちゃんに何やら囁いている。
(見たでしょ?チアでも何でも、頑張らないとユウがあの子達の毒牙にかかるのよ?)
(うん。女の子同士って不毛だもんね。ユウちゃんの貞操のために頑張るよっ!)
(不毛……、まぁ、そうね、……女の子同士なら……ね。)
都が複雑そうな顔でこっちを見るけど、何を話していたのか聞こえなかったので、僕は曖昧に笑ってごまかす。
「まぁ、ユウも頑張るのよ。」
ハイ、ここに、と言って、都がどこからともなく段ボールを取り出す。
「じゃぁ、ユウからみんなに激励の一言」
私が段ボールの中に座ると、そう言ってメモが手渡される。
「みんな、頑張って、ボクを拾って……にゃん♪」
うん、とても恥ずかしい。
その後の騒ぎについては……ノーコメントで。
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