ヘタレ勇者の成り上がり~ボッチにハーレムは厳しいです~

Red

文字の大きさ
18 / 32

ダンジョンに行くって、簡単に言うけどね?……えっ、ダンジョンができた?どこに???

しおりを挟む
「「「おはようございます、旦那様」」」

翌朝、目を覚ましたら、三人娘が三つ指をついて出迎えてくれた。

「旦那様、ご飯の用意が出来てますよ。」

「旦那様、お着替えはここに。」

「旦那様、お風呂わいてるにゃ。」

「……レイナ、アイナ、マーニャ、ここに座りなさい。」

三人娘の余りにもの挙動のおかしさに、俺は三人を正座させる。

「で、ぶっちゃけ、なにが望みなんだ?」

そう、彼女たちがいきなり甲斐甲斐しくなったのは、きっと何かお願いがあるに違いない。

俺の事が大好きで俺のために何でもしてあげる……なんていう女の子は夢の中にしかいないんだよっ!

『わかってるじゃない、童貞。』

どこかでロリ女神ちゃんの声が聞こえた気がした。

童貞ちゃうわっ!……違わないけどな。

俺は脳内でいつものツッコミを入れると、三人に向き直る。

三人は少しもじもじしていたが、やがて、意を決したようにレイナが言う。

「私達、ダンジョンに行きたいんです。」

……ダンジョン!?何それっ、俺も行きたいわっ!

「コホンッ……。」

俺のそんな思いがこぼれていたのか、ミィナが、咳ばらいを一つして睨みつけてくる。

……そうだよなぁ。さすがに11歳の女の子をダンジョンなんて危険な所に行かせるわけにはいかないよなぁ。

「え~と、昨日のあの女の子は女神様なんですよね?」

確認するように聞いてくるレイナに、俺は「あぁ」と頷く。

「だとすれば、カズトさんが仰っていた「1ヶ月後に魔物が、襲ってくる」というのも間違いないんですよね?」

「まぁ、そうだな。」

「「「だから、私達強くなりたいんですっ!」」」

3人が声を揃えて言う。

「もう、足手まといになるのは嫌なんです。」

「レイナとマーニャを守る。」

「流石にまた死にたくにゃいにゃぁ。」

………この間の戦いで、それぞれに思うところがあったのだろう。

俺は、ミィナに頼んで、三人娘たちのギフトを診てもらう。

レイナは「魔術師」「狙撃」「バードアイ」の3つのギフトを持っている。
3つとも洗礼式のときに授かったというのだから、なかなかに恵まれている。

しかも、「魔術師」は魔法系のギフトの中でもレアに類するもので、一般的な「〇属性魔法」と違って、中級止まりではあるが、全属性の魔法が使える可能性を秘めている。

とは言っても、相性などもあり、全属性を使うことが出来るようになるまではかなりの研鑽と努力が必要であるのだが、すでに風と水の魔法が使えるレイナであれば、もしかすると全属性が使えるようになるかもしれない。

一つの属性に特化したギフトのほうが、上級も扱える上に、派生ギフトに変化しやすいと言われているため、どっちがいいかとは一概に言えないのだけどね。

ちなみに、魔術師の上には「魔道士」「大魔導師」「賢者」「大賢者」「魔導マスター」と言う派生ギフトがあるらしい。

「狙撃」は弓や投擲武器の射程距離と命中率を上げるギフトで「バードアイ」は周辺や遠くのものを俯瞰して認識できるギフト。共に弓を使うには相性抜群のギフトである。

このスキル構成から、レイナは後衛での援護及び指揮官に向いていると言える。


アイナのギフトは「武器マスタリー」。
あらゆる武器の使用と習熟に長けているギフトであり、戦士系を目指す者にとっては垂涎のギフトだ。

「〇〇の戦士」という特化したギフトとは違い、武器を選ばない……武器であれば何でも同じように力を発揮出来るスキルは、戦場においてこの上なく頼もしいものである。

というのも、武器の損耗が激しい戦場において、得意武器がいつでも手に入るとはかぎらないからだ。
剣士が自分の剣を折ってしまい、敵兵の持っていた槍で戦わずを得なくなり、十全に力を発揮できず倒れてしまう、なんて話はよくある。

ただ、、アイナは現在、メイス以外の武器を使う気がなさそうだけど。

マーニャのギフトは「格闘術」と「闘気術」だ。
「格闘術」はその名の通り、無手での戦闘術であり、「闘気術」はオーラを体内に巡らせて活性化し、身体強化したり、手や脚などに纏わせて、攻撃力を上げたり、など、格闘術と非常に相性の良いギフトだ。

洗礼式のときに授かったギフトは「闘気術」だけだったらしいが、レイナたちと一緒に狩りをしているうちに「格闘術」が生えてきたらしい。

なんでも、武器の扱いからが面倒なので、無手で戦っていたらいつの間にか生えてたのだとか。
全く持ってマーニャらしい。

で、何がいいたいかと言うと、この3人が組めば、かなり強いということ。

今はまだ経験不足故の粗が目立つが、ダンジョンなどで鍛えれば、対魔物相手なら十分な戦力になるだろう。

「しかしなぁ……。」

『なに迷ってんだよ。本人たちが望んでるんだぜ。それに来たるべきに備えて戦力は多いほうがいいだろうが。』

『ダメよっ。彼女たちはまだ子供よ?子供を戦わせるなんて!』

脳内で、悪魔くんと天使ちゃんのバトルが始まる。

『彼女たちはまだ子供なのよ。子供は護られべき存在だわ。』

『それは日本の価値観だろ。ここでは10歳になれば大人同様に、立派な労働力として扱われる世界なんだぜ。』

『それは、そうかも知れないけど……。』

悪魔くんの正論に天使ちゃんが言葉を失う。

実際、客観的に見れば、悪魔くんの言う事のほうが正しいのだ。

10歳になれば冒険者登録だってできる。
現にこの3人も冒険者のライセンスを持っているらしい。

天使ちゃんの言うことは、所詮感情論でしかない。

『それにな、客観的にみてカズトより3人のほうが強いだろ?』

………いや、わかってるけどね、はっきり言われると、その、プライドとかね………。

……ダメだ、反対する正当な理由が見つからない。


「でも、これからダンジョンのある街まで行こうと思ったら……。」

困り果てた俺に、ミィナが助け船をだしてくれる。

……そうだよ、ダンジョンがある迷宮都市までは、ここから片道1ヶ月はかかるじゃないか。

「そうだな、流石に迷宮都市までいくには……。」

「あるよ?」

「えっ?………ごめん、何があるって?」

「ダンジョン。」

「……どこに?」

「村の横。」

「………。」

「………。」

「………ゴメン、なにか幻聴を聞いたみたいだ。この村の横にダンジョンがあるって聞こえた気がするんだけど、流石に聞き間違いだよな?」

「……だからそう言ってる。」

アイナが少し怒ったように言う。

「マジ?」

俺はレイナの方を見ると、彼女はコクコクと頷く。

「それを早く言えよっ!」

俺は慌てて装備を整え、三人娘にダンジョンまで案内させる。


「コレはまた………。」

案内された先で、俺は絶句する。

「落とし穴ほってたら見つかったにゃ。」

「あ、ウン、そう言うこともあるかもね。」

俺は呆然としながらも、そのダンジョンの入口になる扉を見つめる。

冒険者ギルドから貰った冊子には、ダンジョンについての説明も書かれており、ダンジョンについての一般的な知識は覚えている。

まず、この世界のダンジョンは、必ず入口にドアがある。

何故扉があるのか解明されていないが、一説によれば、ダンジョンは異界であり、入口の扉は、異界と現界をつなぐものだと言う。

そして、扉の色や輝きによって、そのダンジョンの難易度がある程度わかるらしい。

まず、扉の輝きが鮮やかなほど、そのダンジョンは活性化している。
つまり、モンスターの湧きが早かったり、活動的だったり、罠が多かったりするのだ。

そして、色。

錆鉄の色から白金まで、様々な鉱石に類似した色の扉があり、一般的に鉱石の価値に合わせてダンジョンの、価値が変わっているらしい

例えば、銅色の扉のダンジョンは、敵のレベルも高くなく、攻略も容易い代わりに、中で得られる素材や宝箱の中身の価値もそれなりで、金の扉のダンジョンは、魔物のレベルも高く、危険がいっぱいな代わりに、得られるものの価値も高いと言う。

そして、このダンジョンの扉は………。

「輝いてるな。」

「輝いてるわね。」

「ん、輝いてる。」

「輝いてるにゃ。」

「……あのですね、なんで誰も色に触れないの?」

輝いていると頷きあう俺達に突っ込むようにミィナがいう。

「そう言われてもなぁ……。」

「ですねぇ……。」

俺達は、扉の色に言及しなかった……いや、したくなかった。

なぜなら、扉は鮮やかな虹色で輝いていたからだった。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

処理中です...