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※グランクス侯爵視点
グランクス侯爵こと私は今、大層腹を立てていた。
それもこれも、全て伯爵家のせいだ。
私には一人息子のロバートがいる。そして息子が愛してやまないのが、息子の婚約者であるエミーヌ嬢だ。
彼女は美しく賢明で、尚且つ心優しい。
しかしその境遇は決して恵まれているわけではなかった。
母親を早くに亡くし、自分を愛さない父、伯爵が連れてきた義母と義妹に遠回しに嫌がらせをされる始末。
息子はいつも彼女を救いたいと口にしていた。
私も力になれることがあればなんでも協力すると言っていたが、今日まで特に何もなく。しかし今日、突然息子が話をしにきた。
エミーヌ嬢が屋敷で酷い扱いを受け、昨日は父親から殴られ、今日は監禁されているという連絡が入ったのだ。伯爵家に雇われている料理人が我々の屋敷まで伝えに来てくれたことらしい。
これは立派な虐待だ。なおかつ、そんな場所に彼女をおいておくのは危険だと考えた息子は、急いで彼女を助けに向かった。私もすぐに後を追うと息子に言った。
そして息子のサポートをするために来てみれば、伯爵家は本当に酷いものだった。
「お姉様、大ごとにしすぎです!ただの家族喧嘩なのに。ロバート様、お姉様は今どうかしているんです、ここはどうか一回帰って……」
「君は、自分は元平民だ、とか言う割には人に物事を強要してくるよね」
「え……あ、の、」
「それからもうミーちゃんにいちいち構るのもやめてくれるかな?ミーちゃんが傷付くだけだから。僕たちに関わらないで。名前を呼ばれるのも煩わしい」
廊下を曲がろうとしたところで、息子とエミーヌ嬢の義妹との会話が聞こえてきたので、私は足を止めて隠れて様子を伺った。
「聞き捨てなりません!確かにヴィヴィも私も元平民ですが、そんなことまでいわれる筋合いはないはずです!」
「星の数ほどありますよ」
どうやら息子は相当怒っているようだ。
しかし私は思う。この義母と義妹、なかなかに酷すぎる。こんな奴らに騙される伯爵と使用人たちもどうかと思うが、それ以上に矯正しようのない人格をしている。
この屋敷で暮らさなければいけなかったエミーヌ嬢はさぞかし辛かっただろう。私がもっと早くに動いていればと後悔するくらいだ。
……まぁ、しかし今となっては、私と息子がどうにかしないわけがない。
かくして息子は口を開いた。
「伯爵、今までのエミーヌに対する行い、全て国王様に報告させていただきますね」
「はっ、何を、ロバート君。私は君より遥かに陛下の信頼を得ている。出来るものならやってみたまえ」
馬鹿な伯爵だ。
この女二人に騙される程度の者が、国王様の信頼を得られるものか。
……そろそろ、出番が来たようだ。
「勘違いしているようだが、相手は私だ」
思い通りになんかさせてやるものか。
それもこれも、全て伯爵家のせいだ。
私には一人息子のロバートがいる。そして息子が愛してやまないのが、息子の婚約者であるエミーヌ嬢だ。
彼女は美しく賢明で、尚且つ心優しい。
しかしその境遇は決して恵まれているわけではなかった。
母親を早くに亡くし、自分を愛さない父、伯爵が連れてきた義母と義妹に遠回しに嫌がらせをされる始末。
息子はいつも彼女を救いたいと口にしていた。
私も力になれることがあればなんでも協力すると言っていたが、今日まで特に何もなく。しかし今日、突然息子が話をしにきた。
エミーヌ嬢が屋敷で酷い扱いを受け、昨日は父親から殴られ、今日は監禁されているという連絡が入ったのだ。伯爵家に雇われている料理人が我々の屋敷まで伝えに来てくれたことらしい。
これは立派な虐待だ。なおかつ、そんな場所に彼女をおいておくのは危険だと考えた息子は、急いで彼女を助けに向かった。私もすぐに後を追うと息子に言った。
そして息子のサポートをするために来てみれば、伯爵家は本当に酷いものだった。
「お姉様、大ごとにしすぎです!ただの家族喧嘩なのに。ロバート様、お姉様は今どうかしているんです、ここはどうか一回帰って……」
「君は、自分は元平民だ、とか言う割には人に物事を強要してくるよね」
「え……あ、の、」
「それからもうミーちゃんにいちいち構るのもやめてくれるかな?ミーちゃんが傷付くだけだから。僕たちに関わらないで。名前を呼ばれるのも煩わしい」
廊下を曲がろうとしたところで、息子とエミーヌ嬢の義妹との会話が聞こえてきたので、私は足を止めて隠れて様子を伺った。
「聞き捨てなりません!確かにヴィヴィも私も元平民ですが、そんなことまでいわれる筋合いはないはずです!」
「星の数ほどありますよ」
どうやら息子は相当怒っているようだ。
しかし私は思う。この義母と義妹、なかなかに酷すぎる。こんな奴らに騙される伯爵と使用人たちもどうかと思うが、それ以上に矯正しようのない人格をしている。
この屋敷で暮らさなければいけなかったエミーヌ嬢はさぞかし辛かっただろう。私がもっと早くに動いていればと後悔するくらいだ。
……まぁ、しかし今となっては、私と息子がどうにかしないわけがない。
かくして息子は口を開いた。
「伯爵、今までのエミーヌに対する行い、全て国王様に報告させていただきますね」
「はっ、何を、ロバート君。私は君より遥かに陛下の信頼を得ている。出来るものならやってみたまえ」
馬鹿な伯爵だ。
この女二人に騙される程度の者が、国王様の信頼を得られるものか。
……そろそろ、出番が来たようだ。
「勘違いしているようだが、相手は私だ」
思い通りになんかさせてやるものか。
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