27 / 27
番外編 ※妹と結婚式4
しおりを挟む
終わってしまったの……?
ひどく呆気なく。
馬車が見えなくなると、衛兵の手が外れる。私は崩れ落ちるように地面に膝をついた。
どういうこと!?エリック様があんなに洗脳されているとは思わなかったわ!
私の訴えなど全くもって通じなかった。
「嘘よ、こんなの信じられるわけ……」
「なんなんだこの女、ボロボロのドレスで」
「ああ、見ていて実に哀れな女だよ。自分が王太子殿下の運命の相手だと勘違いしてるんだぜ」
「アラーナ様にあんな酷い言葉を浴びせて」
「そのお陰で殿下の宣言も聞けたがな」
私を見下ろしてくる民衆たち。指を差し、好き勝手に会話している。
どうして私が下に見られなければいけないのかと私は彼らをキッと睨みつけた。
「皆騙されているのよ!殿下は洗脳を受けているの」
「ははっ、まだ言ってるぜ。懲りないやつだな」
「あの衛兵も気の毒に。パレードが無事終わるまで女の面倒を見なきゃいけないなんて」
聞く耳を持たない民衆たち。
「下賤なあなたたちにこの私が教えてあげてるのよ。公爵令嬢であるこの私が!」
「公爵令嬢……?」
その言葉に誰かが反応する。
「もしかして、噂のカレン嬢じゃないか?王太子の婚約者になったものの、子役を勝手に破棄して砂漠の国の王についていったっていう」
「この女がか?まぁ確かに格好からしても高飛車な態度からしても、そうかもしれないが」
「そうよ、私は王妃になる女なのよ」
「王妃?無理だろそんな奴が王妃なんて」
「現実を見た方が良いな。見ていて痛々しい」
「私は騙されていただけなの!あの国の王は私をハーレムに連れて行ったのよ!?」
私は必死に訴えるが、誰も顔色を変えない。
「当たり前だろ」
「そもそもそれ騙されていたわけでもないし、自分の勘違いが引き起こしたことが原因だろ」
「だったら最低な奴だな。ここまで落ちぶれたのも今まで散々調子に乗っていたツケが回って来ただけだろ」
「むしろこのくらいで済んで良かったな」
調子に乗っていた……?私が?
私はただ、出来が良くて美しくて完璧なだけだったのに。
「黙りなさい。お前たち如きが私を侮辱するなんて!」
「はぁ?」
「馬鹿だな。ここまで落ちぶれたのに、まだ現実に気づけないのが、一層哀れに思えてくる」
「まぁもう一人で生きていくことなんて、出来ないだろうしな。放っておいても問題ないだろ」
「まぁ、殿下とアラーナ様に何かしようとしても、もう近づくことすら出来ないだろうし」
「それ以前に俺らが許さないからな」
そう言い残すと彼らは去っていく。
やがてパレードが終わり急に静かになった大通りには、哀れな一人の女が地べたに座り込んでいた。
その女は、この先何度も王宮におしかけ、終いには逮捕されたという。
しかしその女は最後までこの言葉を言い続けたそうだ。
「殿下も貴方たちも洗脳されているのよ。今、私が助けてあげるから!」
と。
ひどく呆気なく。
馬車が見えなくなると、衛兵の手が外れる。私は崩れ落ちるように地面に膝をついた。
どういうこと!?エリック様があんなに洗脳されているとは思わなかったわ!
私の訴えなど全くもって通じなかった。
「嘘よ、こんなの信じられるわけ……」
「なんなんだこの女、ボロボロのドレスで」
「ああ、見ていて実に哀れな女だよ。自分が王太子殿下の運命の相手だと勘違いしてるんだぜ」
「アラーナ様にあんな酷い言葉を浴びせて」
「そのお陰で殿下の宣言も聞けたがな」
私を見下ろしてくる民衆たち。指を差し、好き勝手に会話している。
どうして私が下に見られなければいけないのかと私は彼らをキッと睨みつけた。
「皆騙されているのよ!殿下は洗脳を受けているの」
「ははっ、まだ言ってるぜ。懲りないやつだな」
「あの衛兵も気の毒に。パレードが無事終わるまで女の面倒を見なきゃいけないなんて」
聞く耳を持たない民衆たち。
「下賤なあなたたちにこの私が教えてあげてるのよ。公爵令嬢であるこの私が!」
「公爵令嬢……?」
その言葉に誰かが反応する。
「もしかして、噂のカレン嬢じゃないか?王太子の婚約者になったものの、子役を勝手に破棄して砂漠の国の王についていったっていう」
「この女がか?まぁ確かに格好からしても高飛車な態度からしても、そうかもしれないが」
「そうよ、私は王妃になる女なのよ」
「王妃?無理だろそんな奴が王妃なんて」
「現実を見た方が良いな。見ていて痛々しい」
「私は騙されていただけなの!あの国の王は私をハーレムに連れて行ったのよ!?」
私は必死に訴えるが、誰も顔色を変えない。
「当たり前だろ」
「そもそもそれ騙されていたわけでもないし、自分の勘違いが引き起こしたことが原因だろ」
「だったら最低な奴だな。ここまで落ちぶれたのも今まで散々調子に乗っていたツケが回って来ただけだろ」
「むしろこのくらいで済んで良かったな」
調子に乗っていた……?私が?
私はただ、出来が良くて美しくて完璧なだけだったのに。
「黙りなさい。お前たち如きが私を侮辱するなんて!」
「はぁ?」
「馬鹿だな。ここまで落ちぶれたのに、まだ現実に気づけないのが、一層哀れに思えてくる」
「まぁもう一人で生きていくことなんて、出来ないだろうしな。放っておいても問題ないだろ」
「まぁ、殿下とアラーナ様に何かしようとしても、もう近づくことすら出来ないだろうし」
「それ以前に俺らが許さないからな」
そう言い残すと彼らは去っていく。
やがてパレードが終わり急に静かになった大通りには、哀れな一人の女が地べたに座り込んでいた。
その女は、この先何度も王宮におしかけ、終いには逮捕されたという。
しかしその女は最後までこの言葉を言い続けたそうだ。
「殿下も貴方たちも洗脳されているのよ。今、私が助けてあげるから!」
と。
1,368
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
妹と王子殿下は両想いのようなので、私は身を引かせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナシアは、第三王子との婚約を喜んでいた。
民を重んじるというラナシアの考えに彼は同調しており、良き夫婦になれると彼女は考えていたのだ。
しかしその期待は、呆気なく裏切られることになった。
第三王子は心の中では民を見下しており、ラナシアの妹と結託して侯爵家を手に入れようとしていたのである。
婚約者の本性を知ったラナシアは、二人の計画を止めるべく行動を開始した。
そこで彼女は、公爵と平民との間にできた妾の子の公爵令息ジオルトと出会う。
その出自故に第三王子と対立している彼は、ラナシアに協力を申し出てきた。
半ば強引なその申し出をラナシアが受け入れたことで、二人は協力関係となる。
二人は王家や公爵家、侯爵家の協力を取り付けながら、着々と準備を進めた。
その結果、妹と第三王子が計画を実行するよりも前に、ラナシアとジオルトの作戦が始まったのだった。
誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。
白い結婚はそちらが言い出したことですわ
来住野つかさ
恋愛
サリーは怒っていた。今日は幼馴染で喧嘩ばかりのスコットとの結婚式だったが、あろうことかパーティでスコットの友人たちが「白い結婚にするって言ってたよな?」「奥さんのこと色気ないとかさ」と騒ぎながら話している。スコットがその気なら喧嘩買うわよ! 白い結婚上等よ! 許せん! これから舌戦だ!!
とある令嬢の勘違いに巻き込まれて、想いを寄せていた子息と婚約を解消することになったのですが、そこにも勘違いが潜んでいたようです
珠宮さくら
恋愛
ジュリア・レオミュールは、想いを寄せている子息と婚約したことを両親に聞いたはずが、その子息と婚約したと触れ回っている令嬢がいて混乱することになった。
令嬢の勘違いだと誰もが思っていたが、その勘違いの始まりが最近ではなかったことに気づいたのは、ジュリアだけだった。
「義妹に譲れ」と言われたので、公爵家で幸せになります
恋せよ恋
恋愛
「しっかり者の姉なら、婚約者を妹に譲ってあげなさい」
「そうだよ、バネッサ。君なら、わかるだろう」
十五歳の冬。父と婚約者パトリックから放たれた無慈悲な言葉。
再婚相手の連れ子・ナタリアの図々しさに耐えてきたバネッサは、
その瞬間に決意した。
「ええ、喜んで差し上げますわ」
将来性のない男も、私を軽んじる家族も、もういらない。
跡継ぎの重責から解放されたバネッサは、その類まれなる知性を見込まれ、
王国の重鎮・ヴィンセント公爵家へ嫁ぐことに。
「私は、私を一番に愛してくれる場所で幸せになります!」
聡明すぎる令嬢による、自立と逆転のハッピーエンド。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
(完結)元お義姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれど・・・・・・(5話完結)
青空一夏
恋愛
私(エメリーン・リトラー侯爵令嬢)は義理のお姉様、マルガレータ様が大好きだった。彼女は4歳年上でお兄様とは同じ歳。二人はとても仲のいい夫婦だった。
けれどお兄様が病気であっけなく他界し、結婚期間わずか半年で子供もいなかったマルガレータ様は、実家ノット公爵家に戻られる。
マルガレータ様は実家に帰られる際、
「エメリーン、あなたを本当の妹のように思っているわ。この思いはずっと変わらない。あなたの幸せをずっと願っていましょう」と、おっしゃった。
信頼していたし、とても可愛がってくれた。私はマルガレータが本当に大好きだったの!!
でも、それは見事に裏切られて・・・・・・
ヒロインは、マルガレータ。シリアス。ざまぁはないかも。バッドエンド。バッドエンドはもやっとくる結末です。異世界ヨーロッパ風。現代的表現。ゆるふわ設定ご都合主義。時代考証ほとんどありません。
エメリーンの回も書いてダブルヒロインのはずでしたが、別作品として書いていきます。申し訳ありません。
元お姉様に麗しの王太子殿下を取られたけれどーエメリーン編に続きます。
〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる