平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした

カレイ

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番外編 ※妹と結婚式3

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 この人たち、何を言っても通じないわ!
 私はこれ以上関わるのは時間の無駄だと思い、そっぽを向いてその場から離れた。
 気づけばこの数分で人通りはかなり増え人混みに揉まれた。
 ボロボロのドレスはさらに擦り切れていく。
 仕方がないので人の流れに沿って歩くと大通りへと出た。

「おっ、もうすぐパレードの馬車が来るってさ!」
「ここじゃ見えないよ、もっと前に行かないと!」

 ここにあの魔女とエリック様は通るのね。
 ひしめき合う人々を抑える衛兵。
 ここをあの二人が通ったら、私の出番ね。もう一度エリック様の元へ行くのよ。

 しばらくして、波のように伝わってくる歓声と盛大に流れだす音楽。そして皆の視線先には、主役を乗せた馬車がやって来た。

 ……今よ!!

 私は力強く飛び出した。
 人混みを押し分け、一刻でも早くその場所へと歩みを進める。

「エリック様!」
「これ以上先へ進んではいけません!」

 もう少しで彼の元へ行けるというところで、衛兵に止められる。
 か弱い私が鍛え上げられた男の力に敵うはずもなく、私の体はすぐに押さえつけられた。

「やめて離して!助けてエリック様~っ!」

 大声を上げて叫ぶ私に民衆の歓声が止む。
 エリック様は私を見つけ大きく目を見開いた。

「カレンっ!?」
「エリック様、騙されないでください!そのアラーナとかいう女は魔女ですわ、危険です!」

 上目遣いで声のトーンを上げて。
 こうすれば、彼が私に弱くなることくらい長い付き合いだからわかっている。
 衛兵はエリック様と私が知り合いだということを知り動揺した。

「通して!私は彼の婚約者なのよ!」
「殿下……」

 戸惑った傭兵は未だ私を押さえつけながらエリック様に目線を移す。
 しかしエリック様は平然と言い放った。

「いや、これは知り合いではない。我が妻を魔女呼ばわりする女など」
「……っ!殿下はアラーナ様に洗脳されているんです!私が今、助けに向かいますから……っ」
「無礼者!次、王太子妃に何か申したら、ただでは済まさんぞ!」

 殿下の洗脳はなかなか解けない。
 そう思っていると、何やら殿下は馬車を一度止めて立ち上がった。

「……皆の衆もよく聞け!確かにアラーナは、魔女と呼ばれる容姿をしている。しかしそれ以上に賢明で美しく、口のことを第一に考えている彼女が、どうして魔女であろうか!なぜ、我々はいつまでも古めかしい風習に騙されなければいけないのか!今こそ我々が変わる時なのだ!」

 殿下の宣言に大歓声が起こった。
 そうしてまたすぐ馬車は動き出し、どんどん私の視界から遠ざかっていった。
 
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