26 / 27
番外編 ※妹と結婚式3
しおりを挟む
この人たち、何を言っても通じないわ!
私はこれ以上関わるのは時間の無駄だと思い、そっぽを向いてその場から離れた。
気づけばこの数分で人通りはかなり増え人混みに揉まれた。
ボロボロのドレスはさらに擦り切れていく。
仕方がないので人の流れに沿って歩くと大通りへと出た。
「おっ、もうすぐパレードの馬車が来るってさ!」
「ここじゃ見えないよ、もっと前に行かないと!」
ここにあの魔女とエリック様は通るのね。
ひしめき合う人々を抑える衛兵。
ここをあの二人が通ったら、私の出番ね。もう一度エリック様の元へ行くのよ。
しばらくして、波のように伝わってくる歓声と盛大に流れだす音楽。そして皆の視線先には、主役を乗せた馬車がやって来た。
……今よ!!
私は力強く飛び出した。
人混みを押し分け、一刻でも早くその場所へと歩みを進める。
「エリック様!」
「これ以上先へ進んではいけません!」
もう少しで彼の元へ行けるというところで、衛兵に止められる。
か弱い私が鍛え上げられた男の力に敵うはずもなく、私の体はすぐに押さえつけられた。
「やめて離して!助けてエリック様~っ!」
大声を上げて叫ぶ私に民衆の歓声が止む。
エリック様は私を見つけ大きく目を見開いた。
「カレンっ!?」
「エリック様、騙されないでください!そのアラーナとかいう女は魔女ですわ、危険です!」
上目遣いで声のトーンを上げて。
こうすれば、彼が私に弱くなることくらい長い付き合いだからわかっている。
衛兵はエリック様と私が知り合いだということを知り動揺した。
「通して!私は彼の婚約者なのよ!」
「殿下……」
戸惑った傭兵は未だ私を押さえつけながらエリック様に目線を移す。
しかしエリック様は平然と言い放った。
「いや、これは知り合いではない。我が妻を魔女呼ばわりする女など」
「……っ!殿下はアラーナ様に洗脳されているんです!私が今、助けに向かいますから……っ」
「無礼者!次、王太子妃に何か申したら、ただでは済まさんぞ!」
殿下の洗脳はなかなか解けない。
そう思っていると、何やら殿下は馬車を一度止めて立ち上がった。
「……皆の衆もよく聞け!確かにアラーナは、魔女と呼ばれる容姿をしている。しかしそれ以上に賢明で美しく、口のことを第一に考えている彼女が、どうして魔女であろうか!なぜ、我々はいつまでも古めかしい風習に騙されなければいけないのか!今こそ我々が変わる時なのだ!」
殿下の宣言に大歓声が起こった。
そうしてまたすぐ馬車は動き出し、どんどん私の視界から遠ざかっていった。
私はこれ以上関わるのは時間の無駄だと思い、そっぽを向いてその場から離れた。
気づけばこの数分で人通りはかなり増え人混みに揉まれた。
ボロボロのドレスはさらに擦り切れていく。
仕方がないので人の流れに沿って歩くと大通りへと出た。
「おっ、もうすぐパレードの馬車が来るってさ!」
「ここじゃ見えないよ、もっと前に行かないと!」
ここにあの魔女とエリック様は通るのね。
ひしめき合う人々を抑える衛兵。
ここをあの二人が通ったら、私の出番ね。もう一度エリック様の元へ行くのよ。
しばらくして、波のように伝わってくる歓声と盛大に流れだす音楽。そして皆の視線先には、主役を乗せた馬車がやって来た。
……今よ!!
私は力強く飛び出した。
人混みを押し分け、一刻でも早くその場所へと歩みを進める。
「エリック様!」
「これ以上先へ進んではいけません!」
もう少しで彼の元へ行けるというところで、衛兵に止められる。
か弱い私が鍛え上げられた男の力に敵うはずもなく、私の体はすぐに押さえつけられた。
「やめて離して!助けてエリック様~っ!」
大声を上げて叫ぶ私に民衆の歓声が止む。
エリック様は私を見つけ大きく目を見開いた。
「カレンっ!?」
「エリック様、騙されないでください!そのアラーナとかいう女は魔女ですわ、危険です!」
上目遣いで声のトーンを上げて。
こうすれば、彼が私に弱くなることくらい長い付き合いだからわかっている。
衛兵はエリック様と私が知り合いだということを知り動揺した。
「通して!私は彼の婚約者なのよ!」
「殿下……」
戸惑った傭兵は未だ私を押さえつけながらエリック様に目線を移す。
しかしエリック様は平然と言い放った。
「いや、これは知り合いではない。我が妻を魔女呼ばわりする女など」
「……っ!殿下はアラーナ様に洗脳されているんです!私が今、助けに向かいますから……っ」
「無礼者!次、王太子妃に何か申したら、ただでは済まさんぞ!」
殿下の洗脳はなかなか解けない。
そう思っていると、何やら殿下は馬車を一度止めて立ち上がった。
「……皆の衆もよく聞け!確かにアラーナは、魔女と呼ばれる容姿をしている。しかしそれ以上に賢明で美しく、口のことを第一に考えている彼女が、どうして魔女であろうか!なぜ、我々はいつまでも古めかしい風習に騙されなければいけないのか!今こそ我々が変わる時なのだ!」
殿下の宣言に大歓声が起こった。
そうしてまたすぐ馬車は動き出し、どんどん私の視界から遠ざかっていった。
1,123
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
【完結】婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
【完結】生贄になった婚約者と間に合わなかった王子
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
フィーは第二王子レイフの婚約者である。
しかし、仲が良かったのも今は昔。
レイフはフィーとのお茶会をすっぽかすようになり、夜会にエスコートしてくれたのはデビューの時だけだった。
いつしか、レイフはフィーに嫌われていると噂がながれるようになった。
それでも、フィーは信じていた。
レイフは魔法の研究に熱心なだけだと。
しかし、ある夜会で研究室の同僚をエスコートしている姿を見てこころが折れてしまう。
そして、フィーは国守樹の乙女になることを決意する。
国守樹の乙女、それは樹に喰らわれる生贄だった。
奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら
キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。
しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。
妹は、私から婚約相手を奪い取った。
いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。
流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。
そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。
それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。
彼は、後悔することになるだろう。
そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。
2人は、大丈夫なのかしら。
誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。
婚約者と家族に裏切られたので小さな反撃をしたら、大変なことになったみたいです
柚木ゆず
恋愛
コストール子爵令嬢マドゥレーヌ。彼女はある日、実父、継母、腹違いの妹、そして婚約者に裏切られ、コストール家を追放されることとなってしまいました。
ですがその際にマドゥレーヌが咄嗟に口にした『ある言葉』によって、マドゥレーヌが去ったあとのコストール家では大変なことが起きるのでした――。
両親から謝ることもできない娘と思われ、妹の邪魔する存在と決めつけられて養子となりましたが、必要のないもの全てを捨てて幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたユルシュル・バシュラールは、妹の言うことばかりを信じる両親と妹のしていることで、最低最悪な婚約者と解消や破棄ができたと言われる日々を送っていた。
一見良いことのように思えることだが、実際は妹がしていることは褒められることではなかった。
更には自己中な幼なじみやその異母妹や王妃や側妃たちによって、ユルシュルは心労の尽きない日々を送っているというのにそれに気づいてくれる人は周りにいなかったことで、ユルシュルはいつ倒れてもおかしくない状態が続いていたのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる