独占欲強めの最高神は、モブ娘からの一途な愛をお望みです!

弥生ちえ

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第3章 乙女ゲーム始動 編

第130話 【攻略対象 美貌の大魔法使いと王子様】有望な後継者候補は、つれない反応を返す

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 表情を凍りつかせて、ガクガクと震えるアルマジロだが、うっかり同情などしてはいけない。

「アルマジロ殿は、一体我々に何を期待していたのですか?」

 丁寧に、けれど突き放したように声を掛けたのはバルザックだ。

 彼は、ゲームの中ではシルヴィアと力を合わせて、土の宝珠オーブの役目を担うことになるのだが、そのストーリーにアルマジロの姿は無かった。

『ぼ、ぼく……の形が保てるのは、あと、わずか……だ。ヒントを、のこしてるのに、誰も、ぼくに気付いてくれる人間は……いなかった。気付いて、信じて、祈ってくれないと、ぼくの力は消え去る……。ぼくが消えれば、土の力が喪われる……』

 ゲームの時間軸は現在よりも少し先で、既に彼が消滅した後だったのだ。

(そう言えば、ゲームに無かった授業イベントだものね。ヒロイン達は、この授業で得られる土の宝珠オーブのヒントを完全に見落としてたってことね)

 だが、今はまだアルマジロが存在している。

「――そっか! まだ手遅れにはなってないわ!」

 ふいに、力強く声をあげたレーナに視線が集まる。力強く握った拳を眼前に掲げて、レーナはアルマジロに頷いて見せる。

「つまり、土の宝珠オーブの化身であるアルマジロくんを、信じて、祈る人がいれば大丈夫ってことでしょ!?」

『けど、ぼくの力は……とてもわずかだ。代わりに、魔力の強い人間に引き継がせ、宝珠オーブに魔力を溜めた方が、土の力は永らえる……可能性がある』

「それじゃあ、地上の破滅フラグが消えてないし。地面がダメになって、世界が滅びていったら、リュザス様探しに支障があるでしょうが!」

『えぇっ!? ……ぼくの、ためじゃないの!?』

「今のわたしの言葉のどこにも、勘違いさせる要素なんて微塵もないはずだけど!?」

 これまでのこの世界ダンテフォールでの経験で、無邪気で、悪気の無い、身勝手な、的思考への恐ろしさを痛感してきたレーナだ。彼らに対して、迂闊なことは言わない。きっぱりと否定する。

 一瞬、髪飾りの辺りから鋭い光が漏れた気がするが、気付かないフリを通すレーナだ。

『じゃ、じゃあ……きみの、方は?』

 細長い顔が、焦った様子でバルザックに向けられる。

「私に何を期待しているのか、分かりかねますが……。これまで魔法の深淵に興味を持ち、持てる力の全てを魔力の研鑽、研究に捧げて、今の私を作り上げてきた成果。それは、他人のために用意したものであるはずが無い! とだけ、お伝えすれば良いでしょうか?」

 ニッコリ、と作られた笑顔が、自信と威圧に溢れている。

(そう言えば、ゲームでのバルザックは、土の宝珠オーブの危機に『自ら』気付いて、『自ら』化身になろうとしてたっけ。ヒロインもいたけど、足りない魔力を補う立ち位置だったから、あくまでバルザック主体だったわ)

 彼は、とにかく自分の思う通りに動きたい性質なのだ。

『そんなぁ……』

 目を付けた、有望な後継者候補2人にすげなく断られたアルマジロは、ガックリと項垂れた。
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