独占欲強めの最高神は、モブ娘からの一途な愛をお望みです!

弥生ちえ

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第4章 最高神 編

第191話 【攻略対象 最高神リュザス】憤慨! 神によるアプリ誘拐

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 まさかの推し(だった)最高神によって、界を渡る拉致被害に遭っていたとは。

 しかも、執着とも呼べる彼への想いは、他ならぬ本神リュザスによって強化ドーピングされていたものだったとは。

「もう! 信じらんないっ!!! 全部嘘だったってこと!?」

「全部じゃないよぉ、僕だって全く無い状態のものを作り出すのは大変だし。なにより、何人も居た中で玲於奈れおなの思いは断トツに強かったんだって。玲於奈の僕を想う気持ちが、今のレーナの特別な力になってるんだからぁ」

 発覚した悪事を叱られた子供の様に、情けなく眉を下げたリュザスが半泣きで訴える。美形が目を潤ませる姿の破壊力に屈しそうにはなったが、レーナは果敢に目を吊り上げた。

「そもそもあのゲームっ……『虹の彼方のダンテフォール ~堕ちる神と滅びる世界で、真実の愛が繋げる奇跡~』に、この世界へプレイヤーを連れ去る仕掛けがあったってことよね!?
 まさかの誘拐アイテム、魅了によるリュザスルートへの誘導付き……って、何やってくれてるのよ!? とんだ呪いのアプリじゃない!!」

「そうでもしなきゃ、僕のことをほんっとに一途に想ってくれるコなんて見付からないんだもん!! この世界の人間は、僕のことをただの最高神だと思ってて、特別な気持ちなんて向けてくれないしっ!
 だとしたら、固定観念のない別の世界のコを頼るしかないでしょぉぉーーーー!?
 僕は、僕のことを愛してくれる存在がひつよーなの!!」

「我儘が過ぎるわ!! 宝珠オーブの化身たちの執着気質とか身勝手さを見てて、なんとな~く想像はついてたけどっ」

 ふんす、と鼻息も荒く抗議するレーナだ。怒濤の勢いで判明した、異世界転生と強すぎる推しへの執着心の理由に憤りが湧く。そして更なる苛立ちの言葉をリュザスにぶつける。

「とにかく、会った瞬間醒めたわ。拡大されすぎた理想と現実の対比って言うのかしら。2次元や2.5次元と、実写……実物の差って大きいわよね」

 言いながら脳裏に浮かぶのは、身近となったがために、煌びやかなだけでない存在となった攻略対象らだ。
 やっと鼻たれを卒業したばっかりの幼馴染アルルクに、出会ったときと比べて随分と表情豊かになったエドヴィン。バルザックやクラウディオ王子も、ふとした折りに美麗なだけでない面を垣間見せてくれる。
 けれどそれら素の表情は、レーナにとって幻滅に繋がる悪い要素とはならず、親しみを感じる好意的な要素として馴染んでいる。

「妙なものね。期待値が物凄く高くて、想い入れが何よりも強かったリュザスと……
 特に何も感じてなかった攻略対象たちへの想いが、今は差がなくなっちゃったみたい」

 差が無い――そう言葉にしてみれば、リュザスへの想いは無条件な思慕ではなくなっただけで、嫌悪すべき存在とは感じていないことに気付いたレーナだ。困った我儘男だとは思うが。
 だが、リュザスにとってはショックでしかない告白としか受け取られなかったらしい。ぐっと眉間に皺を寄せた苦悶の様子を見せつつ、唸る様に声を発する。

「なんだよそれ。僕がどれだけ大切に玲於奈れおなたちをこの世界へ連れて来て、育んできたかっ。頑張ったんだよ、すごく。想いを壊さない様、この世界で苦労しない様、いっぱい見守って……」

 ざわりと、空間まるごとの空気が重く不穏に震える。さらには、白く輝く虚無でしかない空間の輝度きどまでもが落ちる。

「なのにレーナだけだったんだ、ここまで辿り着いたのは!! そのレーナまでが僕を想ってくれないの!? ゲームじゃ見向きもしなかった、あいつらの方が良くなったの!?」

 リュザスの絶望、落胆、嫉妬の激しい感情が影響してか、空間がグングンと暗くなって行く。
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