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2.ヒロインとか興味ないので筋トレしてたのに、危機一髪が訪れたみたいです。
『あああ』の様子がおかしいんだが!? 男娼に堕とされる危機!
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「以前はお前のことを、モテなくて僻んでるだけの嫌な奴かとも思っていた! ……だが、戦った私たちは互いに分かり合い、親友の誓いを立てたではないか!!」
「……(間に合ってますって言った気がするが)?」
しかもこの主人公、事あるごとに大臀筋に触れてこようとする。格闘術の授業ならまだ分かるが、講義室や食堂、はてはトイレへの移動でもやたら距離を詰めて、あちこちの筋肉を触りに来る。
人気者主人公が、悪役の俺なんかにやたらとくっ付くせいで、学園中の令息令嬢にその都度恨めしげに睨み付けられる俺の心労を少しは理解してほしい。いや、わざとか!? 悪役の俺を学園から追い出して、平和を守るために、学園中のヘイトを俺に集めようとしているのか!?
そうだ、だとしたらこいつの行動に理由がつく。
こいつは周りに他の奴等がいるときにばかり、やたらと俺の筋肉を触りに来るのだ。「仕方ないなー、どうしてもなんて言われちゃ断れないからな。私はお前に頼まれたら嫌とは言えないからなー」などと、やたらと主張するような大声で言いながら。
ちなみに俺はそんなことミジンコの欠片だって言ったことないぞ。人気者も陽キャもリア充も、俺のライフを削りに来る天敵でしかないからな! 出来れば視界にも入れたくない存在だ。……話がそれた。
としたら、この主人公『あああ』が、衆目のあるところで俺に無理強いをされたような事を吹聴し、不可侵であるべき俺のパーソナルスペースに強引に入り込んでくる理由など、ただの一つしかない。
――俺の悪行を大勢に分からしめ、味方につけた彼らと共に悪役を断罪追放するための地固めだ!!!
「(何て恐ろしいことを考えてやがる……! 他人を利用するなど、悪役の専売特許なんじゃないのか!? それを、ただでさえ味方の多いヒーローがやったなら、どれだけの戦力がこいつのバックに付くって言うんだ! 味方のいない嫌われ悪役の俺なんて一瞬で消される)……」
恐ろしさに内心ガクブルな俺は、当然言葉なんて出せるわけがない。恐ろしさのあまり、視線を外す事さえ出来ない……。肉食獣に牙を剥き出された草食動物の気持ちが痛いほどわかる。
視線を逸らせない俺に、身の程の違いをわからせて満足げな笑みを浮かべる主人公様――うぅっ、恐ろしい。俺、知らないうちに何かやらかしてたんだな? ほんと身に覚えがないケド、悪役補正がきっと働いてたんだな?
「お前が無節操に数多の令息令嬢の気を惹く行動を取るのを、私がどんな思いで見逃してやっていたか分かるか? お前の唯一、絶対は、私だ! 私の目の黒いうちは勝手なことはさせん!!」
俺の悪行を追求するうちに、『あああ』の怒りがどんどん高まっている。真っ赤に染まった顔をぐっと近付けて来て、はぁはぁと吐く息も荒く断罪の台詞を捲し立てる。俺の鍛え上げたもっちりと膨らんだ大胸筋、腹直筋はもちろん大腿四頭筋までもが奴のゴリゴリした細い身体に押さえつけられる。必死の思いで纏ったごつい筋肉鎧は、主人公の僅かの質量で驚愕のポテンシャルを発揮する筋肉の前では赤子も同然だったようだ。
ああ……終わった。
この場で断罪された俺は、なんやかやで男娼に堕とされるんだ……。
俺はただ、ひっそり穏やかな筋トレライフの破滅フラグ回避生活をしたいだけだったのに。
「ヒロイキ様、発見っ……きゃわわっ!」
頭上から、俺の大胸筋目掛けて、ふわふわの綿菓子みたいに柔らかな塊が降って来た――と思ったら、銀色の髪をぼさぼさにした、平民聖女ユリーナだった。俺と『あああ』の大胸筋の上に上手く挟まって安心したらしい。
「危機一髪ですぅ~」
ぺろりと舌を出すのは、悪役の俺に対する威嚇なのか!?
「……(間に合ってますって言った気がするが)?」
しかもこの主人公、事あるごとに大臀筋に触れてこようとする。格闘術の授業ならまだ分かるが、講義室や食堂、はてはトイレへの移動でもやたら距離を詰めて、あちこちの筋肉を触りに来る。
人気者主人公が、悪役の俺なんかにやたらとくっ付くせいで、学園中の令息令嬢にその都度恨めしげに睨み付けられる俺の心労を少しは理解してほしい。いや、わざとか!? 悪役の俺を学園から追い出して、平和を守るために、学園中のヘイトを俺に集めようとしているのか!?
そうだ、だとしたらこいつの行動に理由がつく。
こいつは周りに他の奴等がいるときにばかり、やたらと俺の筋肉を触りに来るのだ。「仕方ないなー、どうしてもなんて言われちゃ断れないからな。私はお前に頼まれたら嫌とは言えないからなー」などと、やたらと主張するような大声で言いながら。
ちなみに俺はそんなことミジンコの欠片だって言ったことないぞ。人気者も陽キャもリア充も、俺のライフを削りに来る天敵でしかないからな! 出来れば視界にも入れたくない存在だ。……話がそれた。
としたら、この主人公『あああ』が、衆目のあるところで俺に無理強いをされたような事を吹聴し、不可侵であるべき俺のパーソナルスペースに強引に入り込んでくる理由など、ただの一つしかない。
――俺の悪行を大勢に分からしめ、味方につけた彼らと共に悪役を断罪追放するための地固めだ!!!
「(何て恐ろしいことを考えてやがる……! 他人を利用するなど、悪役の専売特許なんじゃないのか!? それを、ただでさえ味方の多いヒーローがやったなら、どれだけの戦力がこいつのバックに付くって言うんだ! 味方のいない嫌われ悪役の俺なんて一瞬で消される)……」
恐ろしさに内心ガクブルな俺は、当然言葉なんて出せるわけがない。恐ろしさのあまり、視線を外す事さえ出来ない……。肉食獣に牙を剥き出された草食動物の気持ちが痛いほどわかる。
視線を逸らせない俺に、身の程の違いをわからせて満足げな笑みを浮かべる主人公様――うぅっ、恐ろしい。俺、知らないうちに何かやらかしてたんだな? ほんと身に覚えがないケド、悪役補正がきっと働いてたんだな?
「お前が無節操に数多の令息令嬢の気を惹く行動を取るのを、私がどんな思いで見逃してやっていたか分かるか? お前の唯一、絶対は、私だ! 私の目の黒いうちは勝手なことはさせん!!」
俺の悪行を追求するうちに、『あああ』の怒りがどんどん高まっている。真っ赤に染まった顔をぐっと近付けて来て、はぁはぁと吐く息も荒く断罪の台詞を捲し立てる。俺の鍛え上げたもっちりと膨らんだ大胸筋、腹直筋はもちろん大腿四頭筋までもが奴のゴリゴリした細い身体に押さえつけられる。必死の思いで纏ったごつい筋肉鎧は、主人公の僅かの質量で驚愕のポテンシャルを発揮する筋肉の前では赤子も同然だったようだ。
ああ……終わった。
この場で断罪された俺は、なんやかやで男娼に堕とされるんだ……。
俺はただ、ひっそり穏やかな筋トレライフの破滅フラグ回避生活をしたいだけだったのに。
「ヒロイキ様、発見っ……きゃわわっ!」
頭上から、俺の大胸筋目掛けて、ふわふわの綿菓子みたいに柔らかな塊が降って来た――と思ったら、銀色の髪をぼさぼさにした、平民聖女ユリーナだった。俺と『あああ』の大胸筋の上に上手く挟まって安心したらしい。
「危機一髪ですぅ~」
ぺろりと舌を出すのは、悪役の俺に対する威嚇なのか!?
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