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3.ヒロインとか興味ないので筋トレしてたのに、家族が破滅フラグを立ててしまうみたいです。
ブラックマン伯爵家暗躍の歴史の影には、家宝「3分間ヌーベル」の存在があった!
しおりを挟む翌朝、我が家では親父の怒号が響き渡っていた。
喚く親父ことブラックマン伯爵の口許は、油ものを食べたみたいにテラリと光り、顔もいつも以上に脂ぎっている気がする。
「……(朝からまた使ったのか)」
俺は、昨日初めて摂った魔法道具の姿を思い出して、ウプと口許を押さえた。
我がブラックマン伯爵家には、他人の三分を奪う魔法道具が家宝として、伝わっている。親父は昨夜の首尾を確認するために、また誰かに成り代わって王妃様が健在なことを知ったんだろう。
我がブラックマン伯爵家暗躍の歴史の影には、家宝「3分間ヌーベル」の存在がある。その名が示すように、3分間だけ新しい体験を可能にする魔法道具だ。代々家長に引き継がれるこの家宝は、一見何の変哲もない真鍮製の脚付き酒杯なのだが、なんとこれに熱々のお湯を注ぎ、願いを込めて待つと、中から何本もの縮れた長い触手がニョキニョキと溢れ出す。ハッキリ言ってグロい。
だが、そのビジュアルへの嫌悪を乗り越えて触手を摂り込めば、3分間だけ望み通りの他人の意識を乗っ取って、動けるようになるのだ。
勿論、そのように強い魔法道具だから、使用による反作用は起きる。多量の縮れ麵――いや、触手を取り込んだことによるカロリー過多だ。
ブラックマン伯爵は、俺が物心ついた時から、でっぷりと太っていたが、「3分間ヌーベル」を摂取し過ぎた影響であるのは間違いない。一体どれだけ食ったんだ!?
そのおかげで、我が家の犯罪歴は、裁かれることなく、大小様々な悪事を繰り返して、暗澹と延び続けている。破滅フラグを回避したいのに、実家がこれじゃあヤバ過ぎる。
――だから最近の俺は、邪魔できそうな犯罪は、ひっそりと妨害することにしていた。
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