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3.ヒロインとか興味ないので筋トレしてたのに、家族が破滅フラグを立ててしまうみたいです。
どれもこれも、破滅フラグへの積み立てなのか!?
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破滅フラグ回避の大仕事を成し遂げた、清々しくも、疲れて眠くてたまらんしんどい学園への登校時刻。
俺はいつも通り、学園の正門をくぐったメインストリート……の端を、ひっそりと進む。
「昨日は筋肉仮面様、出なかったの?」
「新聞には筋肉仮面様情報は無かったなぁ。珍しい」
「そいえばねっ! 町のパン屋さんが、ほうれん草と鳥むね肉を挟んだマッスルパンを出したって」
「うそ! 一緒に行こうぜ!」
朝から放課後デートの約束をするリア充に、怨嗟の視線を向ける……気概もない。だから俺はひっそりと俯いて、こそこそと並木の側を進む。
「きゃわわっ!」
頭の上で、素っ頓狂な声と一緒に、バキバキっと枝が折れる派手な音がして、気付けば、反射的に前に突き出した両腕の間に女の子がスッポリと収まっていた。
平民聖女は、いつもナンでココデ降ッテ来ル??
ポカンとする俺の腕の中から、頬を染めて聖女が飛び降りても、俺の思考回路はフリーズしたまんまだった。
「んもぉ、ヒロイキ様ったら、あたしにナニか言うことがあるんじゃないんですか!?」
「……(ここに立っててごめんなさい。美少女の前に不用意に表れて、身の程を弁えずごめんなさい)」
言いたいけど、俺にケモミミ少女も尻尾巻いて逃げ出す天使系美少女に口をきけと!? いや、無理無理無理無理!!
「むぅぅーん。なんだかとんでもないカンチガイをしてる気がしますねぇ」
ぷぅと両頬を膨らませて、うるうるの大きな瞳で上目遣いに俺をのぞき込んでくる。この天使は、本気で俺を天に召そうとしているんだろうか。心臓がマリアナ海溝に放り込まれたみたいに、きゅぅぅぅぅっと……いや――
「死ぬ」
言葉にするつもりはなかったのに、心情がそのまま口に出ていたみたいだ。
「死ぬとは何事だ!? ふむ、怪我はないようだな。あまり心配をかけてくれるな」
気が遠くなりかけた俺の目の前に現れたのは、いつも通り学友を引き連れたクリスティアナ姫だ。この学園内では学園長に次いで高い地位を持ち、学園生ながら風紀と規律の番人の役割も担っている。そんな彼女だから、学園内で要らぬ人死に騒ぎを起こそうとした俺に注意しに来たんだろう。
「……ごめ(ついでに昨日のスカート捲りも)」
ぼそぼそと口ごもる俺の僧帽筋に、小さいほっそりした手が気遣わしげに添えられる。
「昨夜のことは私とお前の秘密だ」
笑いを含んだ甘い声が至近距離で響いて、俺の僧帽筋から離れたお姫様の手が、指差す形を作って大胸筋を指先でツンと突く。なんだこれ、なんの秘孔を突かれたんだ!? 突かれた点が、きゅぅぅぅぅんと熱いぞ――! いや、今度こそ俺、死ぬんじゃね!?
「お前の行いを公に出来ないのは業腹だが、必ずやその働きに報いがあると信じているぞ」
ボソリと、そう耳元で囁いてお姫様は離れて行った。
え? え? スカート捲りしたのが、……王妃様を操った俺だってバレて、断罪されちゃうの、俺?
すぅぅっと血の気が引いていく。気が遠のいて行く。ふらつく俺に聖女ユリーナが駆け寄って、腹直筋に体当たりし、両腕を俺の脇から脊柱規律背筋に回してガッチリと固定する。バックドロップされるのか!?
「あぁぁっ! ヒロイキ様、大変ですぅ! すぐにあたしが癒しますからねっ。お疲れだった昨夜の約束を果たしますよ!」
殊更大きな声で叫んだ彼女に、登校する学園生らの視線が集まる。なんだかとんでもなくザワついている気がするのは、天使の如く愛らしい聖女様と、筋肉不愛想なモブ男が至近距離に居る不敬に対しての、嫌悪って奴だろう。
貴族ははっきりものを言わないから恐ろしい。これも後々ボティブローみたいに効いてくる、破滅フラグへの積み立てなっちまうから恐ろしい……。
どうしたら良いんだ―――!!!
俺はいつも通り、学園の正門をくぐったメインストリート……の端を、ひっそりと進む。
「昨日は筋肉仮面様、出なかったの?」
「新聞には筋肉仮面様情報は無かったなぁ。珍しい」
「そいえばねっ! 町のパン屋さんが、ほうれん草と鳥むね肉を挟んだマッスルパンを出したって」
「うそ! 一緒に行こうぜ!」
朝から放課後デートの約束をするリア充に、怨嗟の視線を向ける……気概もない。だから俺はひっそりと俯いて、こそこそと並木の側を進む。
「きゃわわっ!」
頭の上で、素っ頓狂な声と一緒に、バキバキっと枝が折れる派手な音がして、気付けば、反射的に前に突き出した両腕の間に女の子がスッポリと収まっていた。
平民聖女は、いつもナンでココデ降ッテ来ル??
ポカンとする俺の腕の中から、頬を染めて聖女が飛び降りても、俺の思考回路はフリーズしたまんまだった。
「んもぉ、ヒロイキ様ったら、あたしにナニか言うことがあるんじゃないんですか!?」
「……(ここに立っててごめんなさい。美少女の前に不用意に表れて、身の程を弁えずごめんなさい)」
言いたいけど、俺にケモミミ少女も尻尾巻いて逃げ出す天使系美少女に口をきけと!? いや、無理無理無理無理!!
「むぅぅーん。なんだかとんでもないカンチガイをしてる気がしますねぇ」
ぷぅと両頬を膨らませて、うるうるの大きな瞳で上目遣いに俺をのぞき込んでくる。この天使は、本気で俺を天に召そうとしているんだろうか。心臓がマリアナ海溝に放り込まれたみたいに、きゅぅぅぅぅっと……いや――
「死ぬ」
言葉にするつもりはなかったのに、心情がそのまま口に出ていたみたいだ。
「死ぬとは何事だ!? ふむ、怪我はないようだな。あまり心配をかけてくれるな」
気が遠くなりかけた俺の目の前に現れたのは、いつも通り学友を引き連れたクリスティアナ姫だ。この学園内では学園長に次いで高い地位を持ち、学園生ながら風紀と規律の番人の役割も担っている。そんな彼女だから、学園内で要らぬ人死に騒ぎを起こそうとした俺に注意しに来たんだろう。
「……ごめ(ついでに昨日のスカート捲りも)」
ぼそぼそと口ごもる俺の僧帽筋に、小さいほっそりした手が気遣わしげに添えられる。
「昨夜のことは私とお前の秘密だ」
笑いを含んだ甘い声が至近距離で響いて、俺の僧帽筋から離れたお姫様の手が、指差す形を作って大胸筋を指先でツンと突く。なんだこれ、なんの秘孔を突かれたんだ!? 突かれた点が、きゅぅぅぅぅんと熱いぞ――! いや、今度こそ俺、死ぬんじゃね!?
「お前の行いを公に出来ないのは業腹だが、必ずやその働きに報いがあると信じているぞ」
ボソリと、そう耳元で囁いてお姫様は離れて行った。
え? え? スカート捲りしたのが、……王妃様を操った俺だってバレて、断罪されちゃうの、俺?
すぅぅっと血の気が引いていく。気が遠のいて行く。ふらつく俺に聖女ユリーナが駆け寄って、腹直筋に体当たりし、両腕を俺の脇から脊柱規律背筋に回してガッチリと固定する。バックドロップされるのか!?
「あぁぁっ! ヒロイキ様、大変ですぅ! すぐにあたしが癒しますからねっ。お疲れだった昨夜の約束を果たしますよ!」
殊更大きな声で叫んだ彼女に、登校する学園生らの視線が集まる。なんだかとんでもなくザワついている気がするのは、天使の如く愛らしい聖女様と、筋肉不愛想なモブ男が至近距離に居る不敬に対しての、嫌悪って奴だろう。
貴族ははっきりものを言わないから恐ろしい。これも後々ボティブローみたいに効いてくる、破滅フラグへの積み立てなっちまうから恐ろしい……。
どうしたら良いんだ―――!!!
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