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7章 四條家の行く末
6話 暗殺失敗の後
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密偵について調べが進む。
しかし、密偵は一言もしゃべらず、衰弱死していく。
侵入者が捕まったことは、翌日には城中に知れ渡っている。
しかし、騒ぐ者はいない、侵入者はすぐ御庭番などに捕まり、城の警戒は万全だと証明しているからだ。
結局、誰が何のために送り込んだかわからずに終わる。
憶測だけが流れる。
つなを暗殺するために送り込まれたのだと・・・
これは、俺たちの部屋の天井裏に密偵が潜んでいたことによる。
俺は憶測を気にしていない。あの程度の密偵ならばどうとでもできるからである。
日野信当たちは、密偵について話し合う
「彼らは何もしゃべりませんでしたな。」
「それは腕の良いものを選びましたからな。」
「それが、簡単に捕まってしまったのですぞ。」
「御庭番は仕方ないとして、菊姫についている弥次郎も厄介ですな。」
「1人はつなの部屋まで行っておきながら、つなたちに捕まっています。」
「暗殺も難しいですかな。」
「あなた方は、どうも本気になっていないようですね。」
「おおっ、鬼柳殿か。」
「我々は、本気ですぞ。」
「そうなら、城を落として、天下を握ればよいではありませんか。」
「何を申される。」
「我々は竹丸様に世継ぎになって欲しいのです。」
「天下取りなど、恐ろしいことを・・・」
「申し訳ありません。言葉が過ぎましたな。」
「冗談が過ぎますぞ、鬼柳殿。」
「私は、あなた方がどの位、真剣か知りたのです。」
「我々を疑うのですか。」
「私は、貴重な能鬼師たちを出しましたが、すべて無駄になっています。」
「それは、熊野つなのせいです。」
「あれさえいなければ、今頃、菊姫は亡き者になっていたのです。」
「ならば、つなを排除すればいいではないですか。」
「それが、うまくいかないのです。」
「暗殺も失敗したばかりです。」
「そうですか、私も少し考えてみましょう。」
「鬼柳殿お願いします。」
信当たちは、頭を下げる。
彼らが頭を上げると鬼柳は姿を消している。
彼らは、それを誰も疑問に思わない。
九条正親は、菊姫を推す貴族を集めて話し合う。
この集まりに四條兼隆も参加している。
兼隆は、貴族たちに仲間と認められたのである。
正親が切り出す
「今回から四條殿が加わりました。」
「四條兼隆です。皆様の力になるつもりです。」
「四條殿、期待していますよ。」
「はい。」
「城で捕まった賊は、つな殿の命を狙っていたと聞き及んでいますが・・・」
「証拠はありません。」
「しかし、竹丸様を推す貴族たちにとって、つな殿は邪魔でしょう。」
「状況的にはありますな。」
この後、正親たちは、能鬼師について話し合うが、情報も何も出てこない。
この会は、兼隆の顔見せで終わる。
これで四條家は実質的に復活する。
しかし、密偵は一言もしゃべらず、衰弱死していく。
侵入者が捕まったことは、翌日には城中に知れ渡っている。
しかし、騒ぐ者はいない、侵入者はすぐ御庭番などに捕まり、城の警戒は万全だと証明しているからだ。
結局、誰が何のために送り込んだかわからずに終わる。
憶測だけが流れる。
つなを暗殺するために送り込まれたのだと・・・
これは、俺たちの部屋の天井裏に密偵が潜んでいたことによる。
俺は憶測を気にしていない。あの程度の密偵ならばどうとでもできるからである。
日野信当たちは、密偵について話し合う
「彼らは何もしゃべりませんでしたな。」
「それは腕の良いものを選びましたからな。」
「それが、簡単に捕まってしまったのですぞ。」
「御庭番は仕方ないとして、菊姫についている弥次郎も厄介ですな。」
「1人はつなの部屋まで行っておきながら、つなたちに捕まっています。」
「暗殺も難しいですかな。」
「あなた方は、どうも本気になっていないようですね。」
「おおっ、鬼柳殿か。」
「我々は、本気ですぞ。」
「そうなら、城を落として、天下を握ればよいではありませんか。」
「何を申される。」
「我々は竹丸様に世継ぎになって欲しいのです。」
「天下取りなど、恐ろしいことを・・・」
「申し訳ありません。言葉が過ぎましたな。」
「冗談が過ぎますぞ、鬼柳殿。」
「私は、あなた方がどの位、真剣か知りたのです。」
「我々を疑うのですか。」
「私は、貴重な能鬼師たちを出しましたが、すべて無駄になっています。」
「それは、熊野つなのせいです。」
「あれさえいなければ、今頃、菊姫は亡き者になっていたのです。」
「ならば、つなを排除すればいいではないですか。」
「それが、うまくいかないのです。」
「暗殺も失敗したばかりです。」
「そうですか、私も少し考えてみましょう。」
「鬼柳殿お願いします。」
信当たちは、頭を下げる。
彼らが頭を上げると鬼柳は姿を消している。
彼らは、それを誰も疑問に思わない。
九条正親は、菊姫を推す貴族を集めて話し合う。
この集まりに四條兼隆も参加している。
兼隆は、貴族たちに仲間と認められたのである。
正親が切り出す
「今回から四條殿が加わりました。」
「四條兼隆です。皆様の力になるつもりです。」
「四條殿、期待していますよ。」
「はい。」
「城で捕まった賊は、つな殿の命を狙っていたと聞き及んでいますが・・・」
「証拠はありません。」
「しかし、竹丸様を推す貴族たちにとって、つな殿は邪魔でしょう。」
「状況的にはありますな。」
この後、正親たちは、能鬼師について話し合うが、情報も何も出てこない。
この会は、兼隆の顔見せで終わる。
これで四條家は実質的に復活する。
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