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第4話 鬼姫鈴鹿

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 逢神たけるは、無職になってから妙齢の女性に付きまとわれている。
 鈴鹿と名乗る女性は、山の神を殺した帰り道、人気のない所で突然現れる。
 気配や足音もないのにいきなりたけるの前に立っている。
 たけるは警戒したというより、血が騒ぐのだ早く刀を出して、その刀に鬼の血を与えろと・・・
 「何か用ですか。」
 「私は鈴鹿と言います、あなたと一緒になるためにきました。」
 「何言っているの。」
 「私たちは前世で兄妹で愛し合っていたんです、2000年待ちました。」
たけるはこれは電波女だ、かかわりになるのはやめようと思う。
 「忙しいので失礼します。」
すると鈴鹿は抱き着いて来る。
 「冷たいこと言わないで。」
たけるの血が再び早く刀を出して、その刀に鬼の血を与えろと騒ぐ。
血に逆らえない、血は刀の名を呼べと命じる
 「羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
たけるは呪われた刀の名をつぶやく。
 すると虚空から護符に包まれた鞘に収まる刀が浮かび上がる。
 刀を手に取り抜き祓う、彼の心は鬼への憎しみに満たされる。
 たけるは抱き着いていた鈴鹿に刀を突きたてる。
 しかし、そこには彼女はいない。
 間合いの外に彼女はいる、頭に角を生やし、金色の瞳に変化している。
 鈴鹿は虚空から大通連を抜き出し
 「どういうことかしら、鬼切りの刀なんて厄介な。」
たけるは怒りに満ちた顔をしている。
 「刀に飲まれたのね。」
鈴鹿はたけるの状態を観察し何とかしようとする。
 彼は正面から切りかかってくる、彼女は剣筋をそらしてかわす。
 鈴鹿はたけるから刀を離すことにする。
 彼が刀に操られていると考えたのだ。
 彼女は神速で間合いに入ると刀の棟で彼の刀を叩き落す。
 彼は立ったまま動かなくなる。
 彼女は大通連を虚空に戻すと声をかける
 「大丈夫、刀に操られていたのよ。」
たけるはが立ったまま、鈴鹿を見る、目はまだ刀の呪いが残っていることを表している。
 彼の心の中で刀鍛冶が言う
 「鬼はそこにいるぞ。」
 彼は突然、彼女に襲い掛かる、押し倒し、こぶしで顔面を殴ると首を絞める。
 彼女は抵抗しない、呼吸が止まり、死を迎える。
 たけるは気を失い、鈴鹿の上に倒れ込む。
 しばらくすると鈴鹿の呼吸が戻り、息を吹き返す。
 彼女はそのまま身じろぎせず、金色の目は星空を映している。
 たけるが起き上がると
 「こ、これは・・・」
彼の下には女の鬼がいる。
 「気が付いたの。」
 「鬼だよな。」
 「そうよ鬼姫鈴鹿よ。」
 「俺、憎い気持ちと欲望が混ざって、あっ。」
 「意識はあったのね。」
 「殺してしまったはずなのに。」
 「殺されたわ。」
 「謝る、許されないか。」
 「いいわよ、殺した責任取ってね。」
こうして、たけるは鬼姫鈴鹿に付きまとわれることになる。
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