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第8章 魔獣を操る者
第22話 1万の軍勢
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俺たちはハイドランド帝国の中を進む、もし騎士団と出会ったら戦闘は避けられないだろう。俺は魔法士と魔獣に備えて魔力探知をしているが反応はない。
おかしなことに旅に出てから一度も魔獣に遭遇していないのだ。これまでの旅の距離とコースを考えるとありえないのだ。
俺は休憩時間にみんなに話をする。
「旅に出てから魔獣に遭遇していないわ。これはかなりおかしいわ。」「アニエス様、今は人間に注意した方が良さそうですよ。」
「アヒム、どういうこと。」「帝国領に入ってから、視線を感じます。」
「今も感じるの。」「ええ、あっちからね。」
アヒムは答えながら弓を射る。アダムが矢の飛んでいった方へ走る。しばらくするとアダムが矢を手に帰って来る。
「逃げられました。確実に見張られていますね。」
アダムの持つ矢には血が付着していた。見張りがいるということは、どこかで俺たちを待ち構えているに違いない。カロリーネがみんなに言う。
「おそらく、敵が待ち構えているでしょう。しかし、方針は変わりません。全部倒して前へ進みます。」
みんながうなづく。それからも俺たちには監視がついていた。道は丘陵地に差し掛かるが目前に崖が見えてくる。道は崖に向かっている。
行き止まりということはないと願いたい。俺たちが近づくにつれて崖の前に何かが見えてくる。それは軍隊だった。道は崖の中央に裂け目があってそこを通るようになっている。
軍隊はそこに布陣していた。軍隊はこれまで見たことがないような人数で地面を埋め尽くしている。俺たちは距離を取って止まる。
すると兵が1騎走って来る。俺たちの前に止まると大声で言う。
「我々はギルク将軍配下の北方軍1万である。これからキツネ狩りを行う。力の限り逃げることを期待する。」
兵は帰って行く。カスパーが言う。
「1万の兵ですよ。どうします。」「我々はバカにされているのですよ。アニエス様、強力な魔法で軍隊ごと葬ってください。」
「出来ますが、皆殺しにするのですか。」「そうです。彼らは私たちをもてあそんで殺すつもりです。手加減はいりません。」「分かりました。」
俺は魔力制御を外してディープウェーブを発現させ軍を飲み込むようにコントロールする。突然、水の無いところに大波が出現して兵たちを飲み込む。兵たちは装備が重くて泳ぐことが出来ない。
彼らは互いにぶつかり合い、多くの者が崖にたたきつけられる。水が引いた後、兵の死体が散乱する。すべての者が、溺死か圧死していた。
アネットがこの光景を見て言う。
「これはひどいわ。夢に出てきそうよ。」「ネティー、私も好きでしたわけじゃないわよ。」
「アニエス様、見事です。では進みましょう。」
俺たちは、兵の死体をどかしながら進んで行く。そして、崖の割目の道に入ると、矢が馬車めがけて飛んでくる。矢は馬車の窓を破りカロリーネに当たる。
騎士たちが「狙撃されているぞー」と叫んで馬車を取り囲む。ナツキがこれまで見せたことのないような表情でうろたえる。
おかしなことに旅に出てから一度も魔獣に遭遇していないのだ。これまでの旅の距離とコースを考えるとありえないのだ。
俺は休憩時間にみんなに話をする。
「旅に出てから魔獣に遭遇していないわ。これはかなりおかしいわ。」「アニエス様、今は人間に注意した方が良さそうですよ。」
「アヒム、どういうこと。」「帝国領に入ってから、視線を感じます。」
「今も感じるの。」「ええ、あっちからね。」
アヒムは答えながら弓を射る。アダムが矢の飛んでいった方へ走る。しばらくするとアダムが矢を手に帰って来る。
「逃げられました。確実に見張られていますね。」
アダムの持つ矢には血が付着していた。見張りがいるということは、どこかで俺たちを待ち構えているに違いない。カロリーネがみんなに言う。
「おそらく、敵が待ち構えているでしょう。しかし、方針は変わりません。全部倒して前へ進みます。」
みんながうなづく。それからも俺たちには監視がついていた。道は丘陵地に差し掛かるが目前に崖が見えてくる。道は崖に向かっている。
行き止まりということはないと願いたい。俺たちが近づくにつれて崖の前に何かが見えてくる。それは軍隊だった。道は崖の中央に裂け目があってそこを通るようになっている。
軍隊はそこに布陣していた。軍隊はこれまで見たことがないような人数で地面を埋め尽くしている。俺たちは距離を取って止まる。
すると兵が1騎走って来る。俺たちの前に止まると大声で言う。
「我々はギルク将軍配下の北方軍1万である。これからキツネ狩りを行う。力の限り逃げることを期待する。」
兵は帰って行く。カスパーが言う。
「1万の兵ですよ。どうします。」「我々はバカにされているのですよ。アニエス様、強力な魔法で軍隊ごと葬ってください。」
「出来ますが、皆殺しにするのですか。」「そうです。彼らは私たちをもてあそんで殺すつもりです。手加減はいりません。」「分かりました。」
俺は魔力制御を外してディープウェーブを発現させ軍を飲み込むようにコントロールする。突然、水の無いところに大波が出現して兵たちを飲み込む。兵たちは装備が重くて泳ぐことが出来ない。
彼らは互いにぶつかり合い、多くの者が崖にたたきつけられる。水が引いた後、兵の死体が散乱する。すべての者が、溺死か圧死していた。
アネットがこの光景を見て言う。
「これはひどいわ。夢に出てきそうよ。」「ネティー、私も好きでしたわけじゃないわよ。」
「アニエス様、見事です。では進みましょう。」
俺たちは、兵の死体をどかしながら進んで行く。そして、崖の割目の道に入ると、矢が馬車めがけて飛んでくる。矢は馬車の窓を破りカロリーネに当たる。
騎士たちが「狙撃されているぞー」と叫んで馬車を取り囲む。ナツキがこれまで見せたことのないような表情でうろたえる。
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