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第8章 魔獣を操る者
第23話 カロリーネの危機
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崖の上でギルク将軍が弓兵に言う。
「敵の大将を射抜いただろうな。」「はい、肩に当たりましたが、この矢なら死は逃れません。」
「よし、引き上げるぞ。北方軍を失っていまったわ。アリュード様に何とお詫びをすればよいか。」「敵将を討ち取ったのです。言い訳は立ちましょう。」
弓兵がギルク将軍を慰める、その瞬間、弓兵の首が落ちる。ギルク将軍は剣を鞘から半分引き抜いたところで剣げきを受け止める。
「何奴だ。」「アニタ・パレス、あんたを殺す者よ。」
アニタがギルク将軍の前に立つ。アニタは狙撃と同時に崖を駆けあがってきたのだ。
「トラの獣人か。恐ろしく腕が立つな。だが、ただで首はやらんぞ。」「死ね。」
アニタが白い影となる。ギルク将軍はアニタの見えない剣の打ち込みを勘で受ける。しかし、剣は鋭い打ち込みに耐えられずに折れてしまう。アニタの二撃目がギルクの胴を2つにする。
馬車の中では、俺がカロリーネにヒールウインドを使う。しかし、傷口がふさがらない。撃ち込まれた矢を見ていたローズが言う。
「このままだとヒールウインドは効かないわよ。」「どうしてですか。」
「この矢尻を見て、呪詛の刻印がしてあるわ。」「解除できますか。」
「専門じゃないけど魔法の発現と同じよ。発現すると自動的に固定が行われるから発現したら解除できないわ。」
「俺たちはカロリーネを助けられないのか。」
カロリーネがナツキに言う。
「ナツキ様、落ち着いてください。」「俺は無力だ。どうすればいい。」
「私が死んだら、王位を継いでください。家臣たちが力を貸してくれますので心配しないで・・・」「俺は君が必要だ。死ぬな。アニエスちゃん、お願いだから助けてくれ。」
俺はどうすればいい。魔法が効かないのならどうにもできない。
(何やっているのよ。)(ティア様、どうしたらいい。魔法が効かないんだ。)
(普通なら効果ないでしょうけど、あんたは普通じゃないでしょ。)(全力のヒールウインドなら効くのか。)
(ええ、呪詛を消しとばしてしまうわ。)(ありがとう。やってみるよ。)
俺はリミッターを解除して、全力でヒールウインドをかける。魔法の勢いで馬車がきしむ。馬車の中を風が渦巻いているのだ。アネットが叫ぶ。
「何やっているの。力任せでやったらこちらが持たないわ。」
俺はアネットの抗議を無視して続けるとカロリーネの肩で何かがはじけるところを感じる。するとカロリーネの傷がふさがり始める。そして、傷口は完全に消える。
カロリーネの顔色が良くなる。俺はカロリーネに聞く。
「キズの具合はどうですか。」「痛みが消えていますし、息苦しく無くなりました。」
ナツキがカロリーネに抱き着いて泣き出す。彼にとって彼女は大事な存在になっているようだ。
「敵の大将を射抜いただろうな。」「はい、肩に当たりましたが、この矢なら死は逃れません。」
「よし、引き上げるぞ。北方軍を失っていまったわ。アリュード様に何とお詫びをすればよいか。」「敵将を討ち取ったのです。言い訳は立ちましょう。」
弓兵がギルク将軍を慰める、その瞬間、弓兵の首が落ちる。ギルク将軍は剣を鞘から半分引き抜いたところで剣げきを受け止める。
「何奴だ。」「アニタ・パレス、あんたを殺す者よ。」
アニタがギルク将軍の前に立つ。アニタは狙撃と同時に崖を駆けあがってきたのだ。
「トラの獣人か。恐ろしく腕が立つな。だが、ただで首はやらんぞ。」「死ね。」
アニタが白い影となる。ギルク将軍はアニタの見えない剣の打ち込みを勘で受ける。しかし、剣は鋭い打ち込みに耐えられずに折れてしまう。アニタの二撃目がギルクの胴を2つにする。
馬車の中では、俺がカロリーネにヒールウインドを使う。しかし、傷口がふさがらない。撃ち込まれた矢を見ていたローズが言う。
「このままだとヒールウインドは効かないわよ。」「どうしてですか。」
「この矢尻を見て、呪詛の刻印がしてあるわ。」「解除できますか。」
「専門じゃないけど魔法の発現と同じよ。発現すると自動的に固定が行われるから発現したら解除できないわ。」
「俺たちはカロリーネを助けられないのか。」
カロリーネがナツキに言う。
「ナツキ様、落ち着いてください。」「俺は無力だ。どうすればいい。」
「私が死んだら、王位を継いでください。家臣たちが力を貸してくれますので心配しないで・・・」「俺は君が必要だ。死ぬな。アニエスちゃん、お願いだから助けてくれ。」
俺はどうすればいい。魔法が効かないのならどうにもできない。
(何やっているのよ。)(ティア様、どうしたらいい。魔法が効かないんだ。)
(普通なら効果ないでしょうけど、あんたは普通じゃないでしょ。)(全力のヒールウインドなら効くのか。)
(ええ、呪詛を消しとばしてしまうわ。)(ありがとう。やってみるよ。)
俺はリミッターを解除して、全力でヒールウインドをかける。魔法の勢いで馬車がきしむ。馬車の中を風が渦巻いているのだ。アネットが叫ぶ。
「何やっているの。力任せでやったらこちらが持たないわ。」
俺はアネットの抗議を無視して続けるとカロリーネの肩で何かがはじけるところを感じる。するとカロリーネの傷がふさがり始める。そして、傷口は完全に消える。
カロリーネの顔色が良くなる。俺はカロリーネに聞く。
「キズの具合はどうですか。」「痛みが消えていますし、息苦しく無くなりました。」
ナツキがカロリーネに抱き着いて泣き出す。彼にとって彼女は大事な存在になっているようだ。
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