父親が同じ私たちは霊でこづかいを稼ぐ

ぽとりひょん

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第83話 悪霊ですか、気づきませんでした

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 僕は中井祐二、大学1年生である。
 家から通うこともできたが一人で生活したくてアパートに下宿している。
 僕は、霊感というものがないらしい。
 というか鈍感らしい。
 高校生の時、自分の部屋に怨霊がいたのだが、普通に暮らしていた。
 そして、クラスメートに鈍感と指摘されたのである。
 彼女によると、普通は何らかの霊障が起きて病気になったりするらしい。
 僕はそこを元気に過ごしていたのである。

 僕の住むアパートは訳アリの様で周辺のアパートの家賃の半額程度で借りている。
 4月アパートには8室ありすべてに住人が引っ越してきていたが、今は僕一人だけ住んでいる。
 後の住人は6月までに逃げるように出て行ったのである。
 僕の住むアパートは、心霊アパートと呼ばれているらしい。
 大学の友人2人が僕に声をかけてくる
 「心霊アパートの住み心地はどうだ。」
 「普通に生活しているよ。来てみるか。」
 「いいのか。」
僕のアパートに友人2人がくることになる。
 僕たちは一緒にアパートに帰る。
 アパートに来ると友人2人は緊張しているようだ。
 僕は友達の下宿に来るのにそんなに構えなくてもいいと思う。
 僕は部屋の玄関ドアを開けて中に入る。
 だが、友人2人は中に入ろうとしない。
 なぜか青い顔をしている。
 僕は声をかける
 「どうした、入らないのか?」
 「い、いや、帰らせてもらうよ。」
2人は逃げるように帰って行く。
 翌日大学で2人は俺に言う
 「中井、大丈夫か。」
 「どうかしたか、昨日は逃げるように帰ってしまうし。」
 「部屋にいるだろ。」
 「何が?」
 「髪を振り乱した女がいるだろ。」
 「知らないぞ。」
 「俺たちは見たんだよ。」
 「そうなのか。」
 「お祓いするか引っ越した方がいいぞ。」
 「うん、考える。」
俺は、彼女に何かあったら言うように言われている。
 彼女、中野沙衣は同じ大学の同じ学部だ。
 僕は彼女と親しくなりたいと思っているがいまだに挨拶をする仲のままである。
 彼女は、大学に入ると朝宮駅の近くに探偵事務所を構え仕事をしている。
 どんな仕事をしているのかはよく知らない。
 仕事を頼んでもいいのだが、僕の下宿に呼ぶのは下心ありそうに思われるかな。
 そこで霊能者という人を雇う。
 その人はアパートの前まで来ると冷や汗をかく。
 僕は不思議に思い
 「どうかしましたか。」
 「あなたはなんともないのですか。」
 「はい、なんともありません。」
 「あなたは強いのですね。」
僕は何を言われているのかわからない。
 とりあえず、俺に部屋まで行く。
 すでに霊能者は肩で息をしている。
 僕はこんなに虚弱で大丈夫なのかと思う。
 部屋のドアを開けると霊能者は
 「閉めて、ドアを閉めて。」
 「どうしたのですか。」
 「この部屋で生活しているのですか。」
 「はい、そうです。」
 「あなた、死にますよ。」
 「はあ?」
 「なんて鈍感なんだ。」
霊能者はこの仕事は無理だと帰って行く。

 僕は中野さんに相談することにする
 大学で見つけると僕は彼女に話しかける
 「相談があるんだけそいいかな。」
 「何かしら。」
 「僕の住んでいる部屋だけどと友達が来たら、部屋に女の人がいるというんだ。」
 「連れ込んだの。」
 「違うよ、それで霊能者に頼んだのだけど無理と言われたんだ。」
 「分かったわ、ずいぶんと酷いようね。」
 「僕は普通に住んでいるし、部屋もきれいにしているよ。」
 「相変わらす鈍感ね。」
 「霊に鈍感なのは認めるよ。」
 「それで依頼料は払えるの。」
 「バイトして払うよ。」
 「なら、私の助手をしなさい。普通の人では務まらないのよ。」
 「分かった。いいよ。」
僕は憧れの中野さんの近くに居られるのだ文句はない。
 「祐二、よろしくね。私のことは沙衣でいいわ。」
 「分かった、沙衣、よろしくお願いします。」
 「まずは初仕事ね。」
 「僕のアパートなんですけど。」
2人はアパートに行く。
 沙衣にはアパートが黒い靄に包まれて見える。
 彼女はミネラルウォーターのペットボトルを出すと水の刃を作りアパートの周りに浮かんでいる霊団を切り裂き霧散させる。
 強い気配は祐二の部屋からするがほかの部屋にも気配はする。
 彼女は祐二に大家に連絡させ、来てもらうことにする。
 大家はすぐ来て沙衣に言う
 「このアパートは、住民がいつも出て行ってしまうんです。中井さんは特別ですが。」
僕は大家にとって特別な住人らしい。
 沙衣は、部屋を一つづつ回って除霊していく。
 最後に祐二の部屋を片付けることにする。
 部屋の玄関ドアを開けると髪を振り乱した女がいる。
 大家は青くなって後ずさる。
 「なんてことだ。」
大家は独り言を言う。
 大家には何か見えているようだが、僕には何も見えない。
 沙衣は言う
 「随分強力な悪霊ね。」
僕はまたしても悪霊と暮らしていたらしい。
 沙衣は、水の刀を作り悪霊に向かっていく。
 左手をかざし陽の光を悪霊に当てると悪霊は目を焼かれる。
 彼女は間合いに踏み込み悪霊を袈裟切りにする。
 悪霊は髪で沙衣を捕まえようとする。
 彼女は後ろに飛び、刀を振り髪を切る。
 再び間合いに入り悪霊を切りつける。
 悪霊は傷を塞ぐが髪の攻撃をしてこない。
 沙衣の攻撃が効いているのだ。
 彼女は悪霊の首を狙って切りつけ、首をはねる。
 悪霊は霧散する。
 沙衣は言う
 「終わったわよ。」
大家は感激する。
 僕は沙衣が戦っているのに何もできないことに歯がゆい思いを感じる。
 沙衣は、僕に言う
 「何かあったら言うように言っていたでしょ。」
 「高校生の時のこと覚えていたんだ。」
 「ちゃんと覚えているわよ。」
 「助手ってどんな仕事するの。」
 「雑用よ。どんな状況でも逃げ出さないのが肝心ね。」
 「怖い仕事ですか。」
 「今日の仕事怖かった?」
 「いいえ、何ともありません。」
 「このくらいの仕事で5人はやめているわよ。」
 「歓迎するわ、中野沙衣探偵事務所にようこそ。」
僕は龍神の巫女の助手をすることになる。

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