異世界、皇子です

晴れのち曇り

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二章、学園

暗雲

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学園に入学してから3年が過ぎた。

相変わらずフリート達はクラスメイトから腫れ物に触れるかのように接されていた。

戦闘訓練の時も対戦相手が指定されている時以外は毎回ミラもしていたほどである。

そんな中でも時間というものは淡々と過ぎて行くもので、いつの間にか中等部に進学してから1年が過ぎようとしていた。

変わった事といえば、槍と射撃、魔術の腕が上がったところだろうか。
既にフリートは帝国でも上から数えた方が圧倒的に早い、と言えるほどの実力を持つ程となった、
ミラも同様に実力を上げ、戦斧をまるで身体の一部となっていた(比喩ではあるが)。

だが、変わらなかったのはフリート達個人のものだけであった。

というのも、帝国の情勢に翳りが見え隠れするようになったからである。

一部地域でのデモや暴動、テロ紛いの事まで起きていた。

更には以前戦闘訓練で見たヴェーバーが失踪したという話も聞いている。





「帝国の治安も悪くなって来たね。このままでは父上と諜報部が提唱していた帝国治安維持隊の設立が可決されかねない」

フリートは現在の帝国の情勢に懸念を抱いていた。

帝国治安部隊とは独断専行権と独断粛正権を持つ部隊である。
つまり、証拠無く容疑者を逮捕して裁く事ができる、というものである。

帝国では皇帝が非常に強い権限を持ってはいるが、何でも好きに出来るというわけでは無い。
各部門の半数以上の同意が必要なのだ。

帝国治安部隊も今はまだ可決される程の支持者がいないが、これでは時間の問題だろう。

そうなれば、謂れ無い罪や政敵という理由で裁かれる人々が生まれてしまう。

そして帝国、そして現皇帝『ゲーテ』に叛意を抱く者が増える、という事も考えられる。

フリートは帝国の光に影が生まれるのを幻視した。






ーーーーーーとある集会所

「これより我々、帝国の真の解放と自由を手にすべく立ち上がった『ブラッド・アイアン』が愚王『ゲーテ』を誅す!」

陽光を浴びたような黄金の輝く髪と決意を燃やすこれまた黄金のような瞳で眼前に立つ人々を鼓舞する少女。

「我々は待った!いつかあの愚王の目が覚めることを!しかし!しかしだ!何も変わらなかった!!何故だ!?期待するのが間違っていた!そう!我々は間違ったのだ!愚王よりも先に我々の目が覚める方が先だった!!」

怒りと嘆きが彼女たちを動かした。

「ならば!!」

少女の眼は綺麗だった。現状を憂う眼をしていた。

「我々が正そう!正さねばならないのだ!!蜂起せよ!!!
『救済は血と鉄ブラッド・アイアンによって成し遂げられる!』
帝国に救済を!!!」

「「「「帝国に救済を!!!」」」」

それは悪意と言うにはあまりにも美しく、そして正しかった。
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