異世界、皇子です

晴れのち曇り

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四章、大陸戦乱

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神国で勇者が召喚された。

そんな話を聞いた。

なんでも、伝説で語られている姿と全く同じだそうだ。

『五人の黒い髪の少年少女達が悪しき神敵を倒す』

そんな内容だったか、よくは覚えていないがおそらくそんな感じだったと思う。

フリートには一つ気になることがあった。

だ。それがどうしたと言うのかと言われればどうということでは無い。

フリート以外には、気になる点にはならない。

しかし、自分でさえ忘れそうになるが、フリートは前世で国民のほとんどが黒髪という国に住んでいたのだ。

だからフリートはその前世で住んでいた国との関連性を疑った。

しかしもう少しよく調べてみると、どうやら召喚された勇者の中に金髪の者がいたらしい。

なのでその可能性を考えるのはやめた。

そもそも、元同郷だからなんだというのか。

敵には変わりないのだから。

そう、する事は変わらない。

ただ敵を討てば良い、それだけだ。


















荘厳な雰囲気を醸し出す神殿の中、神官服を着た者達がいた。

「本当にこうするしか無いのですか?お姉様」

「ああ、これが最も効率的な手だ」

お姉様、そう呼ばれたこの場で唯一の軍服を着用しているルミナーレ神国第一皇女であるエルザ=フォン=ルミナーレは、同じく神国の第二皇女のルイーゼ=フォン=ルミナーレの問いに短く告げる。

「………………………………………………」

長い逡巡、この時ルイーゼが一体何を考えていたのかは本人しか分かり得ない。

「わかってくれ、これが最善なのだ。勇者を召喚しなければ我々は負ける」

温度の感じられない声にルイーゼは何が言いたげにエルザを見るが、ルイーゼ自身も解っているのだろう。言葉を飲み込んだ。

「……………………解り、ました」

その代わりに彼女の口から出てきたのは、弱々しく了承を示す言葉だった。

「そうか、では始めてくれ」

エルザがそう促すと、

「………………………………はい」

重い足取りで二人の前に立っていた百名程の神官達に開始を告げる。

「では…………お願いします。貴方達に神の祝福があらんことを…………」

勇者召喚の儀式が始まった。












同日教会の墓地に信仰心が高いと評判だった神官百名の名前が刻まれた。
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