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第九章 邪神降臨
第275話 サン教皇の秘密
しおりを挟む「やぁ!お待たせ。昨日来てくれたのに
ごめんね」
「いえ、俺が突然おしかけしまっただけ
なんで気にしないで下さい」
「そうだ。お茶の用意をするから、
そこの椅子に座って待ってて」
椅子に座っていたサン教皇はぴょーんと
飛び降りてタッタッタと出て行ってしまった。
「ん~……本当に見た目は子供にしか
見えないや」
それから少ししてサン教皇がお茶と
お菓子を持って来る。
「お待たせ、それで話って何かな?
もしかして尋問?
きゃーこわーい!………なんちゃって」
ふざけるサン教皇。
朝からテンション高めだな。
「そのモニカさんの件で話が聞きたくって
お忙しいところ申し訳ありません」
「うん、大丈夫だよ。昨日だいたい
片付いたから今日は暇なんだ~」
「そうですか、それなら良かった。
サン教皇に聞きたかったのはモニカさんが
なんで聖域に居たかです。モニカさんが
殺害された時間は夜だったそうですが、
そんな時間に何をしていたのか?
サン教皇はご存知ありませんか?」
「う~ん、正直皆目見当もつかないよ。
ボクは聖域に行くように指示は出して
ないし、そもそも聖域は特別な場所だから
あんまり無闇にいけないんだよ」
サン教皇平然と言ってるけど、
初めて会った時、すぐに聖域に俺達を
連れて行ったけど………だから
セレーナ様に怒られたのか。
「そうですか、思い当たることはないと」
「ん?もしかして蒼字(そうじ)は
ボクを疑っているのかな~」
疑われていると思ってなぜかニヤニヤする
サン教皇、何を考えているのやら。
「サン教皇勘違いしないで下さい。皆に話を
聞いてモニカさんの事件を調べてるん
です!」
「うんうん!ごめんごめん、でもモニカの件
は本当に分からないんだ」
サン教皇は申し訳なさそうにする。
「いえ、分かりました。それじゃ~
もう一つ聖女と聖女候補が他にも居る
はずです。今どちらに?」
聖域には聖女達ならいつでも入ることが
出来る。それなら彼女達の動向は知る必要が
ある。
「あ~彼女達ね。彼女達は勇者と共にそれぞれ
獣の魔王と闇の魔王討伐に向かってる。だから
ここには居ないし、しばらくは帰ってこないと
思うよ」
「そうですか………」
となると他の聖女は関係ないか、
彼女達が関係ないことは喜ばしいことかな。
「あんまり役に立てなかったね。他には
聞きたいことある?」
う~ん……もう聞くことはないんだけど、
別のことで気になることがあるんだよな~
これって聞いて良いかな…………
「あの~全然モニカさんとは関係ないん
ですけど、サン教皇は昨日何されていたの
ですか?」
「えっ!?」
サン教皇があからさまに動揺していた。
あれ?やっぱり聞いたら不味かったの
かな?
「いや~あの、アレだよ!教皇とも
なるとさ、色々やることがあって、
そう昨日は忙しかった!」
サン教皇は何とか誤魔化そうとしてるけど
ここまでバレバレだと逆にわざとらしい。
「そうですか、それって個人的に?」
「エエッ!?……蒼字(そうじ)くん
一応聞くけど何か知ってる?」
サン教皇はこっちの様子を伺うように
チラチラと子供の様に見てくる。見た目は
子供だから違和感はない。
「ん、んーー………少し噂を聞いたんですけど、
サン教皇は毎月必ずどこかに行くと、それで
本当かどうかは知りませんが、その若さを
維持する為に何かやっていると」
「あちゃー!……誰だろうそんなこと
言ってるの、だけど、間違ってはいないんと
よな~。あんまり知られたくなかったん
だけど」
サン教皇は諦めたように話し出す。
「実は……聖域に行っていたんだよ」
「え!?聖域ですか?なんで?」
さっきまでモニカさんの件で聖域の話をして
いたから、どうしても何か関係しているのでは
ないかと思ってしまう。これはもしかして
核心をついた質問となるのか?
「うんとね!蒼字(そうじ)今から話す
内容は皆には黙っててよ。特にセレーナに
バレるとシバかれちゃうんだ。約束出来る?」
サン教皇はモジモジしながら上目遣いで
俺に聞いてきた。カワイイけどオッサン
なんだよね?
「サン教皇任せて下さい!」
俺は出来るだけ誠実な目線で答える。
「んーーー……わかったよ!ここまで話し
ちゃったし言うしかないか!でもセレーナ
にはぜーったいナイショだからね」
良かった話が聞けそうだ。でもなんで
セレーナさんだけには絶対に?
「さっき言われた通りなんだけど、
この見た目を保つにはそれなりに苦労
してるんだぁ!ボクのユニークスキル
『得られる者』は制御が難しくって
気を抜くと勝手に発動するんだよ」
「その得られる者って言うスキルは
どんなもの何ですか?」
「得られる者は………簡単に言うと
周りの皆から色々なものが貰える
……なんとも卑しいスキルなんだよ」
「サン教皇、申し訳ないですけどもう少し
分かりやすく教えて頂けませんか?」
サン教皇が顔をしかめる。
「あ…う~ん………例えばだよ例えばなんだ
けど今スキルを発動すると近くにいるのは
蒼字(そうじ)なわけで、知らず知らずに
魔力やら体力やらさらに言えば若さまで
ボクに取られるんだよ」
「………………!?こわー!」
俺はヒョンっと飛んで壁の角まで
距離を取る。
「も~うそんなに嫌がらないでよ!
キズつくな~、大丈夫だよ。今は制御
出来てる。でもさっき言った通り制御が
難しいんだ、それで聖域に定期的に行く
んだよ。このスキルは多くを得られると
満足して発動を抑止しやすくなる」
「なるほどやっと分かりました。聖域には
多くの聖なる魔力で満ちている。
それでスキルを抑止、それとセレーナさんの
件は………」
「そうなんだよ、セレーナの年齢は色々と
気にする年頃だろ。きっと知ったら一生
近づくなって絶対に言われるよ!ボク
そんなの嫌だもん」
嫌だもんって……はぁ~なんだモニカさん
とは関係なさそうだな。ガックリしたような
ホッとしたような、なんとも言えないな。
こうしてサン教皇からも話を聞くことが
でき、これで目ぼしい人には話が聞けた。
後は異界送りまでに備える。
それから俺は考えられるだけ考え予測し
皆と協力し葬儀の日を迎えた。
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