67 / 359
第66話 デスガーゴイルの脅威
しおりを挟む「お前なんでそんな物を持ってるんだよ!その薬かなり希少な物だぞ!」
アポロンは俺に詰め寄り、ガクガクと身体をゆらす。
待て、落ち着け、こんな状態じゃ喋れん!
そこに神父さまが間に入り止める。
「アポロン落ち着きなさい。気持ちは分かるが今はそれどころではない。タクトくんまた薬は残っているのか?」
「そうですね~……神父さまと同じくらいの石化ならあと十数人はいけると思いますけど………」
「足りないな………」
「そうですね……どう見ても……」
部屋の中にはたくさんの石化した住民が、さっき言った通り村人全員がなっていたのなら約300人分薬が必要になる。
「君、どうかそれを……私達にくれないだろうか!村長を助けてくれ!」
片腕が石化した男が声をかけて来た。
話によると村長の石化が胸の辺りまで進行している。このままだと命に関わる状態らしい。俺達はその人に連れられ。村長のいる部屋に向かう。
「村長どうして!?」
部屋に入り村長を見たアポロンが驚き声をあげた。それに隣りにいる神父さまも動揺しているように見えた。
「急に…急に…石化する速度が上がって……このままだと」
村長は石化は胸までと聞いていたのに、すでに首付近まで……速過ぎる!
「やはり……これは間違いありません」
「親父!そういえばさっき心当たりがあるって言ってたな。そいつは何なんだ?」
神父さまは眉間にシワを寄せ口を開く。
「デスガーゴイルそいつの仕業の可能性がある」
「デスガーゴイル!?なんでそんなヤツがこんなところに!」
アポロンが耳は疑うように驚いて、「あり得ない」と声を漏らした。
「あの~デスガーゴイルって何ですか?」
聞き覚えのない魔物の名前にどんな魔物かを神父さまに聞いた。
神父さまの話によるとデスガーゴイルとはガーゴイルの亜種で、もちろん普通のガーゴイルに比べて遥かに強力な魔物、そもそもガーゴイルとは魔法により人工的に作られた悪魔や怪物をかたどった彫刻型の魔物、監視や門番として城や屋敷への侵入者を捕らえる役割を担っている。そして亜種、こいつらははぐれガーゴイルとは言われ長い年月を経て力と自我を持った魔物、その力は個体によって違うが観測されたほとんどは石化能力を有していた。
「恐ろしい魔物ですね……」
「私はこの魔物と過去に一度だけ対峙したことがありますが、その時は町一つが滅びかけました。たった一匹の魔物にです。この魔物は石化を伝染させる能力あり、その感染力は非常に高く、一度広がればそれは倍、倍と患者を増やし身動きが取れなくなります」
「あの~すいません、村長を……」
話に夢中になって村長のことを忘れていた。村長は早急に治さないとまずい状態だな。
俺は村長に薬を少しずつかける。
するとまたもや一瞬で石化を解いた。
「お!?身体が動く……あれだけ全く動かすことが出来なかったのに、身体が…身体が軽いぞ!」
村長はすぐに起き上がり身体の動きを確認している。
村長は確認をするとこちらを向き頭を下げた。
「この度は助けて頂きありがとうございます。どうかその薬で他の村人も助けては頂けないでしょうか?私が出来ることがあればどんなことでもします。どうか宜しくお願いします」
う~ん困ったことになったぞ。
「その~薬の量から村人全員には全く足りません。申し訳ありません」
「そ……そんな~……」
村長はガクリと足を折り、倒れそうになったところを村人の男の人に支えられていた。
「それでは……この村は……村人は死んでしまうのかー!うわぁぁぁー」
村長は現状を受け入れきれず、怒り雄叫びをあげながら俺に突進して来る。
突然のことに反応できず、首を絞め上げられる。
くっ……苦しい~
「村長!あんた!それが命の恩人、子供にすることか、バカヤローがーー!」
神父さまの拳が村長の顔面に直撃し村長はぶっ倒れる。
村長は鼻血を出し目を回していた。
村人が駆け寄り、村長を起こす。
「イッタタタ………ヒィー……すまない。私がどうか
していた。もう殴らないでくれ~」
両手を前に出し怯える村長、今ので完全に神父さまに恐怖を植え付けられたな。
「村長と言う立場は軽くはないぞ!良いか私は全力で協力してやるが、お前がしっかりせんではどうにもならん!さっきみたいな振る舞いをしたら叩きだすからな、二度とするな!」
「はい!分かりました!申し訳ありませんでしたー」
深々と頭を下げる村長、それにならい隣の村人も頭を下げた。
それから神父さまが3人で話がしたいと、村長に個別の部屋を借りて話をする。
「親父どうするつもりだ、俺達だけじゃ無理だぞ!」
「分かっている。さっきも言ったが私ではこの呪いを解くことは出来ない。解くにはやはり解呪師を連れて来るか、もしくはこの呪いを放っている魔物を討伐するしかない」
「やっぱそうなるか、魔物も討伐しても必ず解けるとは限らないしな~、解呪師を連れてくるしかないか」
「そうだアポロン、間違っても魔物を討伐しようなどとは考えるな!もしもガーゴイルの亜種であれば接近すら危険だ。見られているだけで呪いを受ける。お前や私では相性が悪すぎる相手だぞ」
「分かってるさ、俺もそいつは本で知ってるからな戦闘は避けるさ」
「それを聞いて安心した。それなら分かるな!アポロン急ぎ戻りバロン様に報告して援軍を呼んで来てくれ」
「やっぱそうなるか、親父はどうするんだ?」
「私は今から石化の進行を抑える為に結界を張り聖域を形成する」
「そうか分かった。親父無理すんなよ……」
…………なんか俺だけ蚊帳の外なんだけど、
二人の親子の信頼関係は伝わった。
神父さまが話を終えるとこちらに向き直す。
「タクトくん待たせたね。話は聞いていたと思うが、とても危険な状態だ、君はアポロンと一緒に戻りバロン様に伝えてほしい」
神父さまはきっと俺の心配してくれているんだ、出来れば俺もここで手伝いをした方が良い気がするけど、ん~……ここは従った方が良いのかな~
「タクトくん、私の心配はしなくて良い。時間を稼ぐことなどなんてことはない。それに村人のほとんどが腕もしかは足の一部が石化しているだけだ協力し合えばなんとかなる」
「そうですか……分かりました!ここは神父さまにお任せします。出来るだけ早く助けを呼んできますね」
「助かるよタクトくん、頼んだよ」
「はい、……あ!そうだこの薬……渡しておきますね!もしもの時使って下さい」
俺は神父さまにイリスから渡された薬を出す。
「ゴクッ……タクトくん……本当に良いのかい、この薬は……」
なぜか神父さまは手を出した状態で受け取らない。どうしてだろう。遠慮しているのかな~、でも今はそれどころじゃないし。
「えっと…良いですよ!元々この薬を使って村人の石化を治すように渡された物ですから」
「なんと!?この薬を……まさに神の思し召しか!」
神父さまはぷるぷると手を震わせて薬を受け取る。
落とさないか不安だ。
俺とアポロンは薬を渡すと、すぐに村を出る。そこにはニキと先生も来てくれていた。
急いでいた事もあり走って移動をしていると、
ニキが左を向き吠える。
「アポロン、先生、ニキが何か見つけたみたいだ、1回止まろう」
バサバサと空から魔物が降りてきた。
先生はそれを見て冷静に魔法を唱える。
『アースウォール』
俺達の前に大地がせり上がり土壁が出来る。
「くそ!見つかった。やっぱりあいつか!」
悔しがるアポロン。そしてガーゴイルはゆうゆうと木の枝に降り立った。
25
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる