異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
209 / 359

第208話 カオスエンジェル

しおりを挟む

「なんと言うことを……ゼーラント大司教……」
 聖女様は悲しそうな表情をしていた。

 ゼーラント大司教が化け物に変わったことに驚いたが、それよりも今はどうコイツを対処するかだ!この圧倒的な魔力量、これは霊峰ラムラから放出されていた聖なる気を集めて造った化け物ってことなのか?

 ヒシヒシと感じる魔力に気負いされながらも俺は抗う。例えそいつが俺の十倍近い魔力を持っていようとも。

『バア!』
  
 化け物と化したゼーラントの口から高魔力が放出される。そのエネルギーは凄まじく大聖堂の壁を貫き屋外にあった建物を次々と消し飛ばして行く。

「ゴホッゴホッ……ふざけんなよ!」
 あれは俺達への攻撃じゃないな、何かを試しているのか?
 瓦礫で煙が立ち周りがよく見えないけど、ゼーラントが放った魔力で大聖堂に大穴が空き大聖堂が半壊してしまったことは分かった。

 こちらに誰か走ってくる。
 慌てて来たのは聖女様だった。
 その表情は酷く怯えていたのが分かった。

「皆さん……ここは私がなんとか食い止めます。皆さんは動ける者を連れて逃げて下さい」

「何を言っているんですか!?聖女様、あなたを置いて行くなんて出来る訳ないじゃないですか!」
 俺は即座に断る。

「タクトくん、あれはあまりにも危険な存在になってしまいました。私には分かります。あれはすでに人では倒せません。ゼーラント大司教は霊峰ラムラの力を全て取り込んでしまいました。あれは神にも等しい魔物と成ってしまったのです」

 ま~確かに勝てない相手と言われれば、その通りではあるけれど、ま~とは言え殺れなくはないと思っているんだよね~オレ……

「私は今から魂喰結界でゼーラント大司教そしてプルソン(ラキ)を食い止めます」

「待って下さい!それでは聖女様が死んでしまわれます」
 突然後ろから声が聞こえ振り向くと、瓦礫を押し退け金色の髪をした少女が出て来た。

………どちら様?
  俺は首を傾げた。

「ティア!無事でしたか……良かった」
 聖女様は胸に手を当て安堵していた。

「聖女様おやめ下さい!魂喰結界でその様な使い方をされればあっという間に命が尽きてしまわれます。どうか考え直して下さい」

 ティアはが必死に説得するが、聖女様は決して縦に首を振ることはなかった。

「プルソン(ラキ)だけであれば何とか出来るかも知れません。ですがあの姿になってしまったゼーラント大司教を止めるにはこれしかありません。彼を止めなければ地下避難区域にいる住民を守ることが………出来ません!………ティア、私の命はここで尽きるでしょう。ですが心配はしていません。あなたならきっと私の意志を継いでくれると信じていますから……良いですねティア」

 聖女様はティアを優しく抱き締める。
 ティアは涙を流し静かに頷く。

「それと必ずラキを取り返して来ますので、優しく迎え入れて下さいね!」
 聖女は優しく微笑み、悪魔に取り憑かれたラキの心配までしている。これは本物の聖職者と言う者なのだろう。

 ま~俺からすれば知ったこっちゃないけどさ!


「魔力……フルパワー……」
 俺から迸る大量の魔力で突風が吹き荒れる。

 それに気がついた聖女は振り向き、叫ぶように言う。

「タクトくん何をするつもりですか!駄目です!あなたも若き希望の一人なのです!ここで死ぬようなことはいけません!」

「聖女様よ~……それはあんたの言い分だよな!そんなことはボクは知らないよ!だから邪魔するぜ!ルナ!後のことは任した!ボクはコイツをぶっ潰す!」

 タクトが声をかけた先には、傷が完治したルナそしてアイリスが居た。

「タクト!こっちは任せて!聖騎士団団長の名に懸けて皆を守る!」
 ルナは剣を掲げ女神イリスに誓う。

「ワタシもなの~悪いヤツをぶった斬るなの!」
 アイリスは可愛くブンブンとけんさんを振っていた。

 俺は軽く手を挙げ応える。

「おう!頼んだぞ!………と言う訳で聖女様ここはお願いしますね」

「ふー……分かりました。タクトくん……あなたは案外ワガママですね~」
 聖女様は息を吐き、何かを諦めた。

「ハハッ……これからは自分のやりたいことをしようと思ったからワガママじゃないと出来ないんですよ!周りに諦めて貰います」

「そのワガママが自分の為ではなく他人の為にするのであれば、あなたもまた聖職者になれますよ」
 聖女様はニコリと笑う。

「それは無理だし、お断りです!俺には自分の為にするワガママをあるんですよ!ではそろそろ行って来ます!」

 俺は化け物と成ったゼーラントを見る。
 かなりデケェー!十メートルはある巨体。

「相手をしっかりと見て………落っことす!『配管』」
 ゼーラントの真下に巨大な配管の穴が現れ、ヒューンっと何の抵抗もなくゼーラントは落ちて行った。
 俺はゼーラントに続き配管へと飛び込む!

 移動した先は町から遠く離れた何もない大地、
 配管から飛び出たゼーラントはドシーッと地面に落ち転がる。

「この場所なら誰も来ない!好きにやって良いぞ!ボクも手加減はしない…………あ!?」

「ドーン」……巨大な手が俺を潰しに来た。
 
「危ないな~……コイツ思ったより俊敏じゃないか、見た目に騙されたよ………『空間障壁』」

 思いっきり先手は取られたが、次は俺の番だな。

『ニッパー(空間断絶)』
 魔力を込めることで刃が伸び、ゼーラントの腕を切断する。

「キィャャャャャヤ」
 甲高く耳に響く叫び声をあげる。
 
 ちっとは効いたか?
 
 俺の攻撃がどの程度効いたか見ていると、ボコボコ…ボコボコ…と音がしたので音がする方を見て愕然とする。

「おい!?………嘘だろ……」
 切断し地面に落ちた腕が変異し化け物と変わったゼーラントがもう一体増えていた!?

 コイツまさか切り落とすたびに増えるのか?
 俺はガックリしてニッパーを片付けた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。

タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

処理中です...