異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

文字の大きさ
324 / 407

第323話 オーイオニ?

しおりを挟む

「やっと着いた。ここがヘルホールの最下層か…」
 
 俺とニキは父さん達と別れ、地獄への入口に向かっ降りていた。最下層に到着し周りを見渡すとまるで火山の火口のように円形に近いくぼみ状の形状をしており中心が赤く光っていた。

「えーーっと……扉はどこかな?」
 それっぽい物がない。
 
「タクトあそこなのだ!」
 ヒョイヒョイと前足を動かし指した先は赤く光る火口、うぇーあれに入るの~うそでしょう!あんなのに入ったらドロドロになって死ぬ~。

「な~ニキ、あれに入ったら地獄には行けるかもしれないけど、もう戻って来るための身体がなくなっちゃうんじゃないの?」

「大丈夫なのだ!大したことないのだ!」

 ニキはあっけらかんと言うけど、どう見てもマグマに見える。溶けてなくなる自分しか想像出来ず尻込みしてしまう。

「くそ!でも入るしかないもんな!行くぞー!ボクは行ってやるんだ!……うおぉぉぉーー!!」

 俺は走り火口に向かって飛ぶ……すると!マグマのように赤く光っていた色が、スーッと白く変わり透明になっていった。俺はそこにボチャンっと飛び込み、奥深くへ落ちて行った。



 まるで水の中にいる様だけど呼吸が出来るし苦しくない。なんだこりゃ?

 そのまま落ちていくと、少し下が明るくなってきた。もしかしてあそこが出口か?そのまま光の中に入る。

 不思議なことにさっきまで落ちていたのに水の玉に包まれてポンッと打ち上げられた。突然上下が逆になり空中に投げ出される。

 うげぇ~目が回る~。
 水球の中でぐるぐると回されまたも落下、地面に落ちて行く。ポヨンっと地面に衝突しゴロゴロっと一分ほど転がり、突然パンっと水球が破裂、俺とニキは外に放り出された。

「痛った~なんなんだよ!も~う!……うぇ!?」
 頭を擦りながら立ち上がると目の前に図太い針があってびっくりした。

「な!危ないな~こんな尖った物道端に出したらダメだろ~、誰かがぶつかって怪我でもしたらどうするんだよ!う~ん折っとくか!」

「あ!タクトそれを折らないほうが……」

「え~?」

 なんか言った?ニキ…… 
 俺はハンマーで尖った針のような物を折った。

「あ~あ~やっちゃったのだ。今日の当番は誰なのだ?面倒なのじゃなきゃ~良いけど」

「なんだよニキ、さっきからブツブツ、それよりここって地獄なのか?前来た時とはだいぶ違う雰囲気だけど、えらくトゲトゲした山があるな~」

 振り返るといくつもの小山があり鋭く太い針が突き出ていた。さっきのと同じだ。なんだこの危ない場所は?

「オイオイオイオイオイオイオイオイ!オ~イ!てめぇか~?備品を壊したのは!アー~ン!」

 俺は………絶句する。なんだこのヤンキーみたいなノリのボンバーヘット野郎は………しかも驚くなかれ、その髪は針のように尖っていた!?

「おい!てめぇ!聞い…てんのか!アー~ン」
 
「痛ててぇてぇ!離れて!痛いからどけ!」
 変なやつに絡まれた!?何か言いながらグリグリと頭を押しつけてくる。トゲトゲでチクチクどころかグサグサと痛い!


「サイアクなのだ。一番話が通じないヤツが来た……」

 呆然とするニキ、語尾にのだをつけ忘れるほど、これは相当面倒くさい予感。

「オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオイ!オーイ……ニキ久しぶりじゃ~ねぇか!会いたかったぜ!」

「相変わらず煩いヤツなのだ。ヤセツは仕事をしっかりやるのだ!」

「五月蝿えー!お前だけには言われたくねぇーんだよ」

 どうやらこの二人知り合いのようだ。ただ揉めてる。こんなところで時間食ってる場合じゃないんだけど、早くしてくんないかな~。


「な~ニキ、この方はどなた?お友達か何かか?」

「タクト冗談でもそう言うこと言うのはやめるのだ」

「いや、別に冗談で言ってるわけじゃないんだけど、知らないだけで、あんまりなんだ……」
 
「あんまりどころじゃない。苦手なのだ」
 ニキはものすごく嫌そうな顔をしていた。

「それじゃ~この人はなんなのよ!」
 変なヤツなのは分かるけど、こんな場所で何をしているんだ?

「はぁ~俺様か~、オイオイオイオイオイオイオイオイオイオイオーイ、オニに決まってるだろが!アー~ン」

 うるさい!あとオーイオニ?おーいお茶みたいに言うな!………オニ?どの辺が鬼なのよ?

「タクト、ヤセツはこの針山の獄卒なのだ?」

 獄卒……獄卒って地獄に居る番人だったか?確か生前
罪を犯した者に様々な責め苦を与え苦しめる鬼だったかな。

「えーーっとあなた鬼なんですか?」
 
「アー~ン?てめぇ!ナメてぇんな!どう見ても俺様はオニだろが!よく見ろよ!この角を!」

「あ!………本当だ!」
 ヤセツはトゲ頭を掻き分けると角が二本生えていた。でもちっさ!その髪の毛のせいで見えないよ!

「どうも失礼致しました。それでボク達に何か御用でしょうか?」

「はぁ?御用ですか?だと、さっきから言ってるだろうが!コイツを壊したのはお前だろ!」
 ヤセツが指さした先にはさっき折った針があった。

「ん?これが何か、道端にこんなのがあったら危ないと思ったから折っておいたんですけど、マズかったですか」

「当たり前だ!バカヤロー!それは針山の針だぞ!せっかく作ったのに折りやがって!どうしてくれるんだよ」
 
「タクト、タクトが折ったのは、この針山の整備用の針なのだ。それでヤセツが針の栽培と整備を担当している。だから怒ってるのだ」

 もう少しニキに詳しく説明を聞くとヤセツはこの針山地獄を管理している人で、俺が折った針はヤセツが丹精込めて鉄鉱石から作った針だった。それは怒るわな。

「ヤセツさんすいませんでした。知らなかったとは言え大事な針を折ってしまって」

 俺は頭を下げた。

「はぁ~……オーイ頭を上げろ。謝ってくれればそれで良しだ!針はまた作ればいい」

 あれ?案外あっさり?もっと責められるかと。
 俺は予想外の反応に驚く。

「ありがとう御座います」
「あーその話はこれで終いだ。俺様はグダグダ言うのは好きじゃない!それにそれより今は他にやることがある!ニキ~此処で会ったが百年目!勝負だ!コノヤロー!」

 ニキはガクッと首を落とししんどそうな顔で俺を見上げる。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

処理中です...