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第1章 刻印覚醒編
第20話 運も実力のうち?運の勝利者ウィナー
しおりを挟むホームのリビングにて、パソコンから掲示板を見ているシーカー。
「ガチャ報告見ている腹経って来るぜ、全くよぉ!!」
いつにも増して機嫌が悪そうなシーカー。どうしたのだろうか。
そして2階から降りてくるSyo。
「どうしたんだ、そんなに怒って?ガチャで爆死でしたか?」
「……当たってるが、これ見てみろ!!」
「うわっと!!」
予想以上にキレているシーカーに少し引き気味なSyoだが、粗めに投げられたパソコンを上手くキャッチした。
タイトルを見ると"ガチャで0.1%のレアアイテムを一発取り(生放送)"と書かれた動画だった。
「最近有名なプレイヤーらしいぜ。それはさっきの生放送だ」
「ん?ガチャ動画か……ってえぇ!?」
その動画を再生すると驚愕な光景が映っていた。
それは身長150cmもない小さなプレイヤーがガチャ排出率0.1%の黄金羊のスーツ、ハットネクタイ、サングラスを着て、口に黄金の葉巻オモチャを咥えて、カメラ前の黄金の椅子に座っていた。
更にその周りには大量の色気を振りまいた大人な女性プレイヤー達が愛人の如く引っ付いていた。
後ろの壁にはこの生放送を見ている人達のコメントが上から下へと流れており、視聴者が開始数分なのに50万人以上いた。日本語から英語、その他の国の言語まで何十カ国の人達が見ていた。
「何でもこのウィナーって奴、運に勝利した人間って名乗っているらしいぜ」
「どうゆう事だ?」
「見ればわかるよ」
そのウィナーが光り輝く黄金のメサを操作してメサから映し出されたガチャ画面を開いた。そしてカメラに向かって指を指した。
「ようこそ運のない諸君!!ウィナーのチャンネルの生放送にようこそ!!今日も君達の前でガチャを引こう!!そして出現率0.01%の龍破壊の剣を引き当てる!!」
「そんなの無理に決まってだろ。龍破壊の剣を当てた人間なんて見た事ねぇもん……」
龍破壊の剣はドラゴン系モンスターへのダメージが倍になり、剣には龍の文様が入っている上物の剣である。
呆れた様子で動画に突っ込むSyoだが、それを黄金に身を包まれたウィナーが再び指を指して言う。
「そんなの無理に決まっていると思っている運のない君達!!運は実力の内って言葉を信じてないだな!!見ろ、僕の運命力を!!」
右手の人差し指を立て、左手を右手首を掴み、自信満々に言いながらガチャボタンを優しくタッチした。
Syoは固唾の飲んでガチャ結果を待った。
そしてガチャ結果を見たウィナーはニヤリと笑った。
「な、何が出たんだ……」
ウィナーはドヤ顔でガチャ結果を画面に写した。
「今回当てた武器……龍破壊の剣だ!!それもプラチナ!!」
「龍破壊の剣んん!?それにぷ、プラチナ!?」
武器ガチャで排出される時、超低確率でキラキラと光り輝くレア度、プラチナレアが存在する。これも1%未満で龍魔界の剣が0.01%、プラチナレアが1%未満。
そのガチャ結果に一気にコメントが大盛り上がりして、コメントが流れる速度が早すぎてコメントが見れなくなるほどだった。
そして周りの美女達が一気にウィナーへとキスを始めた。
「そんなのアリかよ……こんなのって」
そして顔面キスの跡がつきまくったウィナーが再び画面へと指を指して、大声で視聴者へと呼びかけた。
「運のない諸君!!僕はこの龍破壊の剣はもう何十個もある。プラチナレアの剣が手に入ったからいらないなぁ」
「えぇ!?」
そう言うとウィナーは巧みにメサを操作して、自慢気に自分の周りに普通の龍破壊の剣10個を出した。
「僕のチャンネルを登録してる運のない諸君にこの龍破壊を剣を10個プレゼントしよう!!さぁ登録するんだよ……運のない諸君!!当選結果は3日後だ!!その日の生放送も見るんだ!!」
このチャンネル登録者数は500万人を超えており、超人気生放送主だった。
そして生放送は終わった。呆気に取られ棒立ち状態のSyoだが、シーカーがパソコンを取り返すと意識を戻した。
そしてすぐにシーカーへと言う。
「こ、この動画に怒っていたのかシーカーさんよ」
「当たり前だ!!俺は何回もボードガチャ引いても何回も被ってレア物が一個も出ない!!なのにあやつは一発で龍破壊の剣を……こんちきしょぉ!!」
「だから二階におんなじボードが何十個もあるわけか……」
「今使ってるボードが一番の当たりなんだよ!!」
今使っているダッシュボードはレア度3。因みに龍破壊の剣はレア度9。もちろん圧倒的に龍破壊の剣の方が高く、排出率も低い。
「何であんな奴がクソォ!!」
そんなプンスカ怒っているシーカーを見て更にSyoはツッコミを入れた。
「そんな事言っているくせにチャンネル登録はしているのか……」
「当たり前だ!!人間はしがみつく時はしがみつくべきだ!!」
「はぁ……呆れた奴だぜお前は……」
そして数日後……2人でウィナーの生放送を見るために、2人でホームのリビングで静かに座っていた。
だけど、シーカーは座りながら生放送が待ち遠しいのか何度も足踏みをしていた。それを見てSyoは何も言わずに憐れみな顔で見ていた。
「早く生放送始まれ……始まれ……へへへ……」
「はぁ……憐れなプレイヤーだなホント……」
小言でブツブツと始まれ始まれと言うシーカー。その目はどこか血走っており、何かに取り憑かれたような笑いを見せて不気味さが漂っていた。
その不気味さにはウェルズもそんな怖い顔怖がって二階へと逃げて行った。
「あぁ……」
口を開けっぱなしな状態で待っていると、生放送が始まった。
「始まったぁぁぁ!!」
「ウルセェ!!」
生放送が始まった瞬間、突如元気になり、叫びながらソファーの上を飛び跳ねていた。
そのうるささに必死に怒りながら耳を塞ぐSyoだった。
だが、今のシーカーには生放送しか目に入らずSyoの声も聞こえないし、殴っても反応はなかった。
「だ、ダメこいつ……バカになった!!」
そしてその生放送ではまた金色に染まったウィナーが女性プレイヤー達に囲まれながら座っていた。
「さぁ運のない諸君!!ウィナーの生放送だ!!さっそくだが、数日前の龍破壊の剣プレゼントの当選発表をしよう!!」
「早く発表しろ!!早く!!」
コメントも慌ただしくなり、シーカーも慌ただしくなり、そしてウィナーが指を指すた、画面に当選者10名が一気に発表された。
シーカーはパソコンに充血した目をこすりつけて、当選者を見た。
「あ……あぁ……」
「当たった?」
今にも死にそうな声を出しながら、画面から顔を離した。
そしてゆっくりとSyoの方を向いた。
「あ、当たっ……」
「まさか……!?」
「当たって……ない」
シーカーは一気に老けてその場に柔らかくなって倒れた。Syoはシーカーへと言い放った。
「当たる訳ねぇよ、普通は宝くじ当てるよりは楽かもしれんがな」
「クソォ!!クソッタレが!!」
今度は起こり始めたシーカー。困り果てるSyoだった。
そしてウィナーは発表の後、新しい告知を始めた。それを聞いて、すぐに画面に張り付いた。
「運のない諸君に朗報だ!!登録者数500万人記念として、ファンとの交流会をしようと思う!!今からランダムに登録者の中から1名選んで戦う!!もし勝ったら僕のお金や武器や服などをプレゼントする!!」
「はぁ……何だよ1名かよ。どうせ当たらないさ」
そう言って肩を下げながら画面から離れるシーカー。
「見なくていいのか?」
「当たらないさ……俺なんて」
そしてウィナーはメサで登録者を調べてランダムで戦う相手を選んだ。
そしてその名を見て、ニヤリと笑って画面へ指を指して言い放った。
「僕と戦う登録者の名は……シーカーだ!!」
「えっ!?」
「ウエッ!?」
その発表を受けてSyoとシーカーは口を開けっぱなしにして、お互いの顔を何度も見あって、パソコンの元に飛びついた。そしてお互いに顔をくっつけて画面に張り付いた。
「シーカーが!?」
「お、俺ぇ!?」
「さぁシーカー!!僕と勝負だ!!」
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