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第2章 骸帝編
第39話 vs二人の鬼神!!(4)
しおりを挟むアモレとオーガスターの2人が合流した事により、完全不利となったアル。一旦草むらの中に隠れて1人作戦を練る事にした。
「(この状況……シーカーが来れば……)」
2人は辺りを見渡してもアルの姿を捉える事は出来なかった。
「どこに行ったんだ?」
「やっぱりアルちゃんさんの相手は私よ‼︎」
「でも……あのパンチ結構いいパンチだったからな~もう一度、戦ってみてぇ~なぁ~」
そんなオーガスターにアモレはジト目で顔を膨らませて、顔を近づけた。
「だ~め‼︎私が戦うの‼︎」
「……分かったよ……隠れているなら炙り出してやる‼︎はぁぁぁ‼︎」
オーガスターは歯を食いしばり右拳を握りしめて、身体全体の力を右拳に集中した。
「烈空斬空破‼︎‼︎」
そしてその手を全力で前に突き出した。その瞬間、手から衝撃波のような突風が目の前からものすごい勢いで吹き荒れ、オーガスターの目より前にある草木を無惨にも切り裂かれた。まるで何者かがその場を通り過ぎながら切り裂くようだった。
その突風はアルが隠れていた草むらをも切り裂いて吹き飛ばした。そしてアル自身の体の一部も切り傷が出来、吹き飛ばされそうになった。
「な、なんなの⁉︎この技は⁉︎」
アルはその場で吹き飛ばされないように強く地面に踏ん張り、目を瞑り風が治まるのを待った。
「……」
アルが目を開け辺りを見渡すと、周りにあった木は殆ど切り株しか残っておらず、どれも乱雑に狩られた跡が残っていた。その跡は崖まで及んでいた。そして前を見ると、疲れ果てているオーガスターとアモレの姿が見えた。その時にアルはオーガスターの技だとすぐに理解した。
「はぁ……何とか見つけた出したぜ……さぁ行くんだな」
「私と手合わせして下さい‼︎アルちゃんさん‼︎」
深く礼をし、構えるアモレ。
すぐにアルも構えた。このまま戦うのは辛い、だが自分が負けたらシーカー1人で2人を相手にしなくては行けない。シーカーは負けないと思っているが、内心勝てるか不安な部分も少なからずあった。
「……来なさい‼︎勝負よ‼︎」
「はい‼︎」
すると両手の苦無を納めて、トンファーを出した。
「あ、あれは?」
「私の得意とする武器‼︎トンファーよ‼︎いざ勝負‼︎」
ーーーーーーーーーーーーーーー
Syoはムンクの叫びから更に体を粘土のようにひねり、もはや人間の領域を超え始めていた。
「やばばば……ばばば……」
「ピンチの上、更に増援か……まっアルちゃんなら何とかなるよ‼︎」
「がばばば……」
ーーーーーーーーーーーーーー
トンファーを武器に突っ込んで来るアモレに、若干困惑するアル。もちろんの事ながらトンファー相手に戦った事なんてなかったし、どうゆう戦い方なのかも全く分からなかった。
「くっ……‼︎」
「はぁ‼︎」
まずは飛び蹴りを顔目掛けて仕掛けて来た。アルは軽く首を傾けて避けた。だが、ほぼ真後ろに着地したアモレは背後から持ち手を変え、トンファーの棍部分を前に出して、そのままアルの横腹を強打した。
「うっ……⁉︎」
攻撃に耐え、少し後ろに後退させられて腹を抑えるアル。だが、アモレはそのままトンファーで追撃をした。
トンファーによる激しい攻撃は体力の少ないアルにはかなり応えた。そしてアモレの蹴りの一撃でまた後方に飛ばされた。
「体力が……」
アルは着地と同時に、アイドル衣装の足元を千切った。殆どミニスカのようになり、足の露出が多くなった。
アモレはまた構えてアルに言う。
「私のスキル発動させてもらいます‼︎はっ‼︎」
目の前から消えたアモレは、アルは身構えて静かに周りの気配を感じとる。だが、何処にいるか全く分からなかった。足音も気配も感じ取る事が出来ない。その時、背後から突如現れたアモレに背中をトンファーで一撃食らわされて背後を向くと、また消えて再び背後に攻撃された。
「うっ‼︎」
「まだまだ‼︎」
そして背後を向く暇と与えず、360°様々な方向からの連続攻撃に、反撃する暇もなかった。そのまま再び崖の方へと追いやられて行く。
「(スキル瞬足……一定時間スピードが最大になる……技……)」
「はぁ‼︎」
アルはアモレの攻撃を頭を伏せて避け、そこから腹に拳を一撃食らわせ、アモレは一時的に怯み動きが止まった。その隙を見逃さずに、アモレの腹に向けて両手を重ねて紫色のエネルギー球体を作り出し、一気に放った。
「喰らいなさい‼︎凛窮弾‼︎‼︎」
今日1番の大きな声は森全体に響き渡った。そして放った凛窮弾は、アモレと共に森の中へと飛ばして行った。
「きゃぁぁぁ‼︎」
先程のオーガスターと同じ身体全体が痺れ、身体の自由が効かなくなった。でもアルの体力が少なかったのか、すぐに痺れは取れてオーガスターの目の前で態勢を立て直した。
オーガスターはニヤケた目で茶化して来た。
「おいおい~交代するか~?」
「ま、まだ戦えるわ‼︎」
「……っと思ったが、彼女はもう体力がないようだな……」
アルは殆どの力を使い果たし、その場に膝をつき倒れた。そしてオーガスターがゆっくりとアルの元へと歩いて行った。
「な、何をする気⁉︎」
「彼女は充分に戦った……あんなボロボロな姿の子をこれ以上戦わせるのは酷と言うもんだ。落ちてもらう……」
アルも、もうダメだと目を瞑った。
「(ごめんシーカー……力になれなくて……)」
オーガスターがアルを落とそうと手をかざした瞬間、突如その手を強く掴む者が目の前に現れた。
「いや~すまなかった‼︎随分探すのに苦戦してな~」
ヘラヘラしながらも喋っている人物、紫のマフラーに紫の道着、その人物を見た瞬間アルの顔からは笑顔が戻った。
「お、遅いわよ……」
「お前の声が耳の奥まで響いてな、すぐに分かったぜ」
オーガスターもその姿にニヤリと笑った。
「やっと来たか……待ちくたびれたぞ、シーカー‼︎」
「あぁ……こっからは俺がやるしかねぇ‼︎」
アルのピンチにシーカーがギリギリの所で到着した。そして一度手を離し、オーガスターは後ろ歩きで数歩下がった。
シーカーは後ろを向き、アルに優しく言った。
「1人でよく耐えたな……ありがとう。だが、ここからは俺が戦う」
「わ、私も……まだ……」
無理して立とうとするアルだが、躓いて倒れそうになった。シーカーはすぐにアルを支えて、そっと優しく地面に置いた。
「少し休んでくれ……すまんな俺が無理に誘ったせいで……」
「いいのよ……私から志願したんだから……」
そんな2人を見てアモレとオーガスターは優しい親の目で見ていた。
「あの2人中々良さそうね~」
「ふっ……そうかな?」
そしてシーカーは立ち上がり、オーガスターを睨みつけ右拳を思いっきり握りしめた。数歩歩いて指を指した。
「さぁ‼︎今度は俺の番だ‼︎勝負だオーガスター‼︎‼︎」
同時に炎の刻印が発動し、身体全体に炎が身に纏った。手からは炎の文字が浮かび、背中には燃え盛る炎の絵が浮かんで来た。
それを見たオーガスターは腕を鳴らし、意気揚々に宣戦布告をした。
「あれが噂に聞く炎の刻印……見せてもらおうかぁ‼︎」
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