転生の際に抵抗したらオッサンに転生しちゃったので、神様に頼んで何とかして貰いました。

武雅

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プロローグ・打たれた雷は神雷だったようです。

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はぁ~。
今日も疲れた。
降りしきる雨の中で傘をさし、コンビニの弁当を片手に自宅のアパートまでの道を歩いている。
「はぁ、もうすぐ25歳になるってのに、彼女も居ない冴えないサラリーマンってどうなんだよ」

バシャッツ!!
通り過ぎる車が水たまりの水を跳ね上げ自分の足にかかった。
「最悪だ、せっかく昨日クリーニング終わったばかりのスーツなのに…」
そう呟いて自宅までの通り慣れた道を歩いて行く。

バリバリバリ!!!!

そんな音が聞こえたと思った瞬間、前が真っ白になり、ズドッン!!! という音共に、身体の何かが突き抜け、目の前が真っ暗になりそして意識が遠のいた。

あれっ?なんだ?バリバリバリって雷が落ちそうな音がして、その後雷に打たれたと思ったのに。
ここは?
辺りを見回すと、広い神殿のような場所に自分一人がポツンと佇んでいる。

「やあ!すまないね、急にこんな所に連れてきちゃって、まずは状況を説明するから椅子に座って寛いでくれないか?」
そう声が聞こえ、目の前に出現した椅子に促されるまま腰掛けると、次はテーブルが出現し、お茶と茶菓子がテーブルに並べられる。
これってどうなってるんだ? なにも無い所に椅子やテーブル、飲み物まで…。

「いきなりでゴメンね、まずここがどこかという事なんだけど、まあ言うなれば神の世界、人間には立ち入る事の出来ない神域っていうやつだね」

そう声が聞こえたかと思うと、目の前の空間に光が現れ、それが収束していき人型を作り、見た感じ15歳ぐらいの整った顔立ちの少年の姿になった。

「私は地球の神である者だが、まず君には謝らないといけないんだ。」
そう言って、神と名乗る青年がしてくれた説明によると、地球のバランスを保つために、定期的に雷雨に紛れ人気の無い所に神雷を落としているとの事らしいが、その神雷の狙いが逸れ、自分に直撃してしまったとの事。

「まあ普通の雷に打たれただけならいいんだけど、私の力が込められた神雷に当たった事で君の魂に影響を及ぼしてしまってね。 そのまま輪廻転生と言う訳にはいかなくなってしまったんだよ」
「あの~? 一つ聞いても言いですか?」

「ああ、君は被害者だからね、ひとつと言わずなんでも聞いてくれ」
そう言って神を名乗た少年は椅子に腰かけ話を促す。

「あの~、自分死んだんですよね? それも神様のミスで」
「そうだね、私のミスで即死だったよ。 今ここに居る君は魂だけの存在だ、今ある肉体は便宜上仮に構築しているだけだよ」

「それで自分はどうなるんですか?」
「ああ、それなんだがな、別の世界、君達の世界で言う異世界に行ってもらう事にする。 とはいえ私のミスでこうなったのだから多少は望みを聞くつもりだが、それにしても君は騒がないのだな。 普通なら死んだ事に対して騒いだりするだろうに」

「ああ~、なんか実感が湧かないっていうか、夢を見てるような感覚と言うか…。 それで異世界って言いますけど、日本と同じような世界ですか?」
「いや、魔物が居て魔法がって魔王が居る世界だ。 とは言え君は神雷を受けた事で私の力の一部をその魂に取り込んでしまっているから、普通の人間よりも強力な魔法も自由に扱えるようになるだろうね」

「そうですか。魔法があって魔物、そして魔王が居る世界、テンプレな世界ですね。それでその世界で何かしないといけないんですか?」
「いや、特に何かをしてもらう必要はないかな、魔王と戦えとも言わないし、気ままに異世界で人生をやり直して貰って構わない。 それにこれから行ってもらう世界はチョット特殊でね…」

「特殊? それはどういう事ですか?」
「うん、君たちのテンプレだと、魔物を倒すとレベルがあがったりとかあるじゃない? それがこれから行く世界ではそう言うのが無いんだ。 まあ無いと言うと語弊があるんだが」

「なんかよく分かりませんが、要は自分で鍛えて強くなったりするって事ですか? ていうか戦うの前提?」
「まあ戦わなくても生きて行けるだろうけど、魔物が居る世界だからね、身を守るためには戦う事も必要になると思うよ。 それに人間同士でも、そして魔王とも戦争してるから」

おいおい、この神様、何て物騒な世界に自分を送り込もうとしてるんだよ…。
人間同士もだけど魔王とも戦争って、気ままに異世界生活とか出来るのか?

「まあ、話を戻すと、レベルアップと言うのは無いんだけど、殺した者の生命力、魔力とでも言うのかな、それを吸収して成長するんだ」
「はい? なんか全く分かりません」

「う~ん、実感が湧かないのかな~。 まあ分かりやすく説明すると君が生き物を殺す、そうするとその生き物の生命力や魔力が君の体に流れ込み、君の基礎能力があがるって感じだね」
「それじゃあ殺人鬼とか魔物を大量に殺した人とか化け物並みになるって事じゃ無いですか、戦争もあって化け物みたいな殺人鬼とか居る世界なんて嫌ですよそんな物騒なとこ」

「まあそう言わずに、それに普通の人間は吸収する力は殺した者の1/100ぐらいだから化け物だらけって事は無いんだ」
「そうですか、ホントですよね?」
そう言って自分がジト目で神様を見ると神様は笑顔で頷いている。

「わかりました。それで魔法ってどんな感じの物なんですか?」
「そうだな、しいて言うならイメージと言うべきだろうな。イメージが明確に出来れば強い力が発現するね」

そう言って簡単に魔法と言う物の説明を受けたけど、実際に使って見ていないので実感が湧かない。
「まあ、そんなもんだろう、新しい人生で試してみるといい。 それで君にはお詫びとして何かしてあげたいんだが、何か希望はある?」
「そうですね。希望って言っても、じゃあ日本で生きていた際の記憶や知識を残したままとかってお願いできますか?」

「そんな事で良いのか?もっと何か要求してもいいんだよ?」
「そうなんですか?とは言え実感が湧かないんで何が良いのかが分からなくって…。 じゃあアイテムBOXとか、鑑定、そして探知的な能力を使えるようにして貰えますか?」

「ふむ、アイテムBOXとは収納魔法という事か? それなら問題ないな、これから行く世界でも使われている魔法だ、特別に無限に収納出来て収納した物の時間が停止するレアなやつにするよ」
「あ、ありがとうございます。 てかレアって、同じような収納魔法使える人が居るんですね…」

「まあ、多少はいるけど、多くはただの収納魔法よ、それも収納量は人それぞれだしね。 さて、次は鑑定か…。 具体的にはどの程度の性能が希望なのかな?」
「う~ん、手に取って見なくても、凝視したらその素材の名前や効果、物なら素材まで分かり、適正価格とかまでわかるような…、そんな感じの能力ですけど、ダメですか?」

「まあ、大まかな内容は理解した、じゃあそのような鑑定能力と、あとは探知能力を用意するよ」
「ありがとうございます。 あっ、後は転生直後に即死亡とか、女性に転生とかは勘弁してくださいね」

「うん、その辺は当然の要望だね。 あとは僕からのプレゼントとして、殺したものの魔力や生命力を取り込む際に通常より多く取り込めるように加護をサービスしておくよ。 これで死亡率も少しは下がるだろうし」
「はぁ、あ、ありがとうございます。」

「なんだ、嬉しそうじゃないな。 まあ実感が湧かないんだろうけど、その辺は新しい生活を始めれば実感できるようになると思うよ」

そう言い終わると、神様が指をパチンと鳴らす。 すると突然床に穴が開き真っ暗な空間へ重力に引かれるように体が穴に吸い込まれていく。

いや、TVのドッキリである落とし穴じゃないんだからこれは無いだろ!!!
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