転生の際に抵抗したらオッサンに転生しちゃったので、神様に頼んで何とかして貰いました。

武雅

文字の大きさ
2 / 11

転生させる方法もう少し考えて貰えません?

しおりを挟む
突然空いた足元の穴…。
下を見るとそこは真っ暗闇で見る限り奈落の底へ続く穴のように見える。

「ちょっとまて!! なんで異世界に飛ばされるのがこんな雑な方法なんんですか!!」

そう言って開いた穴の縁を咄嗟に手で掴み落ちるのをギリギリで堪える

「いや、普通はここに来る人間居ないし、人が通れるドアとか無いからね。 それよりも出来れば素直に落ちてくれないかな? その亜空間って魔力が満ちているから長時間その空間に居ると体内に魔力が集まり過ぎて魂に悪影響が出るんだよね、その他にも弊害があるし…」
「いや、なにそれ、どんな悪影響が出るんですか? 説明不足過ぎるでしょ!」

「もうしょうがないな~」
そう言うと神様は必至で堪える自分に笑顔で近づき、穴の縁を掴む指を一本ずつ縁から外していく。

「いや、そこは引き上げるとこでしょ、何で落とそうとしてるの!」
「だから、その空間に長時間居ると悪影響が出るからすんなり落ちてくれないと困るんだよ。 ほら、どんどん魂に魔力が吸い込まれていくから早く落ちてくれないかな?」

そう言いながら笑顔で指をほどいて行く神様のせいで必死で掴んでいた穴の縁から手が離れ、自分の体が闇の中に落ちて行った。

「笑顔で穴に落とす神様ってどんだけドSなんだよ~~~~~!!!!!」

そんな悲痛な叫び声が穴から響いてるはずなのに、神様は笑顔を崩さず、手を振ってる。

「やれやれ、やっと行ってくれたか、まさかあんな風にあそこで粘るとは思わなかったな。 今度からはもっと大きな穴にしないと。 それにしても彼の内包魔力は既に常人以上になっちゃっただろうな…。 まあ一人ぐらいイレギュラーがいてもいいんだけど、それにしても少し面倒な事になったな…。」
1人になった部屋で神様はそう呟くと穴を閉じ上手く転生が成功してるか確認をすると慌ててさっき転生させた人間の元に向かう。

その頃自分は転生したようだったがどうも何かがおかしいと感じていた。
う~ん、転生させて貰ったけど穴から落ちたせいか身体が重たい、それに痛い、全身に痛みが走って呼吸も苦しい…。
穴に落とされたと思ったら次の瞬間には全身に激痛が走るってどういう事?

そう思い重たい瞼を開くと、目の前には額に角を生やした真っ赤な毛並みの巨大熊が後ろ脚で立ち上がり、巨大で鋭利そうな爪を振り上げ、今にも振り下ろそうとしてる。

あの神様のウソつき~!!!!
転生した直後に死亡フラグ立ってるじゃんか!
もうだめだ…。 助かる気がしない。
そう思いつつ、うつろな目で巨大熊の爪が振り下ろされる瞬間を見ていると、巨大熊と自分の間に眩い閃光が走った。

「やれやれ、君が無駄なあがきをするから転生先が替わってしまったじゃないか」
眩い閃光から先程聞いた神様の声が聞こえる。

「あんまり干渉するのは駄目なんだけど、ちょっと転生直後の死亡はまずいからね」
「いや、それに関しても言いたい事は沢山あるけど、この状況でどうしろと?」

「うん、大丈夫。 身体の傷を治してあげたから、その右手に持った剣を前に突き出してごらん」

そんな声に導かれるように、握っていた剣を前に突き出すと、剣の柄を通して痺れた右手に何かに剣が突き刺さるような感触が伝わってくる。

「グォォォォォ!!!」
巨大熊の咆哮が聞こえた後、目の前には折れた剣が深々と胸に突き刺さり仰向けに倒れた巨大熊の姿があった。

「はぁ~、ほんと世話の焼ける転生者だね、まったく…。 本当は10歳ぐらいに転生させる予定だったのに、余計なことをしてくれたおかげで、40代のオッサンに転生しちゃうとは…」
「はっ? 40代? どういう事、前世よりも15歳以上歳とってるって事?」

そう言って右手にある折れた剣を鏡代わりにして自分の顔を見る

「え~~~~~!! オッサンじゃん、しかも頭皮薄いし、顔も小汚いうえ、身体つきもダルンダルンしたもう中年って感じじゃん!!」

そう言って折れた剣を鏡代わりにして何度も自分の顔を見る。
前世でもイケメンとは言い難かったとは言え普通だたと思う。
だけど剣に移る顔は完全に女子が近づいてこないような顔のような感じがする。

「い、いや、ちょっと、これは無いでしょ! イケメンに転生してハーレムとかがテンプレなのに、これじゃハーレムどころか道行く人も避けて通るじゃん!」
「いや、オッサンに転生したのは、君が素直に穴に落ちなかったからだからね、本当は10歳ぐらいの貴族の息子あたりに転生させる予定だったのに、君が無駄に抵抗するから転生失敗したんだよ」

「うそ~!!! だったらそれ先に言ってよ、それなら素直に穴に落ちたのに、何の説明もしないでいきなり足元に穴開けたら誰だって抵抗するでしょ!」
「いや、普通は抵抗しないよ、今まで何人も転生させたけど、抵抗したのは君が初めてだよ」

そう言う声の方を見ると、丸く光る球体が自分の目の前に浮かでる。

「うわぁ! 人魂?」
「いや、さっきまで普通に話してたでしょ、この世界で肉体を構築すると色々と問題があるから、こういう形で干渉をしているんだよ」

そう言って光る球体は自分の周りをフヨフヨと漂いだす。
まあ昼間だからまだましだけど、夜に光る玉が漂ってたらマジ怖いよ…。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~

夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。 しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。 しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。 夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。 いきなり事件が発生してしまう。 結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。 しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。 (こうなったら、私がなんとかするしかないわ!) 腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。 それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。

追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす

yukataka
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

処理中です...