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魔道具
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翌日、昼過ぎにギルドへ行くと、ダイルンさんが既に自分達を待ち構えていた。
「カツヒコ、カトレア、とりあえず査定と鑑定は終わった」
「そうですか、それで査定はどんな感じですか?」
「そうだな、まず魔石だが小さく赤い魔石は銭貨3枚、黄色いのは銭貨6枚、その他魔石はサイズによって異なるが合わせて金貨38枚と銀貨6枚。 あと武器と防具だが、質が悪い物は鉄屑同様だがそれ以外は普通に使用できる品だったからこれも併せて金貨21枚と銀貨3枚。 あと最下層に居たって言うリビングアーマーの鎧だが、片方は傷だらけだがもう片方は無傷なんだがどちらも魔法耐性、物理耐性があり強い魔力を帯びている。
こんなもんを倒したなんて信じられんが、買取価格としては2つで金貨60枚だ。 後は宝石類なんだが、とりあえず金貨500枚でどうだ?」
「何で宝石類だけ質問系なの?」
「いや、宝石類はギルドで売るよりも宝石商や錬金術師なんかに売った方が値が高くつく場合があるからな…、一応確認をしたんだが…」
「まあいいですよ、ギルド売却で、ていうか今回の売却金だけで暫くの間は遊んで暮らせそうですし…」
「まあ確かにな、それにしてもこれだけ大量の買い取り依頼されたのはこのギルド支部始まって以来初だぞ。 それで売却金は現金にするかギルド口座に入れるか?」
「とりあえず2等分してカトレアと自分の口座に入れておいてください」
「わかった、あとギルドカードを出せ、FランクからDランクに昇格だ。 まったく登録から2日でDランクに昇格なんてギルド始まって以来の速さだぞ!」
「それは墳墓のダンジョンがハズレダンジョンと言われて放置されてたおかげですね」
「そうか、今はダンジョンの調査をおこなう冒険者を選定してる最中で真偽は分からんが、ウソを言ってるとは思えんし、まあ運も実力のうちと言うからな…。 それと鑑定していた魔道具だが売る気はないか?」
「無いですね…。 自分の鑑定スキルで見ても相当な品だって事は分かってるんで」
「そうか、、せめてAランクポーションやBランクポーション、他にも身に着けた人間を強化する魔道具も多くあったからかなりの額になるんだが、売る気が無いんじゃ仕方ない。 じゃあ返却だな、とりあえずこれがリストだ」
そう言ってダイルンさんに魔道具のリストを渡された後、魔道具を返却される。
う~ん、リスト化されると改めて魔道具類の凄さに驚かされるな…。
全部で100個以上ある。
これだけ手に入るダンジョンって話が出回ったら相当数の冒険者が殺到するだろうな。
まあ結界で魔力が100階層に溜まってたから高品質の魔道具があったけど今はもう正常に魔力がダンジョンに流れてるからこんなに良い品は無いだろうけど…。
その後、ギルドを後にし、カトレアと少し遅めの昼食にする。
少し遅い昼食の為、軽い食事という事で、大通り沿いにある少しお洒落なオープンテラスでパスタのような物を注文する。
「ところでカトレアはギルドであまり喋らなかったし、買取の査定とかにも口を挟まなかったけど何かあったの?」
「いえ、何も無いわよ、ただあなたの経験の為には私が口を挟むべきじゃないと思っただけ、ただそれだけよ。 ただギルドで鑑定をする際に女神の血、今はSランクポーションって呼ばれてたわね、それを出さなかったのは良い判断よ」
「そう? 他にもなんか凄そうな武器とか防具もあったけどなんか面倒事に巻き込まれそうだから多少選別して鑑定に出したんだよね」
「いい判断ね、AランクやBランクポーションであれだけ目の色が変わっていたところを見るとSランクポーションなんか出したらどうなっていたか…。 まあギルドが手荒な真似はしないでしょうけど、どこからか情報が漏れて面倒事にもなりかねないから」
「それは嫌だな…。 でもAランクポーションや他の魔道具の噂も漏れるからどっちにしろ面倒事は避けられない気もするけど…」
「そうね、カツヒコにとってはいい経験になるんじゃない? うかつな行動が後にどんな面倒事を運んでくるか、身をもって体験出来るでしょ?」
「いやいや、そんな体験はしたくないですから…」
「それなら、何事もしっかりと考えて行動する事ね」
そうカトレアに言われると、言い返す事も出来ずギルドで鑑定をすると言われた際にもっと慎重に魔道具を選んで預けるべきだったと反省する。
「それにしてもカツヒコ、報酬も売却金も等分で良かったの?」
「えっ? 等分じゃまずかった? むしろカトレアが居た部屋に有った物だからカトレアの方が多くても文句は言えないと思ってたんだけど…」
「私はあそこから出れた上に人間として生き返っただけで十分だったんだけどね。 まあどの時代も金が無いと生活できないから、カツヒコが等分で良いと言うなら貰っておくわ」
「うん、カトレアが等分で良いって言うなら等分でいいよ。 あとは魔道具類だけど、武器や防具もあるから自分に合った装備を選びたいところだね」
「それについてだけど、しばらくの間は今の装備で経験を積むべきね、今のうちから強力な武器や防具を使っていたらあなたの成長が止まるから、技術が身についてから使う事をおススメするわ」
そう言ってカトレアはテーブルに置かれたパスタをクルクルとフォークに巻いて口に運ぶ。
「まあ確かに、武器頼りだと技術が身につかなさそうだもんね…」
「そういう事、それでカツヒコは今の革鎧と鉄剣、そしてナイフで今後も戦っていくつもり?」
「う~ん、剣とナイフは昔冒険者のパーティーの皆から貰ったやつで思い入れもあるし、革鎧はダンジョンで手に入れたのがピッタリだし、暫くはこれでいいかな」
「そう、まあ特に問題は無いからいいけど、予備の武器は?」
「予備? 特に無いけど?」
「はぁ? 予備が無いってどういう事よ! ダンジョンで魔道具以外にも沢山武器や防具を手入れたでしょ! まさかあれ全部ギルドに売ったの?」
カトレアがすごい勢いで身を乗り出し、周りの人が何事かとこちらを見ている。
周囲の視線に気が付いたカトレアは、咳ばらいをし席に座りなおすと大きなため息をついて呆れた顔をしている。
「カツヒコ、今持っている剣が戦闘中に折れたらどうするの? 長期間森やダンジョンに入っている最中に折れたら? 素手で戦って街まで帰って来るつもりなの?」
「あ~、確かに、予備は必要だね…。 全く考えずに売っちゃった…」
そんな自分にカトレアは再度盛大なため息をついて、後で武器屋に行って予備の剣を購入させるとの事。
全く予備って考えが無かった…。
アイテムボックスに魔道具、というか魔力を帯びたり、特殊な金属で出来た剣とかあるからいざとなったらそれを使えばいいやと思ってたけど、どうやらダメらしい。
「じゃあこの後、武器屋に行くとして、さっきギルドで渡された魔道具のリストを見せて頂戴、私も何があったのか正確に把握してないし」
そう言うカトレアにギルドで貰ったリストを渡しす。
「ふ~ん、色々あるわね、ギルドでは鑑定しきれなかった物もあるみたいだけど…。 それでカツヒコは魔道具についてどこまで知って居るの?」
「いや、鑑定で調べて身に着けるとそれぞれ特殊な効果があるって事は分かるけど、それがどうかしたの?」
カトレアの質問の意図が分からず首をひねっている自分にカトレアが魔道具について説明をしてくれた。
どうやら、魔道具と言っても様々な物があり、主に、生活に役立つ物、身に着けると特殊効果がある物の2つに分けられるらしい、とは言えそれ以外もあるらしいけど、身に着けると特殊効果があるものは基本的に幾つ身に着けてもいい訳では無く、指輪系、ネックレス系、イヤリング系、腕輪系、髪飾り系等、とそれぞれ1個しか身に着けられず、例えば指輪系の魔道具を2つ身に着けるとお互いの効果を打ち消し合ってしまい本来の効果を得られないとの事。
言うなれば1人で身に着けられるのは、指輪系、ネックレス系、イヤリング系、腕輪系、髪飾り系等それぞれ1個ずつまで、しかも同系統の効果を持つものは強い効果を持つ方が優先される為、弱い効果の魔道具は効果を発揮せず付けているだけ無駄との事だった。
なんか色々と制約あるんだな~。
指10本あるから指輪も10個付けてチートできるのかと思ってたけど、1つしか付けられないのか…。
「これが魔道具の基本ってとこね、とは言え中には例外的な魔道具もあるけどこのリストにある魔道具をカツヒコが使うのはまだ早いわね。 魔道具に頼り過ぎると成長が出来ないから…。 あっ、でもこの吸魔の指輪は身に着けていいわよ。 これなら身体能力を底上げする物じゃないし」
「吸魔の指輪? なんか微妙に物騒な名前だけど、どんな効果の指輪だっけ? 色々と鑑定したから何があったのかあまり覚えてないんだよね…」
「吸魔の指輪は倒した相手から取り込まれる魔力を普通より多く取り込む事が出来るの。 だからこれを付けていれば今以上に魔力の吸収が多くなって、身体能力、魔力量の増幅が見込めるってとこね。 基礎能力に効果がプラスされる訳では無いから技術を磨くことの阻害にはならないし」
そう言うカトレアの言う通り、アイテムボックスから吸魔の指輪を出して指にはめる。
なんか大きすぎると思ったけど、指に嵌めたら何故かサイズが変わって指にジャストフィットした。
「迷宮産魔道具はそういう物よ、特に指輪なんてサイズ調整機能が付いてないと身に着けられる人が限られるでしょ? 人が作った普通の指輪に効果を付与した場合、ほとんどの職人の作じゃサイズ調整機能を付けれないからね。 私が生きてた時も帝都に2~3人ぐらいしか居なかったけど、今は居るのかどうかすら怪しいわね…」
う~ん、カトレアの生きていた時代の話を聞いて今と比べると、冒険者の質も技術も低下している気がするんだけど、これはどういう事なんだ?
普通400年もの時間があったら技術が向上してたりしてもおかしくないのに低下している…?
何故に?
「カツヒコ、カトレア、とりあえず査定と鑑定は終わった」
「そうですか、それで査定はどんな感じですか?」
「そうだな、まず魔石だが小さく赤い魔石は銭貨3枚、黄色いのは銭貨6枚、その他魔石はサイズによって異なるが合わせて金貨38枚と銀貨6枚。 あと武器と防具だが、質が悪い物は鉄屑同様だがそれ以外は普通に使用できる品だったからこれも併せて金貨21枚と銀貨3枚。 あと最下層に居たって言うリビングアーマーの鎧だが、片方は傷だらけだがもう片方は無傷なんだがどちらも魔法耐性、物理耐性があり強い魔力を帯びている。
こんなもんを倒したなんて信じられんが、買取価格としては2つで金貨60枚だ。 後は宝石類なんだが、とりあえず金貨500枚でどうだ?」
「何で宝石類だけ質問系なの?」
「いや、宝石類はギルドで売るよりも宝石商や錬金術師なんかに売った方が値が高くつく場合があるからな…、一応確認をしたんだが…」
「まあいいですよ、ギルド売却で、ていうか今回の売却金だけで暫くの間は遊んで暮らせそうですし…」
「まあ確かにな、それにしてもこれだけ大量の買い取り依頼されたのはこのギルド支部始まって以来初だぞ。 それで売却金は現金にするかギルド口座に入れるか?」
「とりあえず2等分してカトレアと自分の口座に入れておいてください」
「わかった、あとギルドカードを出せ、FランクからDランクに昇格だ。 まったく登録から2日でDランクに昇格なんてギルド始まって以来の速さだぞ!」
「それは墳墓のダンジョンがハズレダンジョンと言われて放置されてたおかげですね」
「そうか、今はダンジョンの調査をおこなう冒険者を選定してる最中で真偽は分からんが、ウソを言ってるとは思えんし、まあ運も実力のうちと言うからな…。 それと鑑定していた魔道具だが売る気はないか?」
「無いですね…。 自分の鑑定スキルで見ても相当な品だって事は分かってるんで」
「そうか、、せめてAランクポーションやBランクポーション、他にも身に着けた人間を強化する魔道具も多くあったからかなりの額になるんだが、売る気が無いんじゃ仕方ない。 じゃあ返却だな、とりあえずこれがリストだ」
そう言ってダイルンさんに魔道具のリストを渡された後、魔道具を返却される。
う~ん、リスト化されると改めて魔道具類の凄さに驚かされるな…。
全部で100個以上ある。
これだけ手に入るダンジョンって話が出回ったら相当数の冒険者が殺到するだろうな。
まあ結界で魔力が100階層に溜まってたから高品質の魔道具があったけど今はもう正常に魔力がダンジョンに流れてるからこんなに良い品は無いだろうけど…。
その後、ギルドを後にし、カトレアと少し遅めの昼食にする。
少し遅い昼食の為、軽い食事という事で、大通り沿いにある少しお洒落なオープンテラスでパスタのような物を注文する。
「ところでカトレアはギルドであまり喋らなかったし、買取の査定とかにも口を挟まなかったけど何かあったの?」
「いえ、何も無いわよ、ただあなたの経験の為には私が口を挟むべきじゃないと思っただけ、ただそれだけよ。 ただギルドで鑑定をする際に女神の血、今はSランクポーションって呼ばれてたわね、それを出さなかったのは良い判断よ」
「そう? 他にもなんか凄そうな武器とか防具もあったけどなんか面倒事に巻き込まれそうだから多少選別して鑑定に出したんだよね」
「いい判断ね、AランクやBランクポーションであれだけ目の色が変わっていたところを見るとSランクポーションなんか出したらどうなっていたか…。 まあギルドが手荒な真似はしないでしょうけど、どこからか情報が漏れて面倒事にもなりかねないから」
「それは嫌だな…。 でもAランクポーションや他の魔道具の噂も漏れるからどっちにしろ面倒事は避けられない気もするけど…」
「そうね、カツヒコにとってはいい経験になるんじゃない? うかつな行動が後にどんな面倒事を運んでくるか、身をもって体験出来るでしょ?」
「いやいや、そんな体験はしたくないですから…」
「それなら、何事もしっかりと考えて行動する事ね」
そうカトレアに言われると、言い返す事も出来ずギルドで鑑定をすると言われた際にもっと慎重に魔道具を選んで預けるべきだったと反省する。
「それにしてもカツヒコ、報酬も売却金も等分で良かったの?」
「えっ? 等分じゃまずかった? むしろカトレアが居た部屋に有った物だからカトレアの方が多くても文句は言えないと思ってたんだけど…」
「私はあそこから出れた上に人間として生き返っただけで十分だったんだけどね。 まあどの時代も金が無いと生活できないから、カツヒコが等分で良いと言うなら貰っておくわ」
「うん、カトレアが等分で良いって言うなら等分でいいよ。 あとは魔道具類だけど、武器や防具もあるから自分に合った装備を選びたいところだね」
「それについてだけど、しばらくの間は今の装備で経験を積むべきね、今のうちから強力な武器や防具を使っていたらあなたの成長が止まるから、技術が身についてから使う事をおススメするわ」
そう言ってカトレアはテーブルに置かれたパスタをクルクルとフォークに巻いて口に運ぶ。
「まあ確かに、武器頼りだと技術が身につかなさそうだもんね…」
「そういう事、それでカツヒコは今の革鎧と鉄剣、そしてナイフで今後も戦っていくつもり?」
「う~ん、剣とナイフは昔冒険者のパーティーの皆から貰ったやつで思い入れもあるし、革鎧はダンジョンで手に入れたのがピッタリだし、暫くはこれでいいかな」
「そう、まあ特に問題は無いからいいけど、予備の武器は?」
「予備? 特に無いけど?」
「はぁ? 予備が無いってどういう事よ! ダンジョンで魔道具以外にも沢山武器や防具を手入れたでしょ! まさかあれ全部ギルドに売ったの?」
カトレアがすごい勢いで身を乗り出し、周りの人が何事かとこちらを見ている。
周囲の視線に気が付いたカトレアは、咳ばらいをし席に座りなおすと大きなため息をついて呆れた顔をしている。
「カツヒコ、今持っている剣が戦闘中に折れたらどうするの? 長期間森やダンジョンに入っている最中に折れたら? 素手で戦って街まで帰って来るつもりなの?」
「あ~、確かに、予備は必要だね…。 全く考えずに売っちゃった…」
そんな自分にカトレアは再度盛大なため息をついて、後で武器屋に行って予備の剣を購入させるとの事。
全く予備って考えが無かった…。
アイテムボックスに魔道具、というか魔力を帯びたり、特殊な金属で出来た剣とかあるからいざとなったらそれを使えばいいやと思ってたけど、どうやらダメらしい。
「じゃあこの後、武器屋に行くとして、さっきギルドで渡された魔道具のリストを見せて頂戴、私も何があったのか正確に把握してないし」
そう言うカトレアにギルドで貰ったリストを渡しす。
「ふ~ん、色々あるわね、ギルドでは鑑定しきれなかった物もあるみたいだけど…。 それでカツヒコは魔道具についてどこまで知って居るの?」
「いや、鑑定で調べて身に着けるとそれぞれ特殊な効果があるって事は分かるけど、それがどうかしたの?」
カトレアの質問の意図が分からず首をひねっている自分にカトレアが魔道具について説明をしてくれた。
どうやら、魔道具と言っても様々な物があり、主に、生活に役立つ物、身に着けると特殊効果がある物の2つに分けられるらしい、とは言えそれ以外もあるらしいけど、身に着けると特殊効果があるものは基本的に幾つ身に着けてもいい訳では無く、指輪系、ネックレス系、イヤリング系、腕輪系、髪飾り系等、とそれぞれ1個しか身に着けられず、例えば指輪系の魔道具を2つ身に着けるとお互いの効果を打ち消し合ってしまい本来の効果を得られないとの事。
言うなれば1人で身に着けられるのは、指輪系、ネックレス系、イヤリング系、腕輪系、髪飾り系等それぞれ1個ずつまで、しかも同系統の効果を持つものは強い効果を持つ方が優先される為、弱い効果の魔道具は効果を発揮せず付けているだけ無駄との事だった。
なんか色々と制約あるんだな~。
指10本あるから指輪も10個付けてチートできるのかと思ってたけど、1つしか付けられないのか…。
「これが魔道具の基本ってとこね、とは言え中には例外的な魔道具もあるけどこのリストにある魔道具をカツヒコが使うのはまだ早いわね。 魔道具に頼り過ぎると成長が出来ないから…。 あっ、でもこの吸魔の指輪は身に着けていいわよ。 これなら身体能力を底上げする物じゃないし」
「吸魔の指輪? なんか微妙に物騒な名前だけど、どんな効果の指輪だっけ? 色々と鑑定したから何があったのかあまり覚えてないんだよね…」
「吸魔の指輪は倒した相手から取り込まれる魔力を普通より多く取り込む事が出来るの。 だからこれを付けていれば今以上に魔力の吸収が多くなって、身体能力、魔力量の増幅が見込めるってとこね。 基礎能力に効果がプラスされる訳では無いから技術を磨くことの阻害にはならないし」
そう言うカトレアの言う通り、アイテムボックスから吸魔の指輪を出して指にはめる。
なんか大きすぎると思ったけど、指に嵌めたら何故かサイズが変わって指にジャストフィットした。
「迷宮産魔道具はそういう物よ、特に指輪なんてサイズ調整機能が付いてないと身に着けられる人が限られるでしょ? 人が作った普通の指輪に効果を付与した場合、ほとんどの職人の作じゃサイズ調整機能を付けれないからね。 私が生きてた時も帝都に2~3人ぐらいしか居なかったけど、今は居るのかどうかすら怪しいわね…」
う~ん、カトレアの生きていた時代の話を聞いて今と比べると、冒険者の質も技術も低下している気がするんだけど、これはどういう事なんだ?
普通400年もの時間があったら技術が向上してたりしてもおかしくないのに低下している…?
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