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ルイーズ
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絡んで来た冒険者とギルドの訓練場で戦い、その後乱入してきたルイーズという冒険者と手合わせをし手も足も出ずのされ、回復魔法でようやく身体が動くようになったのでギルドに併設された酒場で少し早い昼食を取りながら反省会が行われている。
いや、なんでルイーズさんが反省会に加わってるの?
昼間なのに酒を飲みながらテーブルに並べられた肉料理がガツガツ食べてるし…。
「なにか問題でもあるの?」
カトレアが何故に? と言う顔の自分に向かって平然と言い放つ。
「いや、問題は無いんだけど、急に乱入して戦った人と一緒に反省会って…」
「それの何処がおかしいの? ルイーズは純粋にカツヒコに見込みがあると思ったから乱入して強引に戦っただけよ。 あのチンピラまがいの冒険者とは違うんだから問題は無いでしょ?」
そう言われグウの音も出ない自分に、ジョッキの酒を一気に飲み干しお替りを注文したルイーズさんが楽しそうな顔をしながら話しかけて来る。
「おう、そこのお姉ちゃん、カトレアだったか? よく分かってるじゃんか! 私は珍しく骨のある新人が来たもんだからどんなもんか試したくて乱入したんだ。 悪気は無いから気にすんなよ!」
「う~ん、悪気無い割には結構暴言とか吐きまくってましたよね?」
「いや、まあ、あれだ! そう相手に本気を出させる為の挑発だ。 実際本気出しただろ?」
ルイーズさんはそう言って運ばれて来たジョッキをグイっと煽る。
「それにしても、カトレアだっけか、あんた何もんなんだ? 見た目もそうだが明らかに雰囲気が登録して数日しか経っていない冒険者には思えないし、その格好も昔話で出てるるアークス正教会の白銀の聖女みたいな格好で、実力も私以上なんじゃないか?」
笑いながら話すルイーズさんとは対照的にパスタを口に運ぼうとしていたカトレアの手が止まり、一瞬静寂を挟んでカトレアが口を開く。
「私がその白銀の聖女だったらどうします? とわいえ400年以上前に居た人間が今生きてるというふざけた話になりますが…」
「ふっ、ブハァハハハ!!!!! いや悪い、確かにそれは無いな、400年以上も生きてるなんてエルフ族かドワーフ族、それと竜族ぐらいだもんな。 だがその歳でそれだけの力をどうやって身に着けたんだ?」
「ふふふ、幼いころから山奥で私を拾った祖父に鍛えられたんですよ。 来る日も来る日も剣と魔法の修行、祖父が亡くなって山から下りて来た時にカツヒコと出会ってそこからカツヒコを鍛えただけ。 カツヒコは聞いた事のないギフトの影響なのか、私が教えた事を簡単に習得だけはするので教えられるだけ教えた。 だから技術と経験がチグハグなのよ」
「聞いた事ないギフトか、なんていうギフトなんだ?」
そう言うルイーズさんに【器用貧乏】と言うギフトで恐らく(器用だから大体の事はこなせるけど色んな事に手を出し過ぎてすべてが中途半端になるって感じの事)だと伝え、両親には理解されず不幸を呼ぶ、貧乏を引き寄せると思われ15歳になったら村を追い出されたと伝える。
「器用貧乏ねぇ~、聞いた事ないな、だけど器用だから大体の事はこなせるけど色んな事に手を出し過ぎてすべてが中途半端になるってなら覚えた事の中で必要なものだけ伸ばせば良いんじゃないか? あまり必要ない物はオマケ程度と思えばいいし」
ルイーズさんは聞いた事が無いと言いつつも簡単に説明した器用貧乏の意味を理解したのか、ごもっともな事を言い、テーブルに置かれた料理を口に運ぶ。
「そう、だから私が今鍛えてるの。 まだ15歳なんだし、鍛えれば鍛えただけこれからもっと伸びるでしょ」
「それにしても偶然とは怖いな、私より年下で強そうなやつが、聞いた事も無いレアなギフトを持った奴と出会うなんて…。 それにカトレアを鍛えた祖父ってのも興味があるし、名は何て言う人だったんだ?」
「さぁ~、おじい様としか呼んで無かったから名前は知らないわ…」
カトレアそう言うとルイーズさんはそうか…。 とだけ言いジョッキの酒を飲み干す。
「それで2人はこれからどんな依頼をこなすんだ? カツヒコの戦闘における実力だけ見ればCランク、いやBランクに届くかもしれないし、カトレアはそれ以上の実力はあるだろ? 魔獣退治でもするのか?」
「そうね、まずはDランク、いえF、Eランク相当の薬草採取でもするつもりよ。 強くても基本も知らなきゃ困る事もあるでしょうし」
顔色1つ変えずFランクやEランクの人が受ける薬草採取をすると聞き、ルイーズさんは呆れるでもなくしっかりしてるね~。 と言わんばかりの顔でカトレアを見ている。
う~ん、反省会のはずがカトレアとルイーズさんの話し合いみたいになってるし、自分の意見を言う事が出来ない…。
会社の偉い人の接待に同席させられて、会話には入れず愛想笑いを浮かべてる時と同じ状況だ…。
「ところでルイーズさん、ふとした疑問があるんですが…」
「なんだい? 答えられることなら何でも聞きな!」
ルイーズさんはそう言ってジョッキの酒を飲み干してお替りを注文している。
「Bランクの冒険者って事は、結構強い魔物とかと戦うんですよね? その格好、肩と胸、下半身しか守れていない鎧で大丈夫なんですか?」
「はぁあ? さっきから胸ばかり見るとは思ってたけど、そんな事か…」
「いや、そんなにガン見はしてないと思いますよ? まあ男ですから自然と谷間に目が行くのは自然の摂理です!」
「自然の摂理ね…。 私の胸をガン見してそう言ったのはカツヒコぐらいだよ…。 それでこの格好じゃ露出が高い分、怪我するんじゃないか、って事だろ? 基本的に寝てる時以外は魔纏で魔力を体に覆ってるから特に問題は無いんだよ。 それに魔纏を破るような奴を相手するなら金属の鎧を着てても大して変わらないしな、だったら動きやすい格好の方が良いだろ?」
「いや、魔纏を破られたら怪我するんだから金属の鎧着てた方が良いんじゃないですか?」
「あぁあ~、カトレアはその辺までは教えてないのか…。 ちょうどいい機会だから私が教えてやるが、魔纏を使用して特殊な鎧でもない限り強度は変わらないんだよ、そして私の魔纏はその辺の金属鎧より強度がある。 という事は魔纏を破れるような奴が相手なら金属鎧なんか紙屑みたいなもんなんだよ」
う~ん、 なんか分かったような分からないような…。
要は金属鎧よりルイーズさんが魔纏で身体に魔力を纏った方が硬い? いや、なんて言えばいいんだろう、防御力が高いという事かな?
魔纏は武器や身体を覆うだけで、武器や防具を強化すると言う訳ではないって事?
そう言えばカトレアが剣に魔力を纏わせる際に、ただ漠然と纏わせるのではなく、剣と同様に鋭利な刃物のイメージで纏わせるようにと言ってたのはこういう理由だったのか…。
「あんたの魔纏はまだまだだし、身体に纏わせるまでは完全に習得してないようだからこれから練習をするんだな。そうすれば魔力を纏ってる時に普通の剣で刺されても体には傷一つ付かないようにもなるよ」
ルイーズさんはそう言いながら再度ジョッキの酒を飲み干してお替りを注文してる。
いや、魔纏の話は勉強になるけど、さっきから水みたいに酒を飲んで大丈夫なの?
そんな心配をよそにルイーズさんは酒を飲み続ける。
色々と話を聞いたりしていると、いつの間にか昼を過ぎ、日が傾き始める時間になったようで街の外に出て狩りや採取をしていた冒険者達がチラホラと戻って来て、獲物や薬草などの換金を始めている。
「魔物討伐や薬草採取って依頼なの? なんか見る限り量も数も人によってなんかバラバラなんだけど…」
「ああ、食べれる魔物や魔石、薬草は依頼とは関係なくギルドが買い取るからな、依頼を受けずに狩りや採取で生計を立ててる冒険者も居るんだ」
ああ~、なんか納得。
宝石類を普通に買い取ってくれたし、需要があるものは何でも買取をしてくれるって事か。
あれ? カトレアは薬草採取の依頼を探すって言ってたけど、依頼受けなくても普通に採取して買取カウンターに持っていけばいいだけじゃない?
そんな疑問をカトレアにぶつけようとした時、以前見かけた右腕の無い冒険者が買取カウンター薬草らしきものを持っていき換金をしはじめる。
薄汚れたというか、かなり汚れボロボロのフードを被っていて顔までは分からないけど、そんなに多くない薬草を換金し、銅貨らしきものを数枚受け取りそのままギルドを後にする。
なんだろう、すごく痛々しいというか一つ間違えばああなってしまうのが冒険者なのかと思うと何故か目が離せない。
「あいつがどうかしたのか?」
片腕の冒険者を目で追っていたのに気が付いたルイーズさんが不思議そうに声をかけて来たので、先程思った事を口にする。
いや、なんでルイーズさんが反省会に加わってるの?
昼間なのに酒を飲みながらテーブルに並べられた肉料理がガツガツ食べてるし…。
「なにか問題でもあるの?」
カトレアが何故に? と言う顔の自分に向かって平然と言い放つ。
「いや、問題は無いんだけど、急に乱入して戦った人と一緒に反省会って…」
「それの何処がおかしいの? ルイーズは純粋にカツヒコに見込みがあると思ったから乱入して強引に戦っただけよ。 あのチンピラまがいの冒険者とは違うんだから問題は無いでしょ?」
そう言われグウの音も出ない自分に、ジョッキの酒を一気に飲み干しお替りを注文したルイーズさんが楽しそうな顔をしながら話しかけて来る。
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「う~ん、悪気無い割には結構暴言とか吐きまくってましたよね?」
「いや、まあ、あれだ! そう相手に本気を出させる為の挑発だ。 実際本気出しただろ?」
ルイーズさんはそう言って運ばれて来たジョッキをグイっと煽る。
「それにしても、カトレアだっけか、あんた何もんなんだ? 見た目もそうだが明らかに雰囲気が登録して数日しか経っていない冒険者には思えないし、その格好も昔話で出てるるアークス正教会の白銀の聖女みたいな格好で、実力も私以上なんじゃないか?」
笑いながら話すルイーズさんとは対照的にパスタを口に運ぼうとしていたカトレアの手が止まり、一瞬静寂を挟んでカトレアが口を開く。
「私がその白銀の聖女だったらどうします? とわいえ400年以上前に居た人間が今生きてるというふざけた話になりますが…」
「ふっ、ブハァハハハ!!!!! いや悪い、確かにそれは無いな、400年以上も生きてるなんてエルフ族かドワーフ族、それと竜族ぐらいだもんな。 だがその歳でそれだけの力をどうやって身に着けたんだ?」
「ふふふ、幼いころから山奥で私を拾った祖父に鍛えられたんですよ。 来る日も来る日も剣と魔法の修行、祖父が亡くなって山から下りて来た時にカツヒコと出会ってそこからカツヒコを鍛えただけ。 カツヒコは聞いた事のないギフトの影響なのか、私が教えた事を簡単に習得だけはするので教えられるだけ教えた。 だから技術と経験がチグハグなのよ」
「聞いた事ないギフトか、なんていうギフトなんだ?」
そう言うルイーズさんに【器用貧乏】と言うギフトで恐らく(器用だから大体の事はこなせるけど色んな事に手を出し過ぎてすべてが中途半端になるって感じの事)だと伝え、両親には理解されず不幸を呼ぶ、貧乏を引き寄せると思われ15歳になったら村を追い出されたと伝える。
「器用貧乏ねぇ~、聞いた事ないな、だけど器用だから大体の事はこなせるけど色んな事に手を出し過ぎてすべてが中途半端になるってなら覚えた事の中で必要なものだけ伸ばせば良いんじゃないか? あまり必要ない物はオマケ程度と思えばいいし」
ルイーズさんは聞いた事が無いと言いつつも簡単に説明した器用貧乏の意味を理解したのか、ごもっともな事を言い、テーブルに置かれた料理を口に運ぶ。
「そう、だから私が今鍛えてるの。 まだ15歳なんだし、鍛えれば鍛えただけこれからもっと伸びるでしょ」
「それにしても偶然とは怖いな、私より年下で強そうなやつが、聞いた事も無いレアなギフトを持った奴と出会うなんて…。 それにカトレアを鍛えた祖父ってのも興味があるし、名は何て言う人だったんだ?」
「さぁ~、おじい様としか呼んで無かったから名前は知らないわ…」
カトレアそう言うとルイーズさんはそうか…。 とだけ言いジョッキの酒を飲み干す。
「それで2人はこれからどんな依頼をこなすんだ? カツヒコの戦闘における実力だけ見ればCランク、いやBランクに届くかもしれないし、カトレアはそれ以上の実力はあるだろ? 魔獣退治でもするのか?」
「そうね、まずはDランク、いえF、Eランク相当の薬草採取でもするつもりよ。 強くても基本も知らなきゃ困る事もあるでしょうし」
顔色1つ変えずFランクやEランクの人が受ける薬草採取をすると聞き、ルイーズさんは呆れるでもなくしっかりしてるね~。 と言わんばかりの顔でカトレアを見ている。
う~ん、反省会のはずがカトレアとルイーズさんの話し合いみたいになってるし、自分の意見を言う事が出来ない…。
会社の偉い人の接待に同席させられて、会話には入れず愛想笑いを浮かべてる時と同じ状況だ…。
「ところでルイーズさん、ふとした疑問があるんですが…」
「なんだい? 答えられることなら何でも聞きな!」
ルイーズさんはそう言ってジョッキの酒を飲み干してお替りを注文している。
「Bランクの冒険者って事は、結構強い魔物とかと戦うんですよね? その格好、肩と胸、下半身しか守れていない鎧で大丈夫なんですか?」
「はぁあ? さっきから胸ばかり見るとは思ってたけど、そんな事か…」
「いや、そんなにガン見はしてないと思いますよ? まあ男ですから自然と谷間に目が行くのは自然の摂理です!」
「自然の摂理ね…。 私の胸をガン見してそう言ったのはカツヒコぐらいだよ…。 それでこの格好じゃ露出が高い分、怪我するんじゃないか、って事だろ? 基本的に寝てる時以外は魔纏で魔力を体に覆ってるから特に問題は無いんだよ。 それに魔纏を破るような奴を相手するなら金属の鎧を着てても大して変わらないしな、だったら動きやすい格好の方が良いだろ?」
「いや、魔纏を破られたら怪我するんだから金属の鎧着てた方が良いんじゃないですか?」
「あぁあ~、カトレアはその辺までは教えてないのか…。 ちょうどいい機会だから私が教えてやるが、魔纏を使用して特殊な鎧でもない限り強度は変わらないんだよ、そして私の魔纏はその辺の金属鎧より強度がある。 という事は魔纏を破れるような奴が相手なら金属鎧なんか紙屑みたいなもんなんだよ」
う~ん、 なんか分かったような分からないような…。
要は金属鎧よりルイーズさんが魔纏で身体に魔力を纏った方が硬い? いや、なんて言えばいいんだろう、防御力が高いという事かな?
魔纏は武器や身体を覆うだけで、武器や防具を強化すると言う訳ではないって事?
そう言えばカトレアが剣に魔力を纏わせる際に、ただ漠然と纏わせるのではなく、剣と同様に鋭利な刃物のイメージで纏わせるようにと言ってたのはこういう理由だったのか…。
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ルイーズさんはそう言いながら再度ジョッキの酒を飲み干してお替りを注文してる。
いや、魔纏の話は勉強になるけど、さっきから水みたいに酒を飲んで大丈夫なの?
そんな心配をよそにルイーズさんは酒を飲み続ける。
色々と話を聞いたりしていると、いつの間にか昼を過ぎ、日が傾き始める時間になったようで街の外に出て狩りや採取をしていた冒険者達がチラホラと戻って来て、獲物や薬草などの換金を始めている。
「魔物討伐や薬草採取って依頼なの? なんか見る限り量も数も人によってなんかバラバラなんだけど…」
「ああ、食べれる魔物や魔石、薬草は依頼とは関係なくギルドが買い取るからな、依頼を受けずに狩りや採取で生計を立ててる冒険者も居るんだ」
ああ~、なんか納得。
宝石類を普通に買い取ってくれたし、需要があるものは何でも買取をしてくれるって事か。
あれ? カトレアは薬草採取の依頼を探すって言ってたけど、依頼受けなくても普通に採取して買取カウンターに持っていけばいいだけじゃない?
そんな疑問をカトレアにぶつけようとした時、以前見かけた右腕の無い冒険者が買取カウンター薬草らしきものを持っていき換金をしはじめる。
薄汚れたというか、かなり汚れボロボロのフードを被っていて顔までは分からないけど、そんなに多くない薬草を換金し、銅貨らしきものを数枚受け取りそのままギルドを後にする。
なんだろう、すごく痛々しいというか一つ間違えばああなってしまうのが冒険者なのかと思うと何故か目が離せない。
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