リナリア

ちくわ

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第15話

ふたりの秘密②

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私は、玉山へとリンを迎えに行くために向かった。

雪乃「すごいな、本当に、よくこんなところに、お店なんて作ったわね」 

私はトキさんのお店へと向かった。

すると、

雪乃「あ、あった。これだよね。」

トキさんの姿はそこにはなかった。

雪乃「あれ、トキさんは?」

お店に入ってみようと思い足を踏み入れた

その時だった。

トキ「待ってたよ、やっぱりあんたが来そうだと思ってたさ。さっきの子には話すつもり無かったからね。」

雪乃「あ、トキさん」

トキ「私は確かにトキだが、雪乃とリンからしたら違う呼び方があるんじゃないかい、」

雪乃「え?それってどういう意味ですか」

トキ「仕方ない、本当のことを話そう。雪乃には、いつか話さなきゃいけないと思ったさ。」

雪乃「え、なんで、私のことも知ってるの」

トキ「…あれは、だいぶ前、あたしには娘がいてね、どうしようも無い娘でね、」

…何年か前



トキ「なんだって!!」

娘「だから!」

トキ「そんなん無理に決まってるだろ!」

娘「私だって子供じゃないの!」

トキ「お前だってまだ子供じゃないか!」

娘「いいわ、お母さんが分かってくれないなら、出てく!」


トキ「…そう言って出てってしまったんだよ。」

雪乃「…そんな。」

トキ「あの時あの子は2人子供妊娠しててね…」

雪乃「もしかして…」

トキ「…あの子はそのまま、出てって2人を産んで、この世を去っちまったよ。…大きくなったね、雪乃。」

雪乃「おばあちゃん…泣」

トキ「まさか、あの子の子供だなんて思いもしなかったさ。頑固なばあさんなもんだから嫌われやすい性格でね。」

雪乃「リンは、それで」

トキ「あの時、玲ちゃんとリンが来た時は驚いたし、すぐに分かったよ、リンだ。あの子の子だって」

雪乃「その時、気づいたんだね。」

トキ「それで、リンが訪ねてきて、自分の母さんの事を聞いてくるのかと思っていたんだ。けど、聞いてきたことは違う事だった。」

雪乃「え?」




トキ「ふー、ごめんね、友達追い出す様なことしちゃって」

リン「いいの、きっと分かってくれるよ、友達だもん。」

トキ「そうかい、…」

リン「あの…」

トキ「なんだい?リン。」

リン「やっぱり、おばあちゃんなんだね。」

トキ「!!!」

リン「雪乃と施設にいたのも、きっとお母さんが。」

トキ「気づいてたのかい?いつから。」

リン「施設にいる時からなんとなく、施設の人に母さんのこと聞いたら、玉山にあるケーキ屋さんにいたって。…おばあちゃん。」

トキ「…リンおかえり。」

リン「雪乃の事も知ってるよね」

トキ「もちろん。」

リン「雪乃の事、よろしくね。」

トキ「え。もちろんだよ。」

リン「お、おばあちゃん、聞きたいことがあるの」

トキ「なんだい?」

リン「あのね、探してるものがあって」

トキ「何をだい」

リン「不思議な花。名前は分からない」

トキ「不思議な花…?」

リン「どうしても、それを」

トキ「花には色んな花言葉があるんだ、
きっとリンには伝えたい人がいるんだろうね」

リン「、バレてたか笑笑」

トキ「リン、あんたは顔に出やすいから気をつけな笑」

リン「え。」

トキ「一緒に探そうか、特徴はどんなんか分かるかい?」

リン「それが見た事ないの。ねー、おばあちゃん、この事誰にも言っちゃダメだよ?」

トキ「ああ、言わないよ、ふたりの秘密だ」



…つづく

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