白蛇さんはたぶらかす

極楽 ちどり

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たぶらかしてから

2-3

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ニシキさんのせいで、私の体どんどんおかしくなっていると思う。それこそ不老不死とかふざけた存在になってしまったし、そこはちがくないか?というところで気持ちよくなってしまうし。
何より怖いのは、私の体は痛みをうまく感じられないところだろうか。痛みって生き物が危機管理のために持っている機能なはずだ。でも私はそれこそ人様が気絶するような痛みでないと感知することができない、らしい。
だからきっとニシキさんみたいな絶対的強者のそばでないと、あっという間に死んでしまうに違いない。だって包丁で指を切ってもじわりとした熱さを感じるだけだ。痛みを感じないと、どうしてもうまく危機を認識できなくて、無防備になる。
まあその分を補ってあまりあるほど、ニシキさんは私の世話を焼きたがるうえ、馬鹿らしくなるほどに過保護なのでバランスが取れていていいのかもしれない。ニシキさんの隣は、私にとってはきっと世界で一番安全だ。

「んんっ、ふっ、んぅ。んはっあっ」
「はぁっ、気持ちいいの?千尋」
「ん、はっはぁっきもち、い」

ニシキさんの伏し目がちの微笑みって何でそんなに色気があるの。優しいのに目が獰猛なんてちょっとずるい。よだれたれそう。
ニシキさんの手がむにむにと私の胸を悪戯に揉んでいる。脚の間には既に彼の体が入り込んでいて、アソコに触れるか触れないかの場所から私の脚に巻き付いている。

「ふふっどうしようか。もっとキス?それとも」

もっとやらしく触れようか。

耳元に囁かれてぶるりと背筋が震えた。その先を想像させるように、彼の指先が体の側面をゆっくりとたどっていく。二の腕を優しく捕まえ、手首に向かっていく流れで頭上に押さえ込まれる。
優しく指を絡ませて手を繋がれて、たったそれだけのことに胸がまたキュンとなった。至近距離で私を見つめる彼は、きっと私が今キュンキュンしてしまっているのを知っているに違いない。心底楽しそうに幸せそうに笑みを深めたもの。
ああもう、キスもして欲しい。でも触るのもやめないで欲しい。

「んっ。どっちも」
「千尋ったら欲張りだね。ほんとにやらしいんだから」

やらしいのは己だ。と言ったところで彼は聞きやしないだろう。
大体、呆れた風を装ってそんなことを言っているけど、ニシキさんだってどうせ最初からそのつもりの癖に。
繋いだ手を握り返す。ほとんど同時に唇がまた重なった。口内に侵入した長い舌が私の舌を絡め取り、引きずり出して甘く噛みつかれる。

「んむぅうう!んっんぅっ」

舌の先端から広がった電流のような快感にびくっと腰が跳ねて、それを押さえ込むみたいに彼の体が一層密着する。あまりの刺激に舌を引っ込めようとするのだけれど、引っ込めてもすぐに引きずり出されてしまって逃げられない。それでもなんとか逃れようと舌を右往左往させていると、いつの間に自由になったのか片方の手が引きずり出された状態の私の舌を捕まえてしまった。

「んくっ?!んぁううう!」

抵抗しようとした手は、片手で頭上にからめとられていて、びくともしなかった。
それでもなんとか逃れようと舌を引っ込めようと力を入れるけれど、一体どうやっているのか全然抜け出せない。
突き出した舌が彼の口の中に消えていく。唇に扱かれ、先端を噛まれ舐られた。そのいたぶり方は陰核にするそれに酷似していて、散々そうしてイジメられたのを覚えている体は素直に反応してしまう。

「んあっ!あむっ!んぁうううっ!」

舐められているのは舌だというのに、私のそこはヒクヒクと痙攣しだしてしまって、慰めるためにと両脚をすり合わせようとするのに、彼の胴体が邪魔をする。
口の端からよだれが溢れる。一緒にだらしなく言葉にならない声が溢れる。舌を掴まれているせいで頭を無理やり振ることができない。
これはキスじゃない。だって唇同士は触れていない
。なのに舌だけが滅茶苦茶にされている。そのありえない事態に羞恥を覚えてしまって、それで余計に感じてしまう。私も大概変態かもしれない。
ちゅぶっぐちゅっと耳を塞ぎたくなるような音がしているのに、どんなに動かそうとしても手は動かせない。
恥ずかしい。腰動いちゃう。舌だけいじめられるなんてへんなのに。

「はひっ?!」

ぬるっとした感触と熱い電気を流されたような感覚に一瞬脳内が白く染まる。何をされたのか気づき、心臓がバクバクと早鐘を打ち出す。
あ、あ、どうしよう。そこ、もうヒクヒクしてるのバレちゃう。やだ、やだっ!触らないでっ!

「んー!!んっんぁっひゃらっ!」

舌をうまく動かせないせいでちゃんと喋れない。代わりにバシバシと視線で訴えるが、彼の目は至極愉しそうでやめる気配なんて微塵も感じられなかった。
包皮の中に入り込んで、陰核に触れるか触れないか絶妙な位置をゆっくりとなぞっているのはきっと尻尾の先端だ。逃れようと彼の胴体に絞め上げられていない方の脚に力を込める。が、かかとが虚しく布団を蹴るばかりだ。

「待ち遠しかったの?ここ、ヒクヒクさせて。ふふふっ恥ずかしいの?真っ赤だよ?」
「んんっ!!んんぅゆぅ、」

恥ずかしい。恥ずかしい。まだ舌しかいじめられてないのにっ。言わないで。

「舌を舐められてこっちいじめられるの想像しちゃった?」
「んんんんんんんぅっ!!!」

疑問を投げかけたくせに私に答えさせる気なんかないらしい。そのまま。また舌を咥えて噛み付かれる。腰が跳ねそうになるけれど、彼の体がどっしりと押さえ込んでいて動けなかった。
涙がにじむ。
ぐにん、と陰核が押し倒されるように弾かれる。頭が真っ白に染まる。舌は甘く噛まれたままで、先端は彼の舌がゆっくりと舐っている。

「んっ!んっ!!んぅーーーっ!!!!」

舌が痺れる。急激な絶頂感に全身が強ばって、でも弛緩する暇がない。往復ビンタでもするみたいに右に左に陰核を押し倒され、その度に体に緊張が走る。軋むように反り返ろうとする背筋があっさりと押さえ込まれ、それとは裏腹に優しく手首を撫でられる。

「あーあ、千尋。舌引きずり出されて感じてるの?だらしない顔しちゃって。ふふふっ可愛いんだから」
「んぁーっ!!んうっんむぅうう!ひゃんぅ!」
「なあに?もっと?」
「んん!!んんっ!!」

違う!と必死で伝えようと目線で訴えるが、やはり伝わらない。いや伝わってるに決まってる。絶対わざとわからないふりをしているに決まってる!
それはもう楽しそうに嗜虐心を剥き出しにして笑う彼の色気と来たらどうしようもない。

「ふふっ太ももピクピクしてるね。またイっちゃった?後で何回イったのかちゃんと教えて?」

そのセリフと同時に尻尾の先端が完全に陰核を押しつぶす。ぎくんっと私が硬直したことなんて気が付いていないかのように、それは小刻みに動かされ、不明瞭に叫ぶ口が今度こそ口づけで塞がれた。じんじんと痺れてしまった舌に螺旋状に舌が絡められ、ぢゅっと吸い込まれるようにして扱かれる。
腕が解放され、それと同時に閉じ込められるように抱き竦められる。襲いかかる快楽に恐れをなして彼の首に腕を回して抱きすがる。
為すすべもなく絶頂に押し上げられ、泣き叫ぶ声すら飲み込まれ、抵抗も押さえ込まれ、もうだめだった。
だ、め、だめっだめなの頭白っ、あっ、やだだめ、熱、っあっビリビリしちゃ、あっベロ溶けちゃ、あっあっああああああああっ!!

「ぅんううううううううっ!!!!」

体どころか思考すら放棄して、快楽に沈む。バチバチと目の前に星が散る。

体の中心から徐々に、放棄した感覚が戻りはじめる。まるで生き返るみたいだ。もう死ぬこともないのに、そんなことを思う。
いつの間にかニシキさんの上に跨るように座らされて、いつ脱いだんだか彼の裸の胸に抱かれていた。少し意識が飛んでいたのかもしれない。
見上げると、触れるだけのキスをされた。

「ニシキさ、」
「ふふっ。可愛い。ねえ千尋。何回イったの?」

そんなもの数えてない。が、安易に首を横に振ることはできない。たちまち満面の笑みでお仕置きされるに決まっている。たらり、と背中に冷や汗が垂れる。

「え、えっと」

どうやって逃れようか。無駄な抵抗だなと理解しつつ、鈍った思考を巡らせる。だってお仕置きと称してはそれはそれはいい笑顔で私にひどいことをさせるのだ。回避できるならそれに越したことはない。

「さっき言ったでしょう?何回イったのか、教えてって」
「ニシキさんは、数えてたの?」
「もちろん」

それが何か?とでも言いたげだ。余裕綽々でイヤになる。近くに彼の弱点である尻尾の先端はないかと探るが、どこにも見当たらない。隠されてしまったらしい。絶対に次見つけたらいたぶり倒してやる。

「に、ニシキさんが知ってるなら別に私が言わなくたっていいんじゃ」
「答え合せみたいなものだから、ね?」

何が「ね?」なのか。いや。聞いても無駄なのは解っている。何とかほかに言い訳がないものかと思考を巡らせる。いやむしろ、単純に数えてみるとか?
いや。というかそもそもなんだって自分の思考回路が吹っ飛んだ回数を教えなくちゃならないんだ。断固拒否ーーー

「ひゃぅっ?!」

考えていた思考が、唐突な刺激に活動を急停止する。見下ろせば片方の乳首が彼の指先でいたずらに転がされていた。

「時間切れだよ千尋。早く答えないとどんどんいじめる場所増えていくからそのつもりでね」
「ぅ。い、言いたくないっ」

首を横に振って拒否する。いつも恥ずかしいことばっかりさせて、このっ!今日こそ負けるものか。

「そう?じゃあ言いたくなったら言ってね」
「あ、えっ?」

ニシキさんはあっさりと頷いて、小鳥のようなキスを落とすと、そのままするすると唇を頬へ、首筋へと落としていき、かぶっと指で挟んでいるのとは反対の乳首を口に含んだ。
あまりの流れ技に抵抗を試みようとした時には既にそこは彼の口の中に消えていた。私の手はあとを追うようにその後頭部に置かれて、いっそその行為をねだっているようにしか見えない。
視線を下げてしまったせいで、バッチリ口の中に消える瞬間を見てしまった。珍しく、私のその動きを計算していなかったらしく、ニシキさんの白いまつ毛に縁どられた目は伏せられたままで、私はなんだが見てはいけないものを見てしまった気になって、思わず呼吸を詰めた。

「っっ、ぁ、ん、ふっ」

ぬるりとした、温かくて柔らかいものが優しく巻き付いてくる。ぶるりと背筋が震えた。
子どもみたいに私の胸に吸いつく彼に愛しさがつのる。目が離せなくなってしまって、柔らかく舐められる感触に小さく喘ぎなから、ぼうっとそれを眺めていると、不意に彼の視線が持ち上がり、私の視線を捕らえた。
はっとする。だけどもう遅い。
ゆっくりと口が開き、乳首にいやらしく舌が絡みつく様が露になった途端、それまで感じていた母性本能のまがい物みたいな気分が吹き飛ぶ。視覚という刺激が加わったことで快感がいや増した。

「あっあっあっやっんくっ」

柔らかいと感じていたそれは、そんなにねっとりと絡みつくみたいな動きだったのか。先端をゾロリと舐めあげられる動きに息を呑んだ。
完全にニシキさんの術中に嵌ってしまったことは自覚していたのだけれど、どうしても視線を逸らせない。

「あっ!!」

ぴんっと、指先で捏ねられていた乳首が弾かれて声か高くなる。悔しくてむぐっと唇を噛んだ。
ふふっと笑った彼は、ちゅるん、と口を離すとわざとらしく唇を舐めた。嫌になる。もう目に毒だから少しはその色気をしまって欲しい。

「千尋、イク前に答えないとお仕置き、するからね?」

え。何それ。どうしよう。積んでる。荒い呼吸を整えながら、もう当てずっぽうで数字を言った方がまだ勝率があるのか、と考える。だって彼は私などよりよほど私の体を知っている。

「5、回?」

全くの当てずっぽうなので、自然、問いかけるような形になってしまった。

「ふふっ本当に?」

なに、その引っ掛けみたいな問いかけ。いい笑顔してますけど、どうせその裏でろくなこと考えてないんでしょ。
こんな問いかけをして来るってことは、合ってるってこと?いやだってほかに聞く理由なんてないよね。でも怪しい。ニシキさんの笑顔が怪しい。いや、それはいつものことか。というか、そもそも5回という数字に全く自信がない。
でもやっぱり、あえて数字を変えて欲しいから聞いてくるっていうのが一番考えられる理由だし。

「5回」

もう一度、そのまるで自信のない数字を言い切る。
にっこりとまるで害のなさそうな笑みを浮かべた彼は、ちゅっと私にキスをして囁いた。

「はずれ」

ちょっと淑女にはあるまじき悪態をつこうとした唇は、そのまま彼に塞がれてしまった。

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