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第1章
3 同じ日
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夢の中、真っ暗な自室の入口に、輝く扉。
「ひかりん」
その向こう側から、誰かの声がした。
わたしは、その時、ベッドの端に座っていて、輝く扉を開けて入ってきた猫さんは、傍らに座り、にこりと笑った。
愛しさを感じる笑顔だった。
でも、見えたのは笑いかけてくれた口元だけで、顔全体は見えなかった。
それが誰か、性別すらわからないのに、とても懐かしい気がした。
その猫さんは、わたしに歩み寄ると、色んなことを教えてくれた。
『ひかりん。この世界ではね……』
生きるものたちは皆、泣いて生まれるんだって!
これからある哀しみのためじゃなくて、これから作る喜びのため。
そう聞いたら、とても嬉しいね!
どんな命だって、頑張っていいんだよ。
どんな存在だって、なっていいんだよ。
(でも……)
それでも、支えられない母がいる。
母は、父が星になった日から、わたしを見ない。
それは、わたしが生まれた日だった。
+
目が覚めて、見える天井。
「今日は、お父さまが星になった日……」
わたしは、ポツリと呟いた。
それが、現実に意識を戻させる。
泣きそうになり、くしゃって顔が歪む。
胸をポンポンと撫でて落ち着かせると、ベッドでずっと上向きだった体を横向きにして考えた。
わたしは暫くの間、夢の内容を覚えていた。
(誰だったんだろう……)
それが父であればよかったのに、と思い、すぐに頭の中から追い出した。
「お母さまも会えないのに……」
わたしだけじゃ駄目なのだと思ったから。
「ひかりん」
その向こう側から、誰かの声がした。
わたしは、その時、ベッドの端に座っていて、輝く扉を開けて入ってきた猫さんは、傍らに座り、にこりと笑った。
愛しさを感じる笑顔だった。
でも、見えたのは笑いかけてくれた口元だけで、顔全体は見えなかった。
それが誰か、性別すらわからないのに、とても懐かしい気がした。
その猫さんは、わたしに歩み寄ると、色んなことを教えてくれた。
『ひかりん。この世界ではね……』
生きるものたちは皆、泣いて生まれるんだって!
これからある哀しみのためじゃなくて、これから作る喜びのため。
そう聞いたら、とても嬉しいね!
どんな命だって、頑張っていいんだよ。
どんな存在だって、なっていいんだよ。
(でも……)
それでも、支えられない母がいる。
母は、父が星になった日から、わたしを見ない。
それは、わたしが生まれた日だった。
+
目が覚めて、見える天井。
「今日は、お父さまが星になった日……」
わたしは、ポツリと呟いた。
それが、現実に意識を戻させる。
泣きそうになり、くしゃって顔が歪む。
胸をポンポンと撫でて落ち着かせると、ベッドでずっと上向きだった体を横向きにして考えた。
わたしは暫くの間、夢の内容を覚えていた。
(誰だったんだろう……)
それが父であればよかったのに、と思い、すぐに頭の中から追い出した。
「お母さまも会えないのに……」
わたしだけじゃ駄目なのだと思ったから。
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