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☆8 成人
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成人した日、守がオレにペコリとお辞儀をして言った。
「病気の母を見殺しにしたのは、ボクの父だった……。わかってた。でも生きる為に、父が絶対だった。……ごめん」
「どうしてオレに助けを求めなかった? 悪魔だからか?」
「ボクにはひとりで生きる自信なんてなかったし、父が言ったから……」
「なんて?」
「全部、悪魔の仕業だって。そそのかされたんだって。あんたを殺せば、お母さんが帰ってくるって」
「……子供には、親が絶対だろーな」
父親の会社が倒産して、母親を病気で亡くして……。
ボロボロのアパート暮らしをしていた守。
気に食わないことを言えば殴られて、言うことをきけば褒められて、そんな生活を繰り返していたこと守を、オレは責める気にはならなかった。
「許してくれとは言わない。ただ……」
「オレは悪魔だから許すなんてことはしない」
「……そう、だね」
「ただ、言いたいことがある」
「病気の母を見殺しにしたのは、ボクの父だった……。わかってた。でも生きる為に、父が絶対だった。……ごめん」
「どうしてオレに助けを求めなかった? 悪魔だからか?」
「ボクにはひとりで生きる自信なんてなかったし、父が言ったから……」
「なんて?」
「全部、悪魔の仕業だって。そそのかされたんだって。あんたを殺せば、お母さんが帰ってくるって」
「……子供には、親が絶対だろーな」
父親の会社が倒産して、母親を病気で亡くして……。
ボロボロのアパート暮らしをしていた守。
気に食わないことを言えば殴られて、言うことをきけば褒められて、そんな生活を繰り返していたこと守を、オレは責める気にはならなかった。
「許してくれとは言わない。ただ……」
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「……そう、だね」
「ただ、言いたいことがある」
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