居場所を無くした孤独女子は、エリート上司に甘く囲われる〜二人で美味しい同棲生活〜《R-18》

清澄 セイ

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第七章

鮭茶漬けと、諸悪の根源⑧

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本音を言えば、どうするのが得策なのか答えは出ていない。ただ、許せなかっただけ。

山田さんの気も知らないで、輪の中心に座ってのうのうと笑っているコイツが。

自分が情けないと、涙を流す彼女と。

人を追い詰めておきながら、微塵も罪悪感を感じていない三ノ宮と。

それぞれの姿を重ねて、どうしても黙っていられなかった。

今ここで俺が三ノ宮について暴露したとしても、信用してもらえるかどうか確率は五分五分。

いや、悔しいが俺の方が勝算は低いかもしれない。

それでも、知らしめたかった。

俺が、いかにお前を嫌っているかということを。

「確かに僕は、山田さんについてほとんど知りませんでした。だけど少ない関わりの中でも彼女はいい子だったと記憶していますし、いくら一人が好きだったからと言って二年以上も同じ部署で働いていた人の辞めた理由を誰も知らないなんて、ちょっとどうかと思わなくもないですね」

「はっきり仰ってください」

「彼女、もしかして庶務課で酷い扱いを受けていたんじゃないですか?」

きっと今の俺は、相当酷い顔をしているんだろう。冷静さを保とうとすると、どうしても目元に力が入る。

「まぁ、あくまで推測ですが」

「お、大澤係長っ」

さすがに見かねたのか、営業部の中堅が俺を止めようと声をかけた。

「飲みの席ですし、もうその辺りで…」

「あぁ、悪い。俺のせいで雰囲気を壊したな。すいません、三ノ宮さん」

「いいえ?私は別になんとも思っていません」

「なんとも?あらぬ誤解であれば怒るのが普通では?それとも図星で、内心それを取り繕おうと必死…とか?」

探るような視線を送ると、三ノ宮は露骨に嫌悪感を露わにする。

序盤の胸糞悪い笑顔を剥がせただけでも、いくらか胸がスッとした。
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