居場所を無くした孤独女子は、エリート上司に甘く囲われる〜二人で美味しい同棲生活〜《R-18》

清澄 セイ

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第十一章

手抜きチャーハンと、愛しい君へ③

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来未はいつもなんでもおいしそうに食べる。早食いの傾向にある俺と比べて、ゆっくりと味わうように。

食べるのが遅いことが悩みなんて本人は言っていたけど、俺としてはハムスターやウサギなんかの小動物的愛らしさが堪らなくて、いつまででも見ていられる。

「凄くおいしいです」

一口食べてそう言った後は、無言。脇目も振らずに黙々と食べ続け、あっという間に俺よりも早く完食した。

まさに息を吐く暇もないといった風で、喉に詰まっているのではないかと心配になるほど。

「ふぅーっ…」

氷の入ったグラスの水をゴクゴクと一気に飲み干すと、深い溜息を吐く。

いつもと様子の違う来未に呆気に取られて、俺の皿のチャーハンは半分も減っていなかった。

「おいしかったです。ご馳走さまでした」

丁寧に両手を合わせた後、正面から俺をジッと見つめて。

「新太さんのおかげで、元気が出たよ。ありがとう」

ふんわり、華が綻ぶように微笑んだ。





「正直、どう表せばいいのか分かりません」

片付けを終えた後、二人並んでソファに座った。来未は胸にギュッとクッションを抱いている。

帰ってきてからずっと今日のことに触れようとしない来未を見て、俺もなにも言わなかった。彼女なりに、色々思うところがあるんだろうと。

来未は、以前もそうだった。

自身の中で整理がつけば、必ず自分から話してくれる。

俺はただ彼女がいつでも話せるように、両手を広げて待つだけだ。

「三ノ宮さんのことは、嫌いでした。だけど不幸になればいいなんて思っていなかったから。あんな場面を見て、色んな感情がごちゃごちゃになりました」

「うん」

「本当はお互い、関わらないままの方がよかったのに」

悲しげな顔を浮かべる彼女の肩に手を回し、そっと抱き寄せた。
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