ワガママ姫とわたし!

清澄 セイ

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第六章「妖精の剣」

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ガキイィン!

「い……ったぁ…っ!」

自分でも驚くほどのスピードで腰から剣を抜いたわたしは、ルミエール姫の前に出てアルファの一太刀を受け止める。

火花が散ったのかと思うくらい、剣同士が激しくぶつかる。わたしは衝撃を受け止めきれず、切っ先が頬をかすめた。

「メイ!」
「だっ、大丈夫!」

妖精の剣に選ばれてから、ずっとソルに使い方を習ってたおかげで、なんとかルミエール姫を守ることができた。付け焼き刃だし、騎士見習いに勝てるわけないって分かってるから、今はその場しのぎで十分だ。

「ジャマ…ジャマをするなぁ…」

アルファはもう、正気の沙汰じゃない。こうなってしまうくらい、心の中に嫌な感情を抱えてたんだと思うと複雑な気持ちになる。

でも、大切な人を傷つけるのは許せない。

ルミエール姫もソルも、もうとっくにわたしの大切な人なんだ。

「ヒキョウ者!」

わたしは立ち上がって、アルファを睨みつける。ルミエール姫が後ろに下がったのを確認して、もう一度剣を構えた。

両手でしっかりと握って、剣の先は相手の目の位置に。体の真ん中に芯が通ってるようなイメージで、肩のいらない力は抜く。

全部、ソルが教えてくれた。

「こんなことしないで、正々堂々と戦えばいいじゃない!不意打ちで倒そうとするなんて、そんなのもう負けてるよ!」
「黙れ…黙れニセモノがぁ…っ」
「わたしはニセモノじゃない!」

怖いも苦しいも、みんなが持ってる感情だ。逃げたい気持ちも、嫌な自分を変えられない情けなさも、わたしだって知ってる。

でも今は、負けたくない。

その相手は、自分自身だ。

「ララン!ソララ!力を貸して!」
「メイ!」
「よし来た!」

そんな声と一緒に、体が光に包まれていく。

使い方は、わたしの頭の中にちゃんとある。

「光の女神よ、負の糸をたち切れ!」
「おのれ、生意気なぁ…っ!」
「お願い、元に戻って…!!」

そんな願いと共に、妖精の剣を前に上から下へと思いきり振り下ろす。

その瞬間、アルファの悲痛な叫び声がビリビリと地面を揺らした。
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