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第二章「ムクチな同級生」
①
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「怖いよー助けてー」
「おい悪者!サメオさんを離せ!」
「わーはっは、返して欲しくばこの私を倒すことだな!」
「くらえ、ヒーローパンチ!」
「ぐあぁ!や、やられたぁー」
私は”サメオさん”を手に持ち、負けたフリをして倒れる。今サメオさんと悪者の二役やってるから、結構大変。
ヒーロー役はミドリ君。アオ君はなぜか、それを撮影してるカメラマン役らしい。なんとも斬新な戦いごっこだ。
結局私は、二人のキラキラな笑顔に負けてまんまと上がり込んでしまった。
というより、奥から出てきたまさかの同級生・甘崎真白(マシロ)君に「よければ上がっていって」って言われたせいもあるんだけど。
ってなわけで、今はリビングで可愛いツインズ・ミドリ君&アオ君と遊んでいます。
五歳児二人の相手は、思った以上にハード。アオ君のサメオさんぬいぐるみコレクションを見せられた後は、ひたすらごっこ遊び。
いくら体格差があるとはいえ、全力のパンチは結構痛い。
でも、楽しいなぁ。こんなに賑やかなの、久しぶりかもしれない。
私は全力で二人と遊びながら、チラッとキッチンに視線を向ける。そこには甘崎君の後ろ姿があって、トントンと軽快なリズムで包丁を使ってる。
さっき外までしてたいい匂いの正体は、甘崎くんの作る料理だった。それだけでもビックリなのに、まさかの大家族でお隣さんなんて。同じクラスなのに、全然知らなかった。
「ごめん、相手させて」
「あっ、ううん」
ヌッと出てきた甘崎君の手には、おたま。教室での彼のイメージとあんまりにもかけ離れてて、思わず二度見してしまった。
「賑やかで楽しいよ」
えへへっと笑って、手に持ってるサメオさんを撫でる。
「それに、私の方が遊んでもらってる感じだし」
「…」
甘崎君はなぜか、微妙な顔で黙ってしまった。
「だけどホントに驚いちゃった。まさか甘崎君がお隣さんだったなんて」
「何回か挨拶行ったけど、いつも出なかったから」
「あ、そうなんだ。ごめんね?私家ではいつもイヤホンしてるから、気付かなかったのかも」
「…」
あれ、また微妙な顔してる。
「あ、甘崎く」
「ねぇツバサちゃーん!ちゃんとやってよぉサメオさん役と悪者役!」
「マシロにぃとばっかり喋らないで!」
左右からミドリ・アオコンビにぐいぐいと手を引っ張られて、それ以上は甘崎君と話すことができなかった。
「おい悪者!サメオさんを離せ!」
「わーはっは、返して欲しくばこの私を倒すことだな!」
「くらえ、ヒーローパンチ!」
「ぐあぁ!や、やられたぁー」
私は”サメオさん”を手に持ち、負けたフリをして倒れる。今サメオさんと悪者の二役やってるから、結構大変。
ヒーロー役はミドリ君。アオ君はなぜか、それを撮影してるカメラマン役らしい。なんとも斬新な戦いごっこだ。
結局私は、二人のキラキラな笑顔に負けてまんまと上がり込んでしまった。
というより、奥から出てきたまさかの同級生・甘崎真白(マシロ)君に「よければ上がっていって」って言われたせいもあるんだけど。
ってなわけで、今はリビングで可愛いツインズ・ミドリ君&アオ君と遊んでいます。
五歳児二人の相手は、思った以上にハード。アオ君のサメオさんぬいぐるみコレクションを見せられた後は、ひたすらごっこ遊び。
いくら体格差があるとはいえ、全力のパンチは結構痛い。
でも、楽しいなぁ。こんなに賑やかなの、久しぶりかもしれない。
私は全力で二人と遊びながら、チラッとキッチンに視線を向ける。そこには甘崎君の後ろ姿があって、トントンと軽快なリズムで包丁を使ってる。
さっき外までしてたいい匂いの正体は、甘崎くんの作る料理だった。それだけでもビックリなのに、まさかの大家族でお隣さんなんて。同じクラスなのに、全然知らなかった。
「ごめん、相手させて」
「あっ、ううん」
ヌッと出てきた甘崎君の手には、おたま。教室での彼のイメージとあんまりにもかけ離れてて、思わず二度見してしまった。
「賑やかで楽しいよ」
えへへっと笑って、手に持ってるサメオさんを撫でる。
「それに、私の方が遊んでもらってる感じだし」
「…」
甘崎君はなぜか、微妙な顔で黙ってしまった。
「だけどホントに驚いちゃった。まさか甘崎君がお隣さんだったなんて」
「何回か挨拶行ったけど、いつも出なかったから」
「あ、そうなんだ。ごめんね?私家ではいつもイヤホンしてるから、気付かなかったのかも」
「…」
あれ、また微妙な顔してる。
「あ、甘崎く」
「ねぇツバサちゃーん!ちゃんとやってよぉサメオさん役と悪者役!」
「マシロにぃとばっかり喋らないで!」
左右からミドリ・アオコンビにぐいぐいと手を引っ張られて、それ以上は甘崎君と話すことができなかった。
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