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第三章「縮んでいくキョリ」
⑤
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ピンポーン
その時、来客を知らせるドアフォンの音が部屋に響いて、私は思わずビクッと反応する。手の甲で涙を拭ってモニターを確認すると、そこには甘崎君の姿が映し出されている。
「えぇっ、何で!?」
まさか甘崎君だとは思ってなかったから、私は慌てながらバタバタと玄関へ急ぐ。ドアを開けると、いつものクールな表情を浮かべた甘崎君が立っていた。
「あ、甘崎君どうしたの?」
そう尋ねても、甘崎君はなぜか歯切れが悪い。
「いやこれ、作り過ぎたから食べるかなって。肉じゃがなんだけど」
「肉じゃが!?」
肉じゃが!まさか男子から肉じゃがをもらうなんて、想像すらしたことなかった。
差し出されたタッパーからは、ふんわりと甘い出汁の香りがする。甘崎君の作った肉じゃが、絶対美味しいに決まってる。
「でも悪いよ」
「だから、作り過ぎただけだって」
「でも…」
私は誘いを断ってクッキー作りなんてしてるのに、もらってしまっていいのかな。
中々受け取ろうとしない私に、甘崎君はぽつりと呟く。
「…何か元気、ない気がしたから」
「え…」
驚いて彼を見つめると、ふいっと視線を逸らさせる。その表情は、何だか照れてるように見えた。
「ちょっと気になっただけ」
「甘崎君…」
「これは気にしなくていいから、嫌じゃないなら食べてもらえると…」
私の瞳から、ボロボロと涙が零れ落ちる。甘崎君はギョッとしたように目を見開いて、それからオロオロと慌てはじめた。
「ごっ、ごめんね。何でもないから…っ」
「何でもなくはないでしょ!俺嫌なこと言った?」
「違う、言ってない!」
甘崎君の言葉を、私は首をブンブン横に振って否定する。本当はこんな迷惑かけたくないのに、涙が止まらない。
「どうかした?何かあった?」
甘崎君は心配そうに、私の顔を覗き込む。
「私、甘崎君に謝らなきゃいけないことがあって…っ」
「うん」
「私、私…っ」
「大丈夫、ゆっくりでいいから」
繰り返しそう言って慰めてくれる甘崎君の声色は優しくて、まるで頭を撫でられてるような気持ちになった。
その時、来客を知らせるドアフォンの音が部屋に響いて、私は思わずビクッと反応する。手の甲で涙を拭ってモニターを確認すると、そこには甘崎君の姿が映し出されている。
「えぇっ、何で!?」
まさか甘崎君だとは思ってなかったから、私は慌てながらバタバタと玄関へ急ぐ。ドアを開けると、いつものクールな表情を浮かべた甘崎君が立っていた。
「あ、甘崎君どうしたの?」
そう尋ねても、甘崎君はなぜか歯切れが悪い。
「いやこれ、作り過ぎたから食べるかなって。肉じゃがなんだけど」
「肉じゃが!?」
肉じゃが!まさか男子から肉じゃがをもらうなんて、想像すらしたことなかった。
差し出されたタッパーからは、ふんわりと甘い出汁の香りがする。甘崎君の作った肉じゃが、絶対美味しいに決まってる。
「でも悪いよ」
「だから、作り過ぎただけだって」
「でも…」
私は誘いを断ってクッキー作りなんてしてるのに、もらってしまっていいのかな。
中々受け取ろうとしない私に、甘崎君はぽつりと呟く。
「…何か元気、ない気がしたから」
「え…」
驚いて彼を見つめると、ふいっと視線を逸らさせる。その表情は、何だか照れてるように見えた。
「ちょっと気になっただけ」
「甘崎君…」
「これは気にしなくていいから、嫌じゃないなら食べてもらえると…」
私の瞳から、ボロボロと涙が零れ落ちる。甘崎君はギョッとしたように目を見開いて、それからオロオロと慌てはじめた。
「ごっ、ごめんね。何でもないから…っ」
「何でもなくはないでしょ!俺嫌なこと言った?」
「違う、言ってない!」
甘崎君の言葉を、私は首をブンブン横に振って否定する。本当はこんな迷惑かけたくないのに、涙が止まらない。
「どうかした?何かあった?」
甘崎君は心配そうに、私の顔を覗き込む。
「私、甘崎君に謝らなきゃいけないことがあって…っ」
「うん」
「私、私…っ」
「大丈夫、ゆっくりでいいから」
繰り返しそう言って慰めてくれる甘崎君の声色は優しくて、まるで頭を撫でられてるような気持ちになった。
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