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第五章「タイセツだと思うから」
⑥
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数日後、甘崎君は学校へやってきた。すっかり回復したみたいで、いつものクールな甘崎君に戻ってる。
よかった、元気になって。
そう思いながら甘崎君を見ていると、不意に彼がこっちを振り向く。パチッと目が合って、私は思わず視線を逸らしてしまった。
「…」
顔が熱い。甘崎君の看病に行ったあの日から、なんだか変だ。家にいても気がつくと甘崎君のことを考えちゃってるし、触れられた手の熱さとか、赤い顔に潤んだ瞳とか、そういうのを全部思い出しては胸のドキドキが止まらない。
甘崎君の家にお邪魔するようになって彼を知って、いい人だと思った。家の事を一生懸命頑張ってて、兄弟の面倒も見てて、凄く偉いなって。
私のことも気にしてくれて、あんなことをしても怒らないで許してくれたし。
友達っていうか、人として尊敬してるって思ってたけど、この間はなんだか凄くドキドキして、改めて甘崎君は男の子なんだなって意識したっていうか…
あぁだめだ、今こんなこと考え始めたらまた脳内が甘崎君でいっぱいになっちゃうよ!
私は頭を左右にぶんぶん振って、少しでも落ち着こうと胸に手を当てた。
ホントにどうしたんだろう、私。
「絶対恋だよね!」
「…ぐっ!」
お昼休み、はーちゃんから真顔でそう言われて私は思わずパンを喉に詰まらせた。
「ちょっとツバサ大丈夫?ほら、お茶飲んで」
はーちゃんから差し出された水筒に口をつけ、ごくごくと勢いよくお茶を流し込む。
ふぅ…危なかった…
「で、さっきの話に戻るけどさ。ツバサもそう思うでしょ?」
「え、私!私は…」
そう聞かれてすぐ頭に浮かぶのは、甘崎君の顔。
「ち、違う違う!私が好きなのは王寺先輩だから!」
頭の上をパッパッと手で払いながら、私は声を張り上げた。だって、甘崎君に恋しちゃったなんてそんな…
「ツバサ一体何の話してんの?」
「えっ?」
「私は昨日ツバサに借りた漫画の話をしてるんだけど」
「ま、漫画…」
はーちゃんにそう言われて、私はポカンと口を開ける。話全然聞いてなかった。ごめん、はーちゃん。
「ツバサ最近、ずっとボーッとしてるよね」
「そ、そうかな」
「でも、部活は気合入ってる」
それはそうだ。だって、甘崎君から言われたから。一生懸命部活頑張ってる姿を尊敬するって。
「やっぱり、王寺先輩がいるから?」
「王寺先輩?」
「あれ、違うの?」
不思議そうなはーちゃんを見て、私はそこで初めて王寺先輩の顔を思い浮かべる。確かに私は、先輩に憧れてテニス部に入ったんだ。
王寺先輩がコートの中で力強くボールを打つ姿がかっこよくて、少しでも近付きたいと思った。
話してみると明るくて優しくて、ただの後輩の私のことも気遣ってくれて。本当に、いい人だって思う。
「ツバサ?」
「えっ、あぁうんそうなの!だって私は王寺先輩が好きだから!」
「分かったから、声大きい」
私はハッとして慌てて口を押さえる。はーちゃんはクスクス笑いながら、おにぎりをパクリと頬張った。
「先輩への気持ちは分かったけど、もっと隠さなきゃみんなに聞こえちゃうよ」
「私、そんなに大きい声出してた?」
「うん。ビックリするくらい」
あぁ…恥ずかしい。確かにここ数日ボーッとすること多かったし、もっとしっかりしなきゃ。
ガバッと机に突っ伏すと、はーちゃんがなぐさめるみたいに頭をヨシヨシと撫でてくれた。
よかった、元気になって。
そう思いながら甘崎君を見ていると、不意に彼がこっちを振り向く。パチッと目が合って、私は思わず視線を逸らしてしまった。
「…」
顔が熱い。甘崎君の看病に行ったあの日から、なんだか変だ。家にいても気がつくと甘崎君のことを考えちゃってるし、触れられた手の熱さとか、赤い顔に潤んだ瞳とか、そういうのを全部思い出しては胸のドキドキが止まらない。
甘崎君の家にお邪魔するようになって彼を知って、いい人だと思った。家の事を一生懸命頑張ってて、兄弟の面倒も見てて、凄く偉いなって。
私のことも気にしてくれて、あんなことをしても怒らないで許してくれたし。
友達っていうか、人として尊敬してるって思ってたけど、この間はなんだか凄くドキドキして、改めて甘崎君は男の子なんだなって意識したっていうか…
あぁだめだ、今こんなこと考え始めたらまた脳内が甘崎君でいっぱいになっちゃうよ!
私は頭を左右にぶんぶん振って、少しでも落ち着こうと胸に手を当てた。
ホントにどうしたんだろう、私。
「絶対恋だよね!」
「…ぐっ!」
お昼休み、はーちゃんから真顔でそう言われて私は思わずパンを喉に詰まらせた。
「ちょっとツバサ大丈夫?ほら、お茶飲んで」
はーちゃんから差し出された水筒に口をつけ、ごくごくと勢いよくお茶を流し込む。
ふぅ…危なかった…
「で、さっきの話に戻るけどさ。ツバサもそう思うでしょ?」
「え、私!私は…」
そう聞かれてすぐ頭に浮かぶのは、甘崎君の顔。
「ち、違う違う!私が好きなのは王寺先輩だから!」
頭の上をパッパッと手で払いながら、私は声を張り上げた。だって、甘崎君に恋しちゃったなんてそんな…
「ツバサ一体何の話してんの?」
「えっ?」
「私は昨日ツバサに借りた漫画の話をしてるんだけど」
「ま、漫画…」
はーちゃんにそう言われて、私はポカンと口を開ける。話全然聞いてなかった。ごめん、はーちゃん。
「ツバサ最近、ずっとボーッとしてるよね」
「そ、そうかな」
「でも、部活は気合入ってる」
それはそうだ。だって、甘崎君から言われたから。一生懸命部活頑張ってる姿を尊敬するって。
「やっぱり、王寺先輩がいるから?」
「王寺先輩?」
「あれ、違うの?」
不思議そうなはーちゃんを見て、私はそこで初めて王寺先輩の顔を思い浮かべる。確かに私は、先輩に憧れてテニス部に入ったんだ。
王寺先輩がコートの中で力強くボールを打つ姿がかっこよくて、少しでも近付きたいと思った。
話してみると明るくて優しくて、ただの後輩の私のことも気遣ってくれて。本当に、いい人だって思う。
「ツバサ?」
「えっ、あぁうんそうなの!だって私は王寺先輩が好きだから!」
「分かったから、声大きい」
私はハッとして慌てて口を押さえる。はーちゃんはクスクス笑いながら、おにぎりをパクリと頬張った。
「先輩への気持ちは分かったけど、もっと隠さなきゃみんなに聞こえちゃうよ」
「私、そんなに大きい声出してた?」
「うん。ビックリするくらい」
あぁ…恥ずかしい。確かにここ数日ボーッとすること多かったし、もっとしっかりしなきゃ。
ガバッと机に突っ伏すと、はーちゃんがなぐさめるみたいに頭をヨシヨシと撫でてくれた。
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