超魔法こがね

湯殿たもと

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栗原屋のモンブラン

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超魔法こがね9


「いやったー!!終わったあぁぁぁ!」

テストからやっと解放された!英語も理科もバッチリ。これでまた遊べる!

・・・受験生なんだよねぇ・・・完全に解放されたわけじゃないのか。でも自分でこれを目標にして頑張ってきたんだからとりあえず息抜きしよう!

「みすずちゃんやったよ」

「こがねちゃんいつもより嬉しそう」

「いつもより頑張ったかいがあるよ」

ルンルンで過ごしていると帰りのホームルームで数学のテストが帰ってきた。帰ってこなくていいのに。うぐぅ。

点数は目も当てられなかった。いや、まだ大丈夫。入試本番じゃないし。それまでにがんばれば。クールになれ、敷島こがね。


放課後。約束の栗原屋のモンブランを食べにちょっと寄り道。栗原屋はこの街で一番の洋菓子屋さんで、その中でもモンブランが一番人気。東京のデパートの物産展にも出たことがあるという。

「やっぱりこの街のスイーツといえば栗原屋のモンブランか栂尾屋の苺大福だよね」

「そうだね、最強だよね」

栂尾(とがのお)屋は栗原屋と双璧をなすこの街のお菓子屋さん。こっちは和菓子専門で苺大福が一番人気。次回のご褒美はこっちかな。

栗原屋。いつも混んでいるこのお店は私たちと同じ目的の人が多いのか、学生が多かった。高校生の方が多い。

「文化祭成功記念ださくら、どれでも好きなのを選べ」

「じゃあシュークリームにしようかな」

「俺はモンブランだ、久保田、支払い頼む」

「ちょっとまてええぇぇぇい!各自で支払え!」

「ちっしょうがないなあ」

「ええ・・・」

ちなみにモンブランは数量限定で土日とかは特にすぐ無くなってしまう。今日は放課後にかけてきたから間に合ったぽい。

「モンブラン三つ」

「かしこまりした」

か、買えた・・・良かった。


「やっぱり栗原屋のモンブランは最高ですね、こがねちゃん」

「だよね」

「ところでもうひとつのモンブランは誰のなんですか?」

「これはね、お世話になった人に」

「そうなんだ」

夜。寝る前に冷蔵庫からモンブランを取り出す。本当に夢の中に持ち込めるのかな?

・・・ていうかモンブランを持ったまま寝るのは難しい。持ち帰るときの箱に入れて横を向いて手を伸ばして箱を持ちながら眠った。


「あ、おはこんばんちは」

グラシアさんが謎の挨拶をする。おはこんばんちは。

「グラシアさん、これ、モンブランです、どうぞ」

「モンブラン?」

箱を開けるとモンブランが美味しそうな香りを出す。フォークがないのに気がついたけどどこからかグラシアさんはフォークを取り出した。

「ありがとう、いただきます」

グラシアさんが食べ始めた。普段はあまり表情を見せないグラシアさんがほんの少し、一ドットだけ表情を変えた気がする。

「美味しい。さすが栗原屋」

「ぇ、栗原屋知ってるんですか」

「前に一度食べたことがある」

「そうなんですか」

栗原屋は住んでいる町の一店舗しかないので食べたことがあるとは思わなかった。まあ、物産展に出たことのある有名店だけど・・・

「ありがとう、美味しかった」

グラシアさんはそういってポケットティッシュで口を拭いた。


続きます
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