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夏休み編
サンライズ その5 夏休み編
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サンライズ その5 夏休み編
一学期が無事に終了して、夏休み。テストの結果は気にしないことにしたので、爽やかだ。はじめからヤバいのでは良くないとは思うけれど、高校だってギリギリ受かったところだろうし、頭の出来はこんな具合だろう。
夏休みは、今年こそはぐうたらしたい。中学校のときはめちゃくちゃ忙しかったし、なんとかして、必至にだらだら過ごしたい。
ぴりりりりり。そんなことを考えていると、ゆったりさせまいと電話が鳴る。出てみると知った声。
「やっほーひので君、元気?今日から夏休みらしいね、どこか行かない?高校のときの夏休みはいい経験になるよ、思いっきり人生経験しようよ」
九尾の狐はべらべらと話し出す。もしかしたら電話の使い方をしらないのでは、と思うほどのマシンガントーク。こんなに饒舌な人には会ったことは無かった。たぶんこれからもいない。
「で、どこに行くんだ?」
「私の友達のところ」
「友達?俺は会ったこと無い人か?」
「そうそう。だけど遠慮しなくてもいいよ、ひので君のことは話してあるから」
「それでいつ」
「明日」
「明日!?」
「着替えとかもって朝六時に駅ね、じゃ」
「着替えってまさか泊まりなのか!?駅って」
電話は切れていた。まったく。親しくなると遠慮が無くなる人なんだから。
「ねぇ、ひーくん旅行行くの?」
姉さんが聞いていたらしく、尋ねてくる。
一応行くことにはなったらしい。
「日程とかもまったく決まって無さそうだね」
「ちゃんと聞かないといけないな」
「そうだよね」
九尾の電話番号にかけてみる。しばらく鳴らしても出ない。また後でかけ直してみることにする。
「でも、ひーくんいいよね、九尾さんに旅行に連れってもらえて、私も誘ってほしかったなー、なんて」
「姉さんが電話に出てたら旅行に行けたのかもな」
「いや、そんなことないと思うよ、九尾さん、ひーくんのこと気に入ってるみたいだし」
と、その時電話がかかってくる。
「もしもし、ひので君?旅行の費用だけど、私が全部出すから、気にしなくていいよ、じゃあね」
「ちょっと待った、切るな切るな、何日くらいの旅行なんだ?」
「えーと、四泊五日、なんか用事でもあるの?」
「それならないけど」
「じゃあ決まりね、ばいび~」
電話はプツンと切れた。とりあえず日程がわかっただけでもよしとせねば。むしろ日程しかわかっていないのだけど。
翌朝五時五十分。最寄りの駅に行くと、九尾はすでにやってきていた。
「おはようひので君、元気?」
「ちょっと眠い」
「そっか」
よっこいしょ、と着替えの入った荷物をベンチに置く。そして肝心なことを聞く。
「で、今日はどこに旅行に行くんだ?」
「それはね、・・・・・・山形県!」
九尾はそれなりに遠いところの地名を発した。俺は今までに行ったことのない土地。
「どう?楽しみ?」
「行ったこと無いところだから、楽しみだ」
目的地がわかってしまえば、今までの不安が楽しみに変わってきた。もともと出掛けるのは好きだから、まだ見ぬ土地に興味が湧く。
「じゃあ、レッツゴーっ!」
九尾に連れられて、山形県へ電車に乗り出発した。
続きます。
一学期が無事に終了して、夏休み。テストの結果は気にしないことにしたので、爽やかだ。はじめからヤバいのでは良くないとは思うけれど、高校だってギリギリ受かったところだろうし、頭の出来はこんな具合だろう。
夏休みは、今年こそはぐうたらしたい。中学校のときはめちゃくちゃ忙しかったし、なんとかして、必至にだらだら過ごしたい。
ぴりりりりり。そんなことを考えていると、ゆったりさせまいと電話が鳴る。出てみると知った声。
「やっほーひので君、元気?今日から夏休みらしいね、どこか行かない?高校のときの夏休みはいい経験になるよ、思いっきり人生経験しようよ」
九尾の狐はべらべらと話し出す。もしかしたら電話の使い方をしらないのでは、と思うほどのマシンガントーク。こんなに饒舌な人には会ったことは無かった。たぶんこれからもいない。
「で、どこに行くんだ?」
「私の友達のところ」
「友達?俺は会ったこと無い人か?」
「そうそう。だけど遠慮しなくてもいいよ、ひので君のことは話してあるから」
「それでいつ」
「明日」
「明日!?」
「着替えとかもって朝六時に駅ね、じゃ」
「着替えってまさか泊まりなのか!?駅って」
電話は切れていた。まったく。親しくなると遠慮が無くなる人なんだから。
「ねぇ、ひーくん旅行行くの?」
姉さんが聞いていたらしく、尋ねてくる。
一応行くことにはなったらしい。
「日程とかもまったく決まって無さそうだね」
「ちゃんと聞かないといけないな」
「そうだよね」
九尾の電話番号にかけてみる。しばらく鳴らしても出ない。また後でかけ直してみることにする。
「でも、ひーくんいいよね、九尾さんに旅行に連れってもらえて、私も誘ってほしかったなー、なんて」
「姉さんが電話に出てたら旅行に行けたのかもな」
「いや、そんなことないと思うよ、九尾さん、ひーくんのこと気に入ってるみたいだし」
と、その時電話がかかってくる。
「もしもし、ひので君?旅行の費用だけど、私が全部出すから、気にしなくていいよ、じゃあね」
「ちょっと待った、切るな切るな、何日くらいの旅行なんだ?」
「えーと、四泊五日、なんか用事でもあるの?」
「それならないけど」
「じゃあ決まりね、ばいび~」
電話はプツンと切れた。とりあえず日程がわかっただけでもよしとせねば。むしろ日程しかわかっていないのだけど。
翌朝五時五十分。最寄りの駅に行くと、九尾はすでにやってきていた。
「おはようひので君、元気?」
「ちょっと眠い」
「そっか」
よっこいしょ、と着替えの入った荷物をベンチに置く。そして肝心なことを聞く。
「で、今日はどこに旅行に行くんだ?」
「それはね、・・・・・・山形県!」
九尾はそれなりに遠いところの地名を発した。俺は今までに行ったことのない土地。
「どう?楽しみ?」
「行ったこと無いところだから、楽しみだ」
目的地がわかってしまえば、今までの不安が楽しみに変わってきた。もともと出掛けるのは好きだから、まだ見ぬ土地に興味が湧く。
「じゃあ、レッツゴーっ!」
九尾に連れられて、山形県へ電車に乗り出発した。
続きます。
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