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神無月編
サンライズその12 神無月編
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サンライズその12 神無月編2
二学期が始まって二日目。駅につくと湯殿がいてにこにこしている。うーん、不思議だ。何故あんな遠くで会った人が、何故こんなにこにこして、何故誘拐された側の人の前に立っているのだろうか。誘拐されたことは正直もう気にしてはなかったのだが、顔を見るとどうしても思い出してしまう。
そして姉さんのほうが湯殿と喋りたがっているので俺はほとんど話していないのだが、何か話したいことでもあるのだろうか?
学校に着くと、相変わらずの凄い人波が形成された、なんとか俺は脱出に成功して自分の席に逃げ込めたがそんな俺にも質問の嵐。
「なんで湯殿と一緒に来てるんだよ!」
「そうだそうだ」
「ずるいぞ!」
「電車が一緒だっただけだよ」
と湯殿が言うのでなんとか収まったが、正直恐ろしい。集団催眠か何かか。
授業よりもそちらが気になってお昼。湯殿の存在は最低でも一週間はでかそうだ。お昼はお弁当を作ってきたけれど、中だと落ち着かないので教室の外に出てみる。屋上にでも出てみるか。
「ひーくんどこ行くの?」
「教室が転校生のせいで大盛り上がりだから、どこか静かなところが無いかな、とか思ってさ」
「それなら良い場所があるよ」
そう言って連れてこられたのは移動教室で使う教室。先客がひとりいたが離れた場所にふたりで座る。
「たもとちゃんの話題、別のクラスにも伝わってくるよ、本当にすごいね」
「せいぜい一週間くらいで静かになるだろう」
「確かに、熱狂って意味ではそうだけど、たもとちゃんは良い人っぽいし、その後も人気はあるんじゃない?」
「そうかなぁ」
現状で悪い人、っていうのは誘拐以外にはないし、誘拐されたときも丁寧にされたし、決して悪い人ではない、という意見はわかる。何かこころに引っかかるが・・・・・・気のせいか。
しかし教室に戻ってくると男子ども(俺も男だが)が殺気だっていた。
「湯殿さんと近所に住んでるのってマジかー!?このヤローッ!」
「住んでちゃ悪いかーっ!」
なんでこれくらいで言われなきゃいかんのだ。
放課後。今日は姉さんが用事があるとかで、ひとりで帰ることにする。たまには勉強しないとと思い、早めの電車を目指す。
「一本後の電車でもいいんじゃないかな」
「確かにギリギリだしな」
「ゆっくり話ながら行こ」
「そうだな」
なぜか湯殿が話しかけてきてそれに普通に会話してしまう。てか心を読むな。
「心を読むのくらい、難しいことではないと思うよ」
「だから読むなって」
人の心をそう簡単に読まれてたまるか。姉さんの心は読めるし、逆に姉さんは俺の心を読めるけど、赤の他人には嫌だ。
「ひので君相当私のこと嫌ってるみたいだね」
「誘拐されたんだぞ、そりゃなぁ・・・・・・」
「私は罪を償いにやってきたんだよ」
「どういうことだ」
「人が少ないところでゆっくり話すよ」
そうして、いつもどおりの時間の電車に乗って、家の最寄り駅に降り立つ。少し歩くと本当にひとけのないところである。
「つづき話すよ、私は九尾さんの部下としてやってきたの」
「そうなのか」
「それで、九尾さんっていうのはすごい妖怪なんだけど、その分敵も味方も多くて、それで簡単に言うと」
「・・・・・・」
「ひので君も敵に狙われてる」
鶴島さんが悪霊にとりつかれた時のことを思い出す。まさか、俺まで。何故だ。
「それで、ひので君を守るために、九尾さんから派遣されたの」
「なるほど、もしかして湯殿も妖怪かなにかなのか」
「そうそう、だからひので君より戦闘能力は上だと思うよ」
「なるほどね」
予想外に頼もしい味方だったというわけだ。しかし、何故この湯殿になったのだろうか、という疑問は残るが。まあ九尾に聞けばわかるだろう。
「そういえば俺の妹が湯殿に会いたいって言ってたな、今日暇ならうちにこないか」
「急に態度が柔らかくなったね、せっかくだし行くよ」
家につれていくと、九尾のときのようにはるかは大喜び。はるかはいろいろな人とすぐ仲良くなるので安心。個人的な抵抗感もそのうち、だんだん薄れてくるだろう。
続きます。
二学期が始まって二日目。駅につくと湯殿がいてにこにこしている。うーん、不思議だ。何故あんな遠くで会った人が、何故こんなにこにこして、何故誘拐された側の人の前に立っているのだろうか。誘拐されたことは正直もう気にしてはなかったのだが、顔を見るとどうしても思い出してしまう。
そして姉さんのほうが湯殿と喋りたがっているので俺はほとんど話していないのだが、何か話したいことでもあるのだろうか?
学校に着くと、相変わらずの凄い人波が形成された、なんとか俺は脱出に成功して自分の席に逃げ込めたがそんな俺にも質問の嵐。
「なんで湯殿と一緒に来てるんだよ!」
「そうだそうだ」
「ずるいぞ!」
「電車が一緒だっただけだよ」
と湯殿が言うのでなんとか収まったが、正直恐ろしい。集団催眠か何かか。
授業よりもそちらが気になってお昼。湯殿の存在は最低でも一週間はでかそうだ。お昼はお弁当を作ってきたけれど、中だと落ち着かないので教室の外に出てみる。屋上にでも出てみるか。
「ひーくんどこ行くの?」
「教室が転校生のせいで大盛り上がりだから、どこか静かなところが無いかな、とか思ってさ」
「それなら良い場所があるよ」
そう言って連れてこられたのは移動教室で使う教室。先客がひとりいたが離れた場所にふたりで座る。
「たもとちゃんの話題、別のクラスにも伝わってくるよ、本当にすごいね」
「せいぜい一週間くらいで静かになるだろう」
「確かに、熱狂って意味ではそうだけど、たもとちゃんは良い人っぽいし、その後も人気はあるんじゃない?」
「そうかなぁ」
現状で悪い人、っていうのは誘拐以外にはないし、誘拐されたときも丁寧にされたし、決して悪い人ではない、という意見はわかる。何かこころに引っかかるが・・・・・・気のせいか。
しかし教室に戻ってくると男子ども(俺も男だが)が殺気だっていた。
「湯殿さんと近所に住んでるのってマジかー!?このヤローッ!」
「住んでちゃ悪いかーっ!」
なんでこれくらいで言われなきゃいかんのだ。
放課後。今日は姉さんが用事があるとかで、ひとりで帰ることにする。たまには勉強しないとと思い、早めの電車を目指す。
「一本後の電車でもいいんじゃないかな」
「確かにギリギリだしな」
「ゆっくり話ながら行こ」
「そうだな」
なぜか湯殿が話しかけてきてそれに普通に会話してしまう。てか心を読むな。
「心を読むのくらい、難しいことではないと思うよ」
「だから読むなって」
人の心をそう簡単に読まれてたまるか。姉さんの心は読めるし、逆に姉さんは俺の心を読めるけど、赤の他人には嫌だ。
「ひので君相当私のこと嫌ってるみたいだね」
「誘拐されたんだぞ、そりゃなぁ・・・・・・」
「私は罪を償いにやってきたんだよ」
「どういうことだ」
「人が少ないところでゆっくり話すよ」
そうして、いつもどおりの時間の電車に乗って、家の最寄り駅に降り立つ。少し歩くと本当にひとけのないところである。
「つづき話すよ、私は九尾さんの部下としてやってきたの」
「そうなのか」
「それで、九尾さんっていうのはすごい妖怪なんだけど、その分敵も味方も多くて、それで簡単に言うと」
「・・・・・・」
「ひので君も敵に狙われてる」
鶴島さんが悪霊にとりつかれた時のことを思い出す。まさか、俺まで。何故だ。
「それで、ひので君を守るために、九尾さんから派遣されたの」
「なるほど、もしかして湯殿も妖怪かなにかなのか」
「そうそう、だからひので君より戦闘能力は上だと思うよ」
「なるほどね」
予想外に頼もしい味方だったというわけだ。しかし、何故この湯殿になったのだろうか、という疑問は残るが。まあ九尾に聞けばわかるだろう。
「そういえば俺の妹が湯殿に会いたいって言ってたな、今日暇ならうちにこないか」
「急に態度が柔らかくなったね、せっかくだし行くよ」
家につれていくと、九尾のときのようにはるかは大喜び。はるかはいろいろな人とすぐ仲良くなるので安心。個人的な抵抗感もそのうち、だんだん薄れてくるだろう。
続きます。
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