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神無月編
サンライズその13 神無月編
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サンライズその13 神無月編
湯殿がやってきて一週間。クラスは転校生の話題からだいぶ落ち着いてきたが、湯殿は男女ともに人気があるようだった。ガチで恋しているやつもいるとか。
しかしクラスメイトは湯殿が妖怪であることを知らない。というか、妖怪です!と言っても信じないだろう。もっともクラスの中で過ごしている分には妖怪でも人間でも関係ない。
そんな不思議が介入しても平和な学校生活だったが、気になるのは湯殿の言っていた「俺が狙われている」ということ。幽霊に狙われたらどうしたらいいんだ、そしたら神社におはらいにいけばいいのか?
・・・・・・と、思ったけど、鶴島さんが幽霊に狙われた、というだけで俺を狙ってるやつは幽霊じゃないのかもしれない。そしたらさらに事態は緊迫しているものと考えなければいけない。
早めに対応しておいたほうがいいだろう、と思ってある日の放課後、九尾の狐のところを訪ねてみた。
「ひので君から来るの珍しいね、どうしたの」
「湯殿から聞いたんだが・・・・・・」
それでかくかくしかじかと話した。というか状況を一番わかっているのは九尾だろう。
「確かに、今もひので君は狙われてるよ。でも本当にまずいのはこれからだよ」
「何っ?」
「十月に私は出雲に一ヶ月行かなきゃ行けないんだよ、一応神様扱いされてるらしくてね」
神無月に出雲に神々が集まって会議をする、そんな伝説を聞いたことがあるな。マジだとは。そして今に続いてるとは。
「それで、私が留守の間にここぞとばかりに悪霊たちが騒ぎ出す、というわけ。これは前からそうだったから今年もきっとそう。それでたもとちゃん連れてきたの」
「相手はどんな攻撃をしてくると思うか?」
「呪ったり、誰かにとりついて直接殴ったりしてくるかもしれないね、だから、たもとちゃんから離れたらだめだよ」
九尾は結構真剣な目付きだった。つまり状況は良くないというのだろう。礼を言って家に帰る。風で木々が揺れる。このどこかに敵は潜んでいるのだろうか?・・・・・・考えていたら余計に疲れるだけだな。湯殿がそういう目的で派遣されてきたなら大丈夫な筈だ。それにまだ九月。九尾もまだいる。
「お帰りお兄ちゃん」
「ただいま」
はるかは俺のそんな事情も知らないのだろう。いや、知られたら困る。関係ないのだから無駄な心配をかけるわけにはいかない。・・・・・・本当に関係ないのだろうか。
「ちょっと出掛けてくる」
そしてまた九尾のところに走っていく。聞きたいのは、はるかやきぼう姉さんは大丈夫なのか、ということ。
「はるかちゃんの行ってる小学校にも、うちの部下を行かせてるよ、だけどひので君ほど狙われないんじゃないかな」
「大丈夫なんだろうな」
「大丈夫、約束するよ」
そこまで言うなら大丈夫だろうか。それでも家にいる間だけでも、俺が守らなければ。
「なあ湯殿」
「なに?」
朝、学校に向かう道筋の途中のこと。
「俺を守るために九尾から派遣された、っていうのはわかるんだけど、なんで湯殿がわざわざ遠くからやってきたんだ?」
「それはね、運命じゃない?」
湯殿はにっこりと笑ってそう言った。
「運命・・・・・・ね」
「ひので君と私が出会ったのも、私がこうやってひので君と話してるのも運命」
「敵に狙われるのも運命ってことか、嫌な運命だ」
「そう?」
「そう」
それが、最終的に良い運命なら、それでいいが、悪い運命なら湯殿が変えてくれるのだろうか?それとも俺が変えなければいけないのか?
続きます
湯殿がやってきて一週間。クラスは転校生の話題からだいぶ落ち着いてきたが、湯殿は男女ともに人気があるようだった。ガチで恋しているやつもいるとか。
しかしクラスメイトは湯殿が妖怪であることを知らない。というか、妖怪です!と言っても信じないだろう。もっともクラスの中で過ごしている分には妖怪でも人間でも関係ない。
そんな不思議が介入しても平和な学校生活だったが、気になるのは湯殿の言っていた「俺が狙われている」ということ。幽霊に狙われたらどうしたらいいんだ、そしたら神社におはらいにいけばいいのか?
・・・・・・と、思ったけど、鶴島さんが幽霊に狙われた、というだけで俺を狙ってるやつは幽霊じゃないのかもしれない。そしたらさらに事態は緊迫しているものと考えなければいけない。
早めに対応しておいたほうがいいだろう、と思ってある日の放課後、九尾の狐のところを訪ねてみた。
「ひので君から来るの珍しいね、どうしたの」
「湯殿から聞いたんだが・・・・・・」
それでかくかくしかじかと話した。というか状況を一番わかっているのは九尾だろう。
「確かに、今もひので君は狙われてるよ。でも本当にまずいのはこれからだよ」
「何っ?」
「十月に私は出雲に一ヶ月行かなきゃ行けないんだよ、一応神様扱いされてるらしくてね」
神無月に出雲に神々が集まって会議をする、そんな伝説を聞いたことがあるな。マジだとは。そして今に続いてるとは。
「それで、私が留守の間にここぞとばかりに悪霊たちが騒ぎ出す、というわけ。これは前からそうだったから今年もきっとそう。それでたもとちゃん連れてきたの」
「相手はどんな攻撃をしてくると思うか?」
「呪ったり、誰かにとりついて直接殴ったりしてくるかもしれないね、だから、たもとちゃんから離れたらだめだよ」
九尾は結構真剣な目付きだった。つまり状況は良くないというのだろう。礼を言って家に帰る。風で木々が揺れる。このどこかに敵は潜んでいるのだろうか?・・・・・・考えていたら余計に疲れるだけだな。湯殿がそういう目的で派遣されてきたなら大丈夫な筈だ。それにまだ九月。九尾もまだいる。
「お帰りお兄ちゃん」
「ただいま」
はるかは俺のそんな事情も知らないのだろう。いや、知られたら困る。関係ないのだから無駄な心配をかけるわけにはいかない。・・・・・・本当に関係ないのだろうか。
「ちょっと出掛けてくる」
そしてまた九尾のところに走っていく。聞きたいのは、はるかやきぼう姉さんは大丈夫なのか、ということ。
「はるかちゃんの行ってる小学校にも、うちの部下を行かせてるよ、だけどひので君ほど狙われないんじゃないかな」
「大丈夫なんだろうな」
「大丈夫、約束するよ」
そこまで言うなら大丈夫だろうか。それでも家にいる間だけでも、俺が守らなければ。
「なあ湯殿」
「なに?」
朝、学校に向かう道筋の途中のこと。
「俺を守るために九尾から派遣された、っていうのはわかるんだけど、なんで湯殿がわざわざ遠くからやってきたんだ?」
「それはね、運命じゃない?」
湯殿はにっこりと笑ってそう言った。
「運命・・・・・・ね」
「ひので君と私が出会ったのも、私がこうやってひので君と話してるのも運命」
「敵に狙われるのも運命ってことか、嫌な運命だ」
「そう?」
「そう」
それが、最終的に良い運命なら、それでいいが、悪い運命なら湯殿が変えてくれるのだろうか?それとも俺が変えなければいけないのか?
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