サンライズ

湯殿たもと

文字の大きさ
18 / 20
神無月編

サンライズその18 神無月編

しおりを挟む
サンライズその18 神無月編その8



がああああああっ!!また体が動かねえっ!!またかっ!!前回の俺はぬるかった。何がもう大丈夫だ、全然大丈夫じゃねえじゃねえか!

とりあえずそのまま布団でじっとしてると、意に反してすっくと体が勝手に起き上がる。ななななななっ何をっっっっっっっ!

「ひーくんおはよー」

「姉さーんっ助けてくれーっ体が勝手に動くんだよ」

「ええっ」

「湯殿を呼んでくれえっ」

「わかった!」

幸いにも今回は喋れるので、なんとか湯殿を呼び出せる。これも幽霊の仕業だろう。しかしどういう動きをするつもりなのか。止まれーっ!!必死に勝手に動かないように踏ん張ってみる。すこしは違うけれど、俺の体を操る何者かのが力が強くて、俺の意思通りにはならない。

意に反して台所につれていかれ、なぜか右手におたま、左手にフライパンを持たせられる。

「お兄ちゃん何してるの?」

ぎょっとした表情ではるかに見られる。さっさと離れろ、と怒鳴り遠ざける。俺を操るやつはおたまやフライパンで攻撃しようとしているに違いない。本気で殴ったらタダでは済まない。

「たもとちゃん呼んできたよ」

「大丈夫?ひので君」

「体が何者かに操られているんだ、助けてくれ」

と言いつつ体は勝手に動き湯殿へ攻撃しようとする。まさにそのとき、湯殿は姿を消して、そして背後から物凄い打撃が加わったのだった。

「これが幻烈翔。敵に幻を見せてその間にうらに回り込んで攻撃する技」

ぐあああっ!解説は良いからどうにかしてくれっ!体が変な方向に曲がったあだだだだだ!

体がその場でのたうち回る以外のことが出来なくのり、その後湯殿が以前見た鶴島さんの除霊のように、塩を大量に振りかけてくる、というのを味わったのだ。



・・・・・・十一月一日。九尾がお土産をもって新幹線から降りてきた。

「ただいまーっ」

その瞬間、俺の対幽霊に対する戦争は終結を迎えたのであった。

「ひーくんはどうだったの?幽霊に狙われなかった?」

「なんとか大丈夫だったよ」

「そりゃ良かったね!」

良くはない、とは思うが、結果として何事も支障をきたすことなく十一月を迎えられたので、なによりだった。

十一月一日も狐たちの宴会に誘われた。九尾の次に偉いらしい豊原さんがやってきて俺に何故か詫びた。

「守りきれなくて申し訳ない」

「いやいやこちらこそ迷惑をかけて申し訳ない」

などと謝りあいになってしまう。そんなことよりご飯食べて明るく行こうよ、と九尾の狐。何故か湯殿は酒を飲んで酔っぱらっている。こんなんでいいのか。

「良いんだよー、別に万事解決したわけだしー」

と酔った九尾が湯殿を擁護する。結果よければすべてよし、なのはまったく間違っていないのだが。そんな感じの宴会は夜遅くまで続き、冷たい風と星空のなかをたったかと軽快に歩いて帰ったのだった。



神無月編、完。



おまけ。


「何故湯殿は俺の家に住み着いているのか?」

「変?」

「変というか、なんというか、どういう成り行きなんだ」

「ひので君が助けてーって言って私を呼んだのはついこの前のことでしょ」

「確かにそうだけど」

「それにあとの家族は賛成してるよ」

「・・・・・・本当に?」

「本当」

まあはるかとかは喜びそうだけど、とき姉さんとかなにを思って賛成したのか?まあいいや。

「そうして湯殿を同棲を許した東海ひのでは、あっという間に彼女に身も心も溺れていくのだった」

「変なナレーションつけるな」

「というわけで次回「夜明け編」スタート、絶対また読んでね!」

「次回もサービスサービスっ!」



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく… なお、スピンオフもございます。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...