狼の巫女

湯殿たもと

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狼の巫女5

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狼の巫女5


夜中の三時。丑三つ時とかいう頃だろうか。たまたま目が覚めたのでトイレに行く。この家は古くからの木造家屋で、トイレは縁側を通ったところにある。ここは外と面しているのだか・・・

くぅぅーん。また犬か狼か何かの声がする。垣根の向こうに誰かがいるのに気づいた。がさがさと垣根を抜けて来たのは暗いのでよくわからないが、おそらくこの前の少女。

(お腹すいた)

腹が減ったのか。そういえば僕もへってきた。冷蔵庫をあけるとさまざまな食材が入っていた。目についたのはチーズ。ちょうど良いなと思い、取り出して謎の少女と一緒に食べることにする。

(仲間たちの分も・・・)

仲間って狼か。狼だったらこのチーズじゃ足りんだろう。そもそも食べさせて大丈夫なのか?ペットに人の食べ物食べさせないほうが良いとも聞く。

(はやく)

仕方ないのですぐソーセージやチーズなどを持たせた。少女は足早に去って行った。


翌日朝六時。テレビのニュースをぼーっとした頭で見る。熊に襲われ三人死亡。ここの近所か、怖いな。

「本当に熊?狼じゃないの」

「まさか」

テレビの字幕で死亡した人の名前が表示された。聞いたことがある名前。もしかして、昨日の患者の仲間?ていうことは狼に復讐されたのか?狼は犬の仲間だから賢そうで鼻も利きそうだ、ありえる。

「ちょっと警察にいってくる。調べてるだろうから見せてもらう」

「そんなこと言ったって聞いてくれないよ」

「え、でも巫女だから」

巫女だから?え、巫女は警察より強いの・・・


「みずほ、さぁバイトにいくぞ」

「あ、いま行く」

診療所に歩いて行く途中、雪音が警察に行ったことを尋ねてみる。

「警察の捜査をじろじろ見る権限があるのか、雪音には」

「それは、まぁ、有るんだな。ここの巫女は江戸時代やその前から力があったんだ」

「凄いなぁ、しかし雪音が捜査を覗いていったいどうするつもりなんだろう」

「うーん、それはわからないなぁ、しっかし雪音はちとわがままなんだよ。こういうのに口を出しすぎなんだ」

「親は何も言わないのか」

「父さんも母さんももういないんだ」

かおる君が複雑な顔を浮かべる。聞いたら行けなかったか、悪いことしたな・・・

「別に悲しい訳じゃない。ただ雪音にはもっとまともになって欲しいんだ。雪音をしつけられる立場なのは俺しかいない。みずほ、協力してくれないか」

「わかった、でもなにをすれば良いのかな・・・」

「雪音は礼儀を知らないわけでもないし常識もわかる。だからなにを教えればいいのかわからない・・・いったいどうすればいいのか・・・」

続きます。
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