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月夜の椿
月夜の椿2
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月夜の椿2
金曜日。来週はテストなのでまあ私はやってるのだけど、椿は大丈夫なのかな。本人は大丈夫大丈夫いってるんだけどさ。
「ただいま牡丹」
「どこにいってきたの」
「今日はこれ」
いつも野菜や果物を盗んでくるから今日のものには驚く。なんと漬物。
「お婆さんに交換してもらったの」
「本当に交換?こんな朝早くに」
時計はまだ朝の四時を指している。
「お年寄りの朝は早いんだよ牡丹、さあ食べましょ」
炊いておいたほかほかのご飯と漬物、そして目玉焼き。まだ暗いけどこれが我が家の朝ごはん。卵もご飯もどこからか椿が用意したもので、美味しいけど盗んだりしてないか気になる。
「この卵はどこからもってきたのさ」
「野菜と交換したんですよ」
「ふーん」
野菜はどうせ盗んできたものだろう。肥料で払っているというが。まあ私だって本気では止めてないんだから共犯みたいなものかな。
普段六時くらいから二時間ほど仮眠をとっている。夜に飛び回る椿がそうしてるから合わせているのだけど。
「今日は仮眠やめにしない?」
「どうしたの牡丹」
「いやぁ、ギリギリまで寝ると遅刻しそうになるし、だからね」
「大丈夫ですよ、今までギリギリだけどいつも間に合ってるから」
「え、あ、そう、あはは」
説得できそうもないやこりゃ。結局いつも通りの時間に登校する。委員ちょには謝っておいた。私だけ先に登校してもいいんだけど、そうすると椿が派手に遅刻しそうだからそれもできない。
試験が近いので必死になって板書を写し、教科書を読み、問題を解く。結構今回は厳しいかも、という実感を持ってるからまだ良い方で、椿が簡単とか言っていて油断して騙されたときがあった。本人は騙したつもりでは全く無いのだろうけど、椿は魔法の薬の調合とか飛びやすい箒に改造するとかやってるから頭の出来が違う。ちらっと椿の様子を伺うと余裕の表情だった。うーん。
放課後まで必死というのは疲れるもので、体全体が力が入らないような、そんな感じがする。
「牡丹、お腹すいたでしょ、これ食べる?」
「あ、クッキーじゃん、良いの?これ」
「たくさんあるから」
「いただきます」
口に入れたところで気になることを言われる。
「それは魔法の炎で焼いたんですよ」
「はほほーほほほふ?」
「だから美味しく焼けて、しかも魔力も・・・」
「ちょっと待って、魔力って何?」
「魔法を使うための力ですよ」
「ふーん」
私は魔法なんて使わないから魔力なんて要らないのだけど、取り敢えず体に毒じゃないことを願っておく。
夜。
「魔法使ってみない?」
「魔法?私に使えるの?」
「素質あるから大丈夫だよ」
「でも使わなくても困ってないし・・・」
「冬に冷たい水に触らずに食器を洗える魔法があるんだよ牡丹」
「何っそんなのあるの!?」
それはやってみたい。普段の生活で利益があるんだったら。もっと早く教えてくれたらよかったのに。
「私が教えてあげるから。まずあの青のお茶碗に力を込めて」
「こう?」
ぐっと力を込める。・・・・・・三十秒ほどしてカタカタいいだして、そして三分くらいして浮いた!
「浮いたよ」
その瞬間お茶碗は浮力を失って地面に落ちて割れた。あちゃーやっちゃった・・・・・・
「力を込め続けるんだよ」
「私には無理だこりゃ、普通にやった方がいい」
「慣れればかんたんなんだけど」
慣れるのに二十年もかかったら仕方ないと思ってしまう。私には向いてないのかな。
続きます。
金曜日。来週はテストなのでまあ私はやってるのだけど、椿は大丈夫なのかな。本人は大丈夫大丈夫いってるんだけどさ。
「ただいま牡丹」
「どこにいってきたの」
「今日はこれ」
いつも野菜や果物を盗んでくるから今日のものには驚く。なんと漬物。
「お婆さんに交換してもらったの」
「本当に交換?こんな朝早くに」
時計はまだ朝の四時を指している。
「お年寄りの朝は早いんだよ牡丹、さあ食べましょ」
炊いておいたほかほかのご飯と漬物、そして目玉焼き。まだ暗いけどこれが我が家の朝ごはん。卵もご飯もどこからか椿が用意したもので、美味しいけど盗んだりしてないか気になる。
「この卵はどこからもってきたのさ」
「野菜と交換したんですよ」
「ふーん」
野菜はどうせ盗んできたものだろう。肥料で払っているというが。まあ私だって本気では止めてないんだから共犯みたいなものかな。
普段六時くらいから二時間ほど仮眠をとっている。夜に飛び回る椿がそうしてるから合わせているのだけど。
「今日は仮眠やめにしない?」
「どうしたの牡丹」
「いやぁ、ギリギリまで寝ると遅刻しそうになるし、だからね」
「大丈夫ですよ、今までギリギリだけどいつも間に合ってるから」
「え、あ、そう、あはは」
説得できそうもないやこりゃ。結局いつも通りの時間に登校する。委員ちょには謝っておいた。私だけ先に登校してもいいんだけど、そうすると椿が派手に遅刻しそうだからそれもできない。
試験が近いので必死になって板書を写し、教科書を読み、問題を解く。結構今回は厳しいかも、という実感を持ってるからまだ良い方で、椿が簡単とか言っていて油断して騙されたときがあった。本人は騙したつもりでは全く無いのだろうけど、椿は魔法の薬の調合とか飛びやすい箒に改造するとかやってるから頭の出来が違う。ちらっと椿の様子を伺うと余裕の表情だった。うーん。
放課後まで必死というのは疲れるもので、体全体が力が入らないような、そんな感じがする。
「牡丹、お腹すいたでしょ、これ食べる?」
「あ、クッキーじゃん、良いの?これ」
「たくさんあるから」
「いただきます」
口に入れたところで気になることを言われる。
「それは魔法の炎で焼いたんですよ」
「はほほーほほほふ?」
「だから美味しく焼けて、しかも魔力も・・・」
「ちょっと待って、魔力って何?」
「魔法を使うための力ですよ」
「ふーん」
私は魔法なんて使わないから魔力なんて要らないのだけど、取り敢えず体に毒じゃないことを願っておく。
夜。
「魔法使ってみない?」
「魔法?私に使えるの?」
「素質あるから大丈夫だよ」
「でも使わなくても困ってないし・・・」
「冬に冷たい水に触らずに食器を洗える魔法があるんだよ牡丹」
「何っそんなのあるの!?」
それはやってみたい。普段の生活で利益があるんだったら。もっと早く教えてくれたらよかったのに。
「私が教えてあげるから。まずあの青のお茶碗に力を込めて」
「こう?」
ぐっと力を込める。・・・・・・三十秒ほどしてカタカタいいだして、そして三分くらいして浮いた!
「浮いたよ」
その瞬間お茶碗は浮力を失って地面に落ちて割れた。あちゃーやっちゃった・・・・・・
「力を込め続けるんだよ」
「私には無理だこりゃ、普通にやった方がいい」
「慣れればかんたんなんだけど」
慣れるのに二十年もかかったら仕方ないと思ってしまう。私には向いてないのかな。
続きます。
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