月夜の椿

湯殿たもと

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月夜の椿

月夜の椿4

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月夜の椿4


「悪魔」から逃げ切り家に入る。煌々と灯った中でゆっくり休憩。

「あの、悪魔っていうのは何者なの?」

「よく解らないけど、最近この森に越してきたみたい。このあたりで何か企んでるのかもしれない」

何か企んでいる。もちろん悪い意味だろうと思う。しかしいったい何なのか。そもそも悪魔って?

「悪魔って私は言ってるけど、正体はわからないね。どこの誰かも目的も解らないし・・・・・・まあこっちから攻撃しなければそこまで追ってこないけどね」

「ふぅん」

私は夜は外に出なかったから知らなかったけれど、こんな山の中でもご近所トラブルがあるとは思わなかった。

「ひとりで黙ってないで私に相談してよ」

「別に大丈夫なのに」

あてにされていないような気がした。正直悲しい。私は、自己満足かもしれないけど、椿のために成りたい。


翌朝。

私は「悪魔」についての噂を聞いたことがあった。それは私の通う高校でのこと。「悪魔とつるんでいる学生がいる」という噂。悪魔とつるむ、というよく分からない言葉だけど聞いてみる価値がある。

仮に昨日の悪魔がそのつるんでいる悪魔と同じ、あるいは仲間なら、何をしているのか教えてもらえるかもしれないし、敵対しているなら戦ってくれるかもわからない。とにかくコンタクトを取りたかった。

朝登校して、朝のHRが終わった直後に委員長に聞いてみる。

「ねぇいいんちょ」

「どうしたの須賀川さん」

「ちょっと聞きたいことがあるんだよ、悪魔とつるんでる学生がいるっていう噂」

「それは久保田だね」

「同じクラスの久保田?」

「そうよ」

「ありがといいんちょ」

久保田くんとはほとんど話したことがなかったのだ。話す機会もないし、別に話したいと思ったこともなかった。でも今は椿のためにも話しかけなければ。

「久保田くん、ちょっといいかな」

「?、須賀川さん、どうしたんですか」

あまり親しくないせいか緊張しているっぽい。

「あなたの友達の悪魔に会わせてほしいのです」

「ああ、いいぞ。放課後まで待っててくれ」

「ありがとうございます」

久保田くんはすこしだけ笑顔になった。

それで時間が経って放課後に。約束通り悪魔に会わせてもらう。久保田くんについていくと、校門のところに見慣れない制服を着た、中学生ほどの女子が立っていた。

「紹介する。明智いろは。地獄の悪魔だ」

「はじめまして」

にっこりとしながら挨拶してきたのでこちらも微笑みがえし。

「私は須賀川牡丹、久保田くんのクラスメート。よろしくね」

「よろしく」

早速本題に入る。家の近くの魔物のことを一通り話すと自信が無さそうに言う。

「ちょっとボクは担当が違うから解らないけど、考えられるのはひとつは閻魔様の命令で活動してること。あまり悪魔は人前に姿をみせないようにしてるからね」

この人は普通に姿を見せているのだけどいいのだろうか。

「もうひとつは、悪魔を騙って悪さをしている魔物がいるって可能性。こっちだったら何をするか解らないから危険」

淡々と言う。私が持っている情報ではどちらかは解らない。

「来てもらうことってできる?」

「大丈夫だよ」

「ありがとう」

こうして今夜に来てもらうことになった。椿がひとりで飛んでいるより心強い。それに解決してくれればそれが一番だ。

「久保田くん、一旦ボク帰るよ、仲間を連れてくるから」

「よしわかった、気を付けろよ」

「うん、またね!」

続きます。次回最終回
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