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月夜の椿ネクスト
月夜の椿ネクスト3
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月夜の椿ネクスト その3
・・・・・・
・・・
朝か。よっと。時間は・・・・・・まずい。
急いで支度を始める。今までで一番遅く起きたかもしれない。着替えてパンを流し込んで学校へ行く。時間は・・・・・・どうか。走らないと危ないかもしれない。自転車組がすいすい抜いていく。羨ましい。それでも雨ではなくてよかったかもしれないと思っていると脇の道から牡丹と椿が歩いてくるのが見えた。このふたりはいつもギリギリだけど遅れてくることはまず無いから安心できる。
「おはよ翼くん」
「おはよ」
「おはよう」
牡丹は愛想よく、椿はいつも通りの落ち着いた挨拶。俺はというと走ってきたから息を切らしている。
「今日は遅いね、寝坊?」
「そんなところ」
「昨日歩き疲れたんでしょ、きっと」
「だろうな」
普段は早く起きられる体質だからそうなのだろうと思う。おしゃべりしているうちに学校へ。下駄箱のところで鐘が鳴る。やはりギリギリだけど間に合った。
昼休みは小栗と昨日の反省会を行う。道に迷うという現実に起きた怪奇現象。目印が消えたから勘違いとかそういう類いでもないのだ。
「氷室さんはすんなり森の外に出ててまったく迷っている感じじゃなかったけどいったいどうしてなんだろうね」
「それは、例えば迷いの森の仕組みを知っているとかだろう。どこをどう進めばいいのか知っていたら、一見不可解に見える現象が起きても大丈夫じゃないの」
「僕は別の意見だよ、あの迷いの森自体を氷室さんが作っているって考えてる」
「またすごい発想だ」
「目印が消える、ってよっぽどのことだよ。それくらい不思議なことが起きてるんだからそれくらいでもおかしくはないよ」
「作り出すっていうのもな・・・そうだ、こんなのはどうだ?どこからか電波を受け取ってそれでナビゲーションされてるっていうのはどうだ」
「それもあるかもしれないね」
パンをもしゃもしゃと食べながら議論する。椿本人がこれを聞いたらどう思うだろうか。違う、と一言で否定してくるかもしれないな。議論はたくさんしたけど、結局のところ真相はわかるはずが無かった。
放課後はゆっくりと帰る。昨日の雨はすっかりどこかへ消えてしまったが寒さは残していったらしい。着実に冬に近づいていく。なんとなく森の方へ歩いてきてしまった。流石にあんな目に遭いたくないし入るのは躊躇する。それに森は昨日の雨を蓄えていて入ったらびしょ濡れになりそうだ。・・・・・・帰るか。テストも近いし。家に帰ってしっかり勉強しなくちゃね。と思ってだらだらやって寝た。
夢か。また小さい頃の記憶。妙に細かく再現されている夢を見ると思う。細かいところは実際はあやふやに覚えているだろうけど。小学生の頃の牡丹の姿が見える。暗い顔だった。僕は何かを探している。何を探しているんだったっけ。そうだ、何か動物を捕まえて見せてあげようと思ったのだ。森の近くで探していると猫が向こうを歩いていた。捕まえようとするとやはりというか、逃げてしまった。動物を捕まえるのは難しい。猫が歩いていたってことを教えてみたけれど反応はそこまで無かった。もしかして、あまり動物が好きじゃないのかなと思うと、無理に捕まえることもなかったか。
牡丹の好きなものをよく知らなかったから、何で元気になるのかをたくさん考えていた。
続きます。
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朝か。よっと。時間は・・・・・・まずい。
急いで支度を始める。今までで一番遅く起きたかもしれない。着替えてパンを流し込んで学校へ行く。時間は・・・・・・どうか。走らないと危ないかもしれない。自転車組がすいすい抜いていく。羨ましい。それでも雨ではなくてよかったかもしれないと思っていると脇の道から牡丹と椿が歩いてくるのが見えた。このふたりはいつもギリギリだけど遅れてくることはまず無いから安心できる。
「おはよ翼くん」
「おはよ」
「おはよう」
牡丹は愛想よく、椿はいつも通りの落ち着いた挨拶。俺はというと走ってきたから息を切らしている。
「今日は遅いね、寝坊?」
「そんなところ」
「昨日歩き疲れたんでしょ、きっと」
「だろうな」
普段は早く起きられる体質だからそうなのだろうと思う。おしゃべりしているうちに学校へ。下駄箱のところで鐘が鳴る。やはりギリギリだけど間に合った。
昼休みは小栗と昨日の反省会を行う。道に迷うという現実に起きた怪奇現象。目印が消えたから勘違いとかそういう類いでもないのだ。
「氷室さんはすんなり森の外に出ててまったく迷っている感じじゃなかったけどいったいどうしてなんだろうね」
「それは、例えば迷いの森の仕組みを知っているとかだろう。どこをどう進めばいいのか知っていたら、一見不可解に見える現象が起きても大丈夫じゃないの」
「僕は別の意見だよ、あの迷いの森自体を氷室さんが作っているって考えてる」
「またすごい発想だ」
「目印が消える、ってよっぽどのことだよ。それくらい不思議なことが起きてるんだからそれくらいでもおかしくはないよ」
「作り出すっていうのもな・・・そうだ、こんなのはどうだ?どこからか電波を受け取ってそれでナビゲーションされてるっていうのはどうだ」
「それもあるかもしれないね」
パンをもしゃもしゃと食べながら議論する。椿本人がこれを聞いたらどう思うだろうか。違う、と一言で否定してくるかもしれないな。議論はたくさんしたけど、結局のところ真相はわかるはずが無かった。
放課後はゆっくりと帰る。昨日の雨はすっかりどこかへ消えてしまったが寒さは残していったらしい。着実に冬に近づいていく。なんとなく森の方へ歩いてきてしまった。流石にあんな目に遭いたくないし入るのは躊躇する。それに森は昨日の雨を蓄えていて入ったらびしょ濡れになりそうだ。・・・・・・帰るか。テストも近いし。家に帰ってしっかり勉強しなくちゃね。と思ってだらだらやって寝た。
夢か。また小さい頃の記憶。妙に細かく再現されている夢を見ると思う。細かいところは実際はあやふやに覚えているだろうけど。小学生の頃の牡丹の姿が見える。暗い顔だった。僕は何かを探している。何を探しているんだったっけ。そうだ、何か動物を捕まえて見せてあげようと思ったのだ。森の近くで探していると猫が向こうを歩いていた。捕まえようとするとやはりというか、逃げてしまった。動物を捕まえるのは難しい。猫が歩いていたってことを教えてみたけれど反応はそこまで無かった。もしかして、あまり動物が好きじゃないのかなと思うと、無理に捕まえることもなかったか。
牡丹の好きなものをよく知らなかったから、何で元気になるのかをたくさん考えていた。
続きます。
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