月夜の椿

湯殿たもと

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月夜の椿ネクスト

月夜の椿ネクスト12

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月夜の椿ネクスト12



十一月二十二日。森の中の小さな一軒家にて。夜になってから熱田がやって来た。そこの家の住人、須賀川牡丹が不思議に思って見ると、熱田がやたら深刻そうな顔をしているのて余計に不思議に思った。

「どうしたの?」

「急ぎの用があるんだよ。椿は?」

「寝てるからすぐ起こすね」

「ありがとう」

この家の主、氷室椿はぐっすり眠っていた。布団にくるまって非常に気持ちよく寝ていたのが分かったのだが、非常事態らしいから起こさざるを得なかった。椿は寝起きが非常に良い方なので、起こされてすぐ熱田の話を聞く。

「翼くんにとりついている「何か」の正体、わかったんだよ」

「本当?」

「ここに書いてあるのとそっくりなんだよ」

熱田が鞄から取り出したのは、大昔に書かれた資料だった。

「私はこれ読めないんだけど」

「そうだね、私が今から読むよ」

熱田が読み上げた内容は・・・・・・

・この化け物は人にとりついて幻を見せる。

・幻を見せられ続けた人はだんだんと起きられなくなり。ついには目を覚まさなくなる。

・この化け物の正体はいっさい不明だが、その化け物を守るように見知らぬ女性が現れるという。この化け物を守っているのだと思われる。

ということ。三人は頭を抱える。化け物がいるということはわかるのだけど、解決方法がまったく書き記されていないのだ。

「この女が守ってるということは、何かしらの弱点はあるはず。まず女をさがして、弱点を聞き出すか、女にその化け物へ説得してもらう」

椿がこう宣言すると、牡丹は何かひっかかったかのように話し出した。

「そういえば、翼くんの近くに変な女の人がいるのを見たよ」

「本当?」

椿も心当たりがあった。木戸を三階から突き落とし、そして消えた謎の女。それがその女だとしたら翼の近くにいるに違いないと思ったのだ。

そして、椿は明日の作戦を練るのだった。



翌朝。三人は作戦に基づいて決められたところへやってきていた。

「椿は大丈夫かなぁ」

「大丈夫だよ、椿は強いし、それに危ないと思ったらすぐ飛んで逃げられるから」

「確かにそうだけど」

牡丹は以前、森に変な化け物が住み着いた時のことを思い出した。あの時は椿は相手の実力をはっきりと解っていたのか、ひとりで戦わず、明智さんたちの協力を仰いでいた。だから、今回も多分大丈夫。

須賀川牡丹と熱田みなみがしばらく待っていると、二人の知らない謎の女性がやって来た。

「あなたが巫女ね」

「そうだけど」

謎の女性は熱田にそう尋ねた。熱田は巫女装束を着ているのだからなんで二人がそんなことを訊いているのかと怪しく思う(何故巫女装束を着ているのかと訊かれたら答えに詰まっただろうけど)。それを聞いた謎の女性はいきなり行動に出た。

「だったら、翼くんのためにあなたたちを倒すね」

「えっ」

そして、その女は人間とは思えない速さで走り、熱田に殴りかかる。熱田は寸前のところで結界を張るがそれも一回攻撃を防いだのみで、割られてしまう。その次の瞬間には空中に打ち上げられていた。女は熱田が動かなくなるのを見るともう一人その場にいた牡丹に狙いをさだめる。

「とりあえず逃げるよっ」

声をかけたのは椿。普段はしない、昼間の飛行で牡丹をぎりぎりで助ける。そして森へ待避していった。

「とりあえず巫女は捕まえたから、作戦は達成ね」

その女はそうつぶやき、黒い笑みを浮かべていた・・・・・・。


続きます

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