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月夜の椿ネクスト
月夜の椿ネクスト13
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月夜の椿ネクスト 13
(また目線が変わります。今回は「村山愛」の目線になります。かなり謎だった彼女の秘密に迫ります。)
十一月二十二日。木曜日。明日は勤労感謝の日。いよいよ冬になり雪も降って、野山に潜伏して活動するのも大変になってきた。しかし、翼くんにとりついたあの憎い悪夢を取り払うためにはここで耐えなくては。
明日は翼くんは図書館で友達と勉強するという。私は、ここ最近はずっとなのだけど、その悪夢にとり憑く「巫女」を探している。現状翼くんに近づく女は(残念なことに)ほとんどいない。いまいちよく分からない女の学生はいるけど、現状でその悪夢を手助けしているようには見えない。
森の中で寝袋にくるまって寝る、こんな生活も何年続けてきただろうか。大好きだった先輩が悪夢に取り憑かれて、それで心を壊してしまった。それから私は勉強しながらその悪夢を追ってきた。各地の資料を調べて、その悪夢の生態はなんとなく分かり、そして十年前、たまたま出くわした時からずっと追っている。今までやって来た問題と比べ物にならない、難しい問題。今回のチャンスを逃すわけにはいかない。その悪夢と、悪夢を守る「巫女」を退治して、同じ悪夢はもう見させない。
勤労感謝の日の朝、翼くんの家の近くまでやってくると、何の用も無さそうに、ただ立っている女子学生を見つけた。学生なのは解るけど格好は異様といえば異様で、黒いマントにとんがり帽子、手には箒と、古典的な魔女の格好をしているのだった。
「学生さん、何してるの」
「・・・・・・友達を待っているところ」
深く被った帽子の下からぎろりと睨み付けながら彼女は言う。
「そういうあなたは何をしてるの」
「私も人を待ってるのよ、あなたは何で友達を待ってるの?遊びに行くの、それとも勉強?」
「・・・・・・化け物から守るため」
「奇遇ね、私は悪夢からその人を守るためにやってるの」
お互いににらみあう。
やはり、この学生は翼くんにとりついた悪夢の存在を知っている。問題なのは、悪夢側なのか、それとも私と同じように悪夢を倒すためにやっているのか。
仮に悪夢側だとしたら今すぐにでも追い払わなければならない。しかし確証が持てないどころか心強い味方なのかもわからない。
「わかったわ、あなたが翼くんを守ろうとしてるのは、ところで、このあたりで巫女さんを見なかった?」
「あっちにいる」
「そうなんだ。ありがとね学生さん」
思わぬ証言。「巫女」さえ見つかってしまえば難しいことはなにもない。そいつを捕まえて、悪夢を呼び出し成敗すればいい。方法はいろいろ考えて準備してある。
学生のいった通りのところに巫女ともう一人女子学生がたっていた。
「あなたが巫女ね」
「そうだけど」
「だったら、翼くんのためにあなたたちを倒すね」
「えっ」
巫女が困惑している間に一撃を食らわす。一発で相手はバテて倒れてしまった。
「とりあえず逃げるよっ」
遠くから声をかけたのはさっきの学生。すばやい低空飛行でもう一人の学生をぎりぎりで助ける。そしてどこかへ飛んでいった。ひとり巫女がここに残される。
「とりあえず巫女は捕まえたから、作戦は達成ね・・・・・・・・・・・・・あれ?」
ちょっと待った。なぜこの巫女と一緒にいた人をさっきの学生は助けたのだろうか。巫女とはそもそもなんだったのか。資料には巫女とあったが、果たしてそれは巫女そのものなのか、何かの概念に当てはまるかわりの言葉として巫女という言葉を使ったのか。
・・・・・・どう考えても、この人は悪夢を守る巫女ではなかった。私はこの巫女を救急車を呼んで、そして助けた。
続きます。
(また目線が変わります。今回は「村山愛」の目線になります。かなり謎だった彼女の秘密に迫ります。)
十一月二十二日。木曜日。明日は勤労感謝の日。いよいよ冬になり雪も降って、野山に潜伏して活動するのも大変になってきた。しかし、翼くんにとりついたあの憎い悪夢を取り払うためにはここで耐えなくては。
明日は翼くんは図書館で友達と勉強するという。私は、ここ最近はずっとなのだけど、その悪夢にとり憑く「巫女」を探している。現状翼くんに近づく女は(残念なことに)ほとんどいない。いまいちよく分からない女の学生はいるけど、現状でその悪夢を手助けしているようには見えない。
森の中で寝袋にくるまって寝る、こんな生活も何年続けてきただろうか。大好きだった先輩が悪夢に取り憑かれて、それで心を壊してしまった。それから私は勉強しながらその悪夢を追ってきた。各地の資料を調べて、その悪夢の生態はなんとなく分かり、そして十年前、たまたま出くわした時からずっと追っている。今までやって来た問題と比べ物にならない、難しい問題。今回のチャンスを逃すわけにはいかない。その悪夢と、悪夢を守る「巫女」を退治して、同じ悪夢はもう見させない。
勤労感謝の日の朝、翼くんの家の近くまでやってくると、何の用も無さそうに、ただ立っている女子学生を見つけた。学生なのは解るけど格好は異様といえば異様で、黒いマントにとんがり帽子、手には箒と、古典的な魔女の格好をしているのだった。
「学生さん、何してるの」
「・・・・・・友達を待っているところ」
深く被った帽子の下からぎろりと睨み付けながら彼女は言う。
「そういうあなたは何をしてるの」
「私も人を待ってるのよ、あなたは何で友達を待ってるの?遊びに行くの、それとも勉強?」
「・・・・・・化け物から守るため」
「奇遇ね、私は悪夢からその人を守るためにやってるの」
お互いににらみあう。
やはり、この学生は翼くんにとりついた悪夢の存在を知っている。問題なのは、悪夢側なのか、それとも私と同じように悪夢を倒すためにやっているのか。
仮に悪夢側だとしたら今すぐにでも追い払わなければならない。しかし確証が持てないどころか心強い味方なのかもわからない。
「わかったわ、あなたが翼くんを守ろうとしてるのは、ところで、このあたりで巫女さんを見なかった?」
「あっちにいる」
「そうなんだ。ありがとね学生さん」
思わぬ証言。「巫女」さえ見つかってしまえば難しいことはなにもない。そいつを捕まえて、悪夢を呼び出し成敗すればいい。方法はいろいろ考えて準備してある。
学生のいった通りのところに巫女ともう一人女子学生がたっていた。
「あなたが巫女ね」
「そうだけど」
「だったら、翼くんのためにあなたたちを倒すね」
「えっ」
巫女が困惑している間に一撃を食らわす。一発で相手はバテて倒れてしまった。
「とりあえず逃げるよっ」
遠くから声をかけたのはさっきの学生。すばやい低空飛行でもう一人の学生をぎりぎりで助ける。そしてどこかへ飛んでいった。ひとり巫女がここに残される。
「とりあえず巫女は捕まえたから、作戦は達成ね・・・・・・・・・・・・・あれ?」
ちょっと待った。なぜこの巫女と一緒にいた人をさっきの学生は助けたのだろうか。巫女とはそもそもなんだったのか。資料には巫女とあったが、果たしてそれは巫女そのものなのか、何かの概念に当てはまるかわりの言葉として巫女という言葉を使ったのか。
・・・・・・どう考えても、この人は悪夢を守る巫女ではなかった。私はこの巫女を救急車を呼んで、そして助けた。
続きます。
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