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4章
告白
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1.勢い余って告白? してしまった裕次郎は慌てて誤魔化す。
「いや、ほらだって俺モテないし! 一生デートできないと思うから! ルイーゼもそう思うようね!」
少し強引だったけど何とか話を誤魔化せた・・・と思う。ルイーゼに告白して、『いいわよ。付き合いましょう』って言われたら、すごく嬉しい。嬉しいけど・・・・・・俺はこの世界でハーレムを作るために来たんだし・・・でもやっぱり付き合いたいっちゃ付き合いたいかな・・・・
複雑な心境の裕次郎は、恐る恐るルイーゼの顔色をうかがった。
「・・・・・・そうね」
ルイーゼは、それだけ言うと視線をそらした。その表情に裕次郎は困惑していた。
なにを考えているのか全く分からなかったからだ。少なくとも怒ってはいないみたいだけど・・・。
「ここまででいいわね」
ルイーゼは裕次郎から少し離れた。考え事をしていて気が付かなかったが、もう家の前まで着いていた。
「うん。ありがとう。ま、また明日」
「・・・・・・また明日ね」
ルイーゼはそう言うと帰っていった。
誤魔化せてよかった。裕次郎は大きく息を吐き出した。
2.「ただいま~」
「おかえりなさい!」
部屋の奥からサキが嬉しそうに走り寄ってくる。裕次郎はしっかりとキャッチし、抱きかかえた。
「しっかりお留守番できた?」
「うん! できた!」
サキは両手を上にあげ、元気よく返事をした。裕次郎は疲れた体を癒すためお風呂に入ることにした。
「ベル、お風呂に入ろう!」
肩に乗ったまま、ずっと静かだったベルへ視線をやると・・・・・・
そこにはカッチカチのバッキバキに固まったベルがくっついていた。
「ええええ!? なにこれ! 大丈夫なの!? っていうか生きてるよね!?」
裕次郎は慌ててサキを下ろすとベルを揺さぶった。
『ガン!』
ベルは床に落ち、ゴロゴロと転がった。
「ちょっと! マジで大丈夫!」
裕次郎は軽く叩いてみたが、びくともしない。よく観察してみると体の表面をなにか固いものが覆っていた。爪で引っ掻いてみると、ガラスを引っ掻いたようにキーキーと音を立てた。
「どうしよ・・・・・・」
裕次郎にはなすすべが無かった。途方に暮れていたその時、声をかけられる。
「なにやっとんじゃ?」
聞き覚えのある声に振り返ると、裏庭で出会ったあの角っ子が立っていた。
「え? 何でいんの?」
裕次郎は立派に生えている角を見ながら尋ねた。頭からは黒い角が二本生えていた。
「このこさっちゃんていうんだよ!」
サキはそう言いながら角っ子の角に触っていた。
あ、俺も角触りたいな・・・・じゃくて!
裕次郎は慌てながらも質問した。
「君・・・さっちゃん? は何でここにいるの! っていうかサキと名前かぶってるし!」
「名前は別にかぶってないぞ。さっちゃんのさはサタンのさじゃからな。ここにきた理由は・・・そうじゃな・・・裕次郎お兄ちゃんに用があったからじゃ」
「は? 俺?」
裕次郎お兄ちゃんって何? これ俺の妹なの? 可愛いけど角生えてるしなあ・・・・・そうじゃなくて! 異世界に妹いるわけないじゃん! 血が繋がっていないどころか俺別世界から来てるし!
「いやいや! 俺一人っ子だし! 妹なんていないよ!」
「そうじゃけどそうじゃないんじゃよ。ちゃんと説明するから聞いててね。お兄ちゃん」
「・・・・・・分かりました」
裕次郎は内心『角っ子の妹も悪くないな』と思っていた。しかし角っ子から伝えられた衝撃の事実にそんな思いは吹き飛んでしまう。
「お兄ちゃんはこの世界を支配するために『 』の遺伝子を組み込まれてこの世界に送られたんじゃよ。だから私のお兄ちゃんなんじゃ!」
続く。
「いや、ほらだって俺モテないし! 一生デートできないと思うから! ルイーゼもそう思うようね!」
少し強引だったけど何とか話を誤魔化せた・・・と思う。ルイーゼに告白して、『いいわよ。付き合いましょう』って言われたら、すごく嬉しい。嬉しいけど・・・・・・俺はこの世界でハーレムを作るために来たんだし・・・でもやっぱり付き合いたいっちゃ付き合いたいかな・・・・
複雑な心境の裕次郎は、恐る恐るルイーゼの顔色をうかがった。
「・・・・・・そうね」
ルイーゼは、それだけ言うと視線をそらした。その表情に裕次郎は困惑していた。
なにを考えているのか全く分からなかったからだ。少なくとも怒ってはいないみたいだけど・・・。
「ここまででいいわね」
ルイーゼは裕次郎から少し離れた。考え事をしていて気が付かなかったが、もう家の前まで着いていた。
「うん。ありがとう。ま、また明日」
「・・・・・・また明日ね」
ルイーゼはそう言うと帰っていった。
誤魔化せてよかった。裕次郎は大きく息を吐き出した。
2.「ただいま~」
「おかえりなさい!」
部屋の奥からサキが嬉しそうに走り寄ってくる。裕次郎はしっかりとキャッチし、抱きかかえた。
「しっかりお留守番できた?」
「うん! できた!」
サキは両手を上にあげ、元気よく返事をした。裕次郎は疲れた体を癒すためお風呂に入ることにした。
「ベル、お風呂に入ろう!」
肩に乗ったまま、ずっと静かだったベルへ視線をやると・・・・・・
そこにはカッチカチのバッキバキに固まったベルがくっついていた。
「ええええ!? なにこれ! 大丈夫なの!? っていうか生きてるよね!?」
裕次郎は慌ててサキを下ろすとベルを揺さぶった。
『ガン!』
ベルは床に落ち、ゴロゴロと転がった。
「ちょっと! マジで大丈夫!」
裕次郎は軽く叩いてみたが、びくともしない。よく観察してみると体の表面をなにか固いものが覆っていた。爪で引っ掻いてみると、ガラスを引っ掻いたようにキーキーと音を立てた。
「どうしよ・・・・・・」
裕次郎にはなすすべが無かった。途方に暮れていたその時、声をかけられる。
「なにやっとんじゃ?」
聞き覚えのある声に振り返ると、裏庭で出会ったあの角っ子が立っていた。
「え? 何でいんの?」
裕次郎は立派に生えている角を見ながら尋ねた。頭からは黒い角が二本生えていた。
「このこさっちゃんていうんだよ!」
サキはそう言いながら角っ子の角に触っていた。
あ、俺も角触りたいな・・・・じゃくて!
裕次郎は慌てながらも質問した。
「君・・・さっちゃん? は何でここにいるの! っていうかサキと名前かぶってるし!」
「名前は別にかぶってないぞ。さっちゃんのさはサタンのさじゃからな。ここにきた理由は・・・そうじゃな・・・裕次郎お兄ちゃんに用があったからじゃ」
「は? 俺?」
裕次郎お兄ちゃんって何? これ俺の妹なの? 可愛いけど角生えてるしなあ・・・・・そうじゃなくて! 異世界に妹いるわけないじゃん! 血が繋がっていないどころか俺別世界から来てるし!
「いやいや! 俺一人っ子だし! 妹なんていないよ!」
「そうじゃけどそうじゃないんじゃよ。ちゃんと説明するから聞いててね。お兄ちゃん」
「・・・・・・分かりました」
裕次郎は内心『角っ子の妹も悪くないな』と思っていた。しかし角っ子から伝えられた衝撃の事実にそんな思いは吹き飛んでしまう。
「お兄ちゃんはこの世界を支配するために『 』の遺伝子を組み込まれてこの世界に送られたんじゃよ。だから私のお兄ちゃんなんじゃ!」
続く。
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