~他の異世界に召喚されたけど自由気ままに旅しよう~

Tkayuki 冬至

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第十話

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無乳受付嬢に連れられてギルドマスターのいる部屋へと案内される。



「ギルドマスター、シラヌイさんをお連れしました。」

「入ってくれ」



そしてその部屋の中へと入ることになる。



「初めまして、シラヌイ君。私はここのギルドマスターをしているダスク・モーランブだ。まあ、座ってくれ」



いたのは一人の女性だった。



外見なら20位だろうが、実年齢はそれより倍以上はあるだろう貫禄を感じる。

だがかなり美人なのは間違いない。



服装は意外にも女性らしい服装で蒼いドレスの様な物を着ていたが、腰には一本の剣を下げていた。



とりあえず椅子に座った不知火だったが服装は黒いローブで顔も隠したままだ。



「それにしてもフードのせいで顔がよく見えないが……見せてはくれないか?」

「それは絶対か?」

「……いや、構わないよ。せめて君のステータスプレートを提示してくれないか?」

「わかった。」



不知火は懐からステータスプレートを取り出してテーブルの上に置いた。



それをギルドマスター、ダスクはそれを眺めると確認し終えた様に不知火へと返した。



因みにちゃんと偽造している。

だがスキルに剣術.1だけ入れてた。



「確かにこれはシラヌイ君本人だね。念のために聞くが君は冒険者になるんだね?」

「一応な。」

「わかった。ならこれに記入しておいてくれ」



ギルドマスターから渡されたのはギルドカードを申請する為の用紙だ。



「……聞いてもいいか?」

「どうしたんだい?」

「名前は偽名でもいいのか?」

「あぁ、いいぞ。」



確認を取ると不知火は用紙に記入していく。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前 シキ

性別 男

年齢 16



武器 剣

魔法 無し





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



名前をシキにした理由は自分の名前の最初と最後を合わせただけだ。



ゲームのキャラでもこの名前にしている。



「書けたぞ」

「そうか……君、彼のギルドカードを作ってくれ」

「わかりました!」



受付嬢は用紙を受けとると部屋から退出してしまう。



「さて、冒険者ギルドについて簡単に説明させてもらう。ランクは上からSSS.SS.S.A.B.C.D.Eまである。Aまでは依頼をこなせば上がるがSランクからはギルドマスターである私達数名が試験を用意して評価をする。それを合格すればSから上がっていくんだ。依頼をする時は採集以外の依頼、護衛やモンスター討伐等は事前に契約金を支払わなければならない。成功しようが失敗しようが契約金は戻ってこないが成功すれば契約金の倍以上は儲かるぞ。あと、犯罪を犯せばギルドから除名になる。まあ、自己責任だ」

「なるほど、わかった。」

「ギルドカードでしましたー!」



説明が終わったのと同時に受付嬢が一枚のカードを持って戻ってきた。

あれがギルドカードだろう。



「そうか、ご苦労。彼に渡しれくれ」



受付嬢からそのギルドカードを受けとる。



ギルドカードはランクによって色が変わるらしい。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





SSSランク 黒色

SSランク 白色

Sランク 金色

Aランク 銀色

Bランク 銅色

Cランク 赤色

Dランク 灰色

Eランク 茶色





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「ギルドカードを紛失すると中金貨5枚必要となりますのでお気をつけ下さいね?」



そうにっこりする受付嬢が少し恐ろしいと感じてしまった不知火。



「そう脅かすな。君も受付に戻ってくれ」

「わかりましたー」

「彼女の言っていたのは本当だから気を付けるんだよ。……で、何か依頼をしていったらどうだい?薬草の採集なんてどうだい?」

「そうだな……考えとく」



そう言うとそこから退出しようとする不知火。



だがダスクは少し不満そうな表情をしていた。



「シラヌイ……いや、シキ君。一度位君の顔を見せてくれないかい?気になってしょうがないんだよ。それに、礼儀としてはどうかと思うけど?」

「……わかった」



渋々フードを取るがまた落胆していた。



「……君の髪のせいで全く顔が見えないよ。ほら、見せてごらんなさい!」

「はぁ……」



次は髪紐を取り出して長い癖っ毛金髪を後ろに結うと小さな小顔が現れる。



それは美少女顔負けの容姿にダスクは思わず惚けてしまう。



「……驚いたね。そんなに幼く美しいとは思わなかったよ。それにその碧眼はとても強く感じる。どうだい、今夜私と一緒に……」

「黙れ、ビッチ……あ」

「……シキ君、君は……死にたいのかな?」

「思ったことを言っただけだ!別に後悔していない!」

「言い切ったね!失礼だね君は!」

「実際は?」

「君をお持ち帰りしようと思っていたさ!」

「てめぇも言い切ったなビッチ!」

「一つ聞いていいかい……?」

「あ?何だ……」

「私は君みたいな女でも……」

「あ、うん、ばいばい」

「ちょっ!待って……」



ダスクが何か言おうとするが最後を聞かずに扉を閉めた。



中から『シキ君~カムバ~ック!』と聞こえるが無視してギルドマスターの部屋を後にした。



そして髪紐を解き、フードを深々と被った不知火、シキは不貞腐れていた。



「……俺女じゃねぇし……男だし」





意外にも女と呼ばれた事に傷ついていたシキだったのだ。

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